それでも自分を偽ることに疲れ、本当の自分を理解してもらおうとします。

しかし自分をわかってもらおうとすればするほど、大人とぶつかってしまう。

平手さん自身の伝え方も不器用だったのかもしれません。

時にはぶつかり合って、初めてその人を理解することもあります。

平手さんを信頼するからこそ本気でぶつかった大人もいたでしょう。

しかし平手さんにはそれはかなり酷だったのでしょう。

自分を殺し、与えられた場所、求められたイメージでいる。

そんな方法でしか自分の心を守る術はなかったのかもしれません。

本当の自分を押し殺し、周囲のイメージ通りの自分になってしまおうとすること。

それは心へのダメージを低減させるために選んだ手段なのでしょう。

何か行動を起こせば周囲から問題を起こしたと見なされる。

彼女が今まで辛い出来事を沢山経験した上での諦めとも捉えられます。

みんなの期待には応えられない

世間の持つ平手さんへのイメージと、自分の持つ自分のイメージ。

そのふたつには大きな差があり、ギャップに苦しむ日々。

そんな苦悩を抱えつつも平手さんは欅坂46のセンターとして懸命に戦います。

しかし、自分を偽りながら活動するうちに心は蝕まれていったようです。

自分を殺しながら微笑む

らしさって一体何?
あなたらしく微笑んでなんて
微笑みたくないそんな一瞬も
自分をどうやれば殺せるだろう?
みんなが期待するような人に
絶対になれなくてごめんなさい
ここにいるのに気づいてもらえないから
一人きりで角を曲がる
Ah Ah Ah Ah

出典: 角を曲がる/作詞:秋元康 作曲:ナスカ

自分らしさとは何なのか、その答えはやはりまだわかりません。

大人から向けられた「あなたらしく」という言葉も無責任に感じます。

どうやって自分を殺して生きていくか。

まだ十代の少女をそんな諦めの境地まで追い込んだのは、何なのでしょうか。

世間が勝手につけたイメージ。大人から求められたパフォーマンス

平手さんはいつでも、それに全力で応えてきました。

そんな彼女の複雑な葛藤に気づいてあげられた人はどれだけいたでしょうか。

彼女は十代の多感な時期に大きな重圧を背負いながら、活動してきたのです。

周囲の大人たちやメンバーたちからの期待に応えるため、自分を犠牲にして。

そんな彼女が本当の自分でありたいと歌うこの歌詞パートからは、彼女の悲痛な心の叫びが感じられます。

期待に応えられなくてごめんなさい

世間が彼女につけたイメージ、過度にハードルを上げる触れ込みや煽り文句。

それらひとつひとつが、彼女を追いこんでいったのかもしれません。

皆の期待に応えることができず「ごめんなさい」といわせるまで。

ここでいう「みんな」とは、私たち。

私たちは、知らず知らずのうちに彼女を追い詰めていたのです。

私たちが彼女に期待すればするほどに、彼女は本当の自分から剥離する世間のイメージに悩んでいました。

ファンたちが期待するような自分になれないことにも引け目を感じていたのでしょう。

応援してくれる人たちのことを裏切ってしまう自分。

そして本当の自分でいられないことへの悲しみが彼女の孤独を更に深めてしまったのでしょう。

「角を曲がる」の解釈

最後に「角を曲がる」というタイトルの解釈です。

1番の「角を曲がる」は、重圧から逃げたい意思の表れだと述べました。

しかし最後の「角を曲がる」これは「逃げ」以外にも様々な解釈ができます。

周りには理解してもらえない「本当の自分」。

しかしそれでもやっぱり自分を理解してほしくて、角を曲がって路地を抜ける。

「このままではだめだ」そんな強い意志の表れだとも解釈できます。

孤独である平手さんが諦めの先にたどり着いた答え。

それは一体何なのかは、私たちには推測することしかできません。

これまでも世間のイメージと戦い、自分を貫こうとしてきた彼女。

最後の「角を曲がる」という言葉。

それは彼女が孤独の中でも力強く生きていこうとしていることの表れだといえるのではないでしょうか。

私たちにできるのは、そんな彼女の決断を応援していくことです。

欅坂46のセンターとしてグループを支えてきた彼女が角を曲がった先にあるもの。

それは彼女がこれからの自身の活動を通して、私たちに教えてくれるのではないでしょうか。

最後に

欅坂46の絶対的センター・平手友梨奈さんの「角を曲がる」の歌詞を考察してきました。

そこには世間のイメージと本当の自分とのギャップに苦しむ少女のリアルが写されていましたね。

最後に、この曲が気に入った人におすすめの曲を紹介します。

欅坂46「黒い羊」

「黒い羊」は欅坂46の8thシングル。これまでの欅坂46の集大成ともいえる曲です。曲を聴いて、またMVを観て心が揺さぶられる人の多いこの楽曲の歌詞はどんな意味が込められているのでしょうか?徹底解釈しました。

「みんなと同じようになりたくない」存在を「黒い羊」に例えています。

欅坂46らしく、メッセージ性の強い曲となっています。

平手さんがグループにもたらした自分を貫く姿勢が、この楽曲端的に表されているといっても過言ではないでしょう。

欅坂46「サイレントマジョリティー」

2016年にデビューした欅坂46の1stシングル。秋元康が作詞、作曲はバグベア。センターポジションはグループ最年少の平手友梨奈が務めている。現代を生きる者たちへ向けたメッセージ性のある歌詞と迫力あるパフォーマンスが話題を呼び、現在もチャート入りするほどの人気曲である。

欅坂46といえばこの曲です。

「君は君らしく」という強い意志で若者の背中を押し、多くの共感を得ました。

「角を曲がる」が彼女にとっての終着点だとするならば、この楽曲彼女の出発点だといえるでしょう。

今の欅坂46と彼女を形作った楽曲です。

是非上記の記事を読みながら、楽曲を聴いてみてくださいね。

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