オフコース
あの小田和正が率いていたバンド
今の若い世代の方で、オフコースを知らない、という方は少なくないでしょう。
それもそのはず、オフコースが活躍していたのは70年代~80年代にかけて。
今から30年以上前ということになりますね。
でも、一度オフコースの曲を耳にしたら、あれ、どこかで聴いたことがある声、と思うのではないでしょうか。
それほど印象に残る声の持ち主、それは現在も活躍している、あの小田和正がリーダーを務めていたバンドです。
小田和正の、あの透き通る独特の高い声は、このオフコースの頃から現在もまったく変わっていませんね。
「さよなら」の大ヒットが転機に
オフコースは、1970年にデビュー。
デビューからしばらくは、ヒットに恵まれなかったようです。
転機を作ったのは、1979年にリリースされた17thシングル「さよなら/汐風の中で」のA面収録曲「さよなら」。
デビュー9年目にして自身最高位となるオリコン週間シングルチャート2位を獲得、大ヒットを記録します。
作曲した小田和正はかつてなく売れ線を意識して作った曲だと語っていますが、デビュー10周年を目前にして、何か思うところがあったのでしょうか。
この「さよなら」に、その後のバンドの行方を懸けていたのかもしれないですね。
「さよなら」はバンドを代表する曲となり、オフコースは一躍トップアーティストの仲間入りを果たしました。
これ以降にリリースされたシングルはチャートの上位を記録したものも多くありますが、今では名曲として知られている曲も「さよなら」以前のものは当時あまり売れていなかったんですよ。
多くのCMに起用され、2016年にはドラマ『OUR HOUSE』の主題歌ともなった人気曲、「愛を止めないで」も、チャートでは31位という結果たっだんです。
「さよなら」のヒット以降は、チャート1桁台の曲も増え、過去の作品も見直されるようになったようです。
美しいコーラスワークが魅力
オフコースは、透明感のある小田和正の声と、美しいコーラスワークが最大の武器でした。
当時はアリスやかぐや姫、チューリップなどが活躍していた時代でしたが、中期以降のオフコースは、音楽的に完全に一線を画していました。
その独特な、比較器激しい曲であっても決して無くなることのない透明感を孕んだ雰囲気は、オフコースにしかないものだったといえるでしょう。
またこの当時、テレビの音楽番組が全盛でした。
多くの音楽番組に出演することで知名度を上げ、ヒットにつなげるアーティストがほとんどという中、オフコースは音楽番組に出演することはほぼありませんでした。
これは、ソロとしての小田和正にもいえることでしょう。
現在でも、小田和正はあまりテレビには出演せず(それでも昔よりかは多少増えているようですが)、思いつく番組といえば2001年から毎年制作されている「クリスマスの約束」くらいのもの。
ドキュメンタリー、CMなどにはたまに出演していますが、音楽番組で姿を見かけることはほとんどありません。
「クリスマスの約束」でさえも最初は辞退したということですから、TV自体があんまり好きではないのかもしれませんね。
「Yes-No」
今回ご紹介する「Yes-No」は、「さよなら」のヒットの翌年、1980年にリリースされた19thシングルです。
同年発売された8thアルバム『We are』には、シングルとはアレンジが異なるアルバムバージョンが収録されました。
オリコン週間シングルチャートこそ8位と「さよなら」を下回りましたが、「さよなら」に負けず劣らずの人気曲です。
現在でも、小田和正のコンサートでは必ず披露されています。
ちょっと衝撃の歌詞内容が、当時かなり話題になったようですね。
歌詞もそうですが、この曲はイントロの最後、ヴォーカルが入る直前に転調し、それがまた曲の物語性をアップする効果を担っていて何とも言えない魅力を放っています。
衝撃の歌詞を紹介
コードもチェック!
ではここで、その衝撃の歌詞を見ていきましょう。
コードも、一緒にご紹介します。
F Dm EmAm Em7Fmaj7
今なんていったの? 他のこと考えて
Dm Csus4 C Dm7Csus4
君のこと ぼんやり見てた
F Dm EmAm Em7Fmaj7
好きな人はいるの? こたえたくないなら
Dm C Dm EmG
きこえないふりをすればいい
Fmaj7 G7 Em7 Am
君を抱いていいの 好きになってもいいの
Fmaj7 G7 Em7 Am
君を抱いていいの 心は今 何処にあるの
出典: Yes-No/作詞:小田和正 作曲:小田和正
”君”の話が上の空になるくらい、いったい何を考えていたのでしょうか。
”君”の話より、きっと”君”の存在そのものに見とれていたのかもしれませんね。
でも女の子は、好きな人に自分の話を聞いてもらいたいもの。
でも彼は、あることで頭がいっぱいのようです。
”君”に好きな人がいるのか?
でもこの彼は、好きな人がいてもいい、とは言いません。
聞こえないふりをすればいい、と言って、自分にも”君”にも、どこか逃げ道を残してもいるようです。
でも、そのあとはズバリ核心をついてきます。
でもこのセリフは、彼の心の中だけで響いているのでしょうか?
”君”に向けて、発されているのでしょうか?
心惹かれる、好きになってしまいそうな女の子に、彼がどこか今一つ踏み込めていない気配を感じさせるように、”君”の心のありかを尋ねます。
君を抱いていいの……!?
F Dm EmAm Em7 Fmaj7
言葉がもどかしくて うまくいえないけれど
Dm Csus4 CDm7Csus4
君のことばかり 気になる
F Dm EmAm Em7 Fmaj7
ほらまた笑うんだね ふざけているみたいに
Dm C Dm EmG
今 君の匂いがしてる
Fmaj7 G7 Em7 Am
君を抱いていいの 好きになってもいいの
Fmaj7 G7 Em7 Am
君を抱いていいの 夏が通り過ぎてゆく
出典: Yes-No/作詞:小田和正 作曲:小田和正