
2018年01月25日更新
注目のバンド、ドミコの「こんなのおかしくない?」の歌詞の意味を徹底的に解釈します!曲名は何に対して投げかけられた疑問なのか...?収録アルバム情報、MVも紹介しますよ。
ドミコの「こんなのおかしくない?」は、ボーカルのさかしたひかるさんが、日常の中で感じた不満のようなものを歌っているそうです。
自分はすごく不満に思うのに、何も感じていなさそうな人に対して大丈夫なの?という意味で「こんなのおかしくない?」と問いかけているイメージだとか。
確かに、事実の描写の中に、ひかるさんの不満が感じられる歌詞ですよね。
別に「おかしくない?」と問いかけているだけで、別に変えていこうと訴えかけているわけではないところに、ドミコらしさがあるのでしょう。
この歌を聴いてどう思うのかはリスナー次第と、挑戦的な姿勢なのですが、こういったところもひかるさんの作る歌詞の魅力です。
では、そんな歌詞の意味を解釈していきましょう。
奪ってでも事実まるごとフタすればいいか?
さらっと秘密持ち出して しまっとけばいいやー
あー話したくない様な 話したい内容
だったらもう寝静まりだし待ってればいいか
揃ったヒモきつく間に しばっとけばいいや
出典: こんなのおかしくない?/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる
口封じのために命を「奪ってでも」「事実まるごとフタすれば」それで許されるのか?
悪いことをしても「さらっと秘密持ち出して」「しまっとけば」バレないから「いい」のか?
社会の闇を感じるような問いかけから始まる歌い出しですね。
ニュースで流れて来る悪質、凄惨な事件ほど、「話したくない様な」内容のはずなのに、見ると誰かに「話したい」と思う気持ちがどこかにあるのが人の常。
そんなところにつけ込むようなマスコミのあり方に問題提起しているようにも取れる歌詞です。
しかし、そんな風に世の中に疑問を抱いたとしても、それを誰かに話したいという気持ちも抑え込める程度のもの。
誰もが寝静まるような夜中だし、明日まで「待ってればいい」。
そして、真実を隠す社会のように、靴ひものように「揃ったヒモ」を心の隙間を渡してきつく縛って抑え付けてしまう姿は社会の縮図のようですね。
社会に不満や欺瞞を抱きながらも社会の一部として社会の常識に沿って当たり前に生きてしまっている姿を描写している歌詞です。
この部分だけでも気づかされたり、考えさせられることがたくさんあるのですが、続きの歌詞も見ていきましょう。
決して知られたくない様な 知られてみたいような
胸は鼓動を打ち温め込む
こんなのおかしくない? 煮え出す体温
こんなに葛藤は 消えてしまえ遠くに
出典: こんなのおかしくない?/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる
前の歌詞で、世間という大きな範囲から個人にまでフォーカスしていきましたが、ここではさらに個人の心の中へとその範囲を絞っていきます。
「決して知られたくない様な 知られてみたいような」感情は誰もが胸の中に抱えているものでそんな感情ほど「胸は鼓動を打ち温め込む」のでした。
そんな感情を何のためらいもなく外に出せる人の感覚はどうかしていると思いながらも、「葛藤」に苛まれる自分を煩わしくも思っているのがわかりますね。
わかってるよ すがってるし 欲しいものなんてもうない
あなたはもう ふてぶてしい 困ったりも萎縮もしない
胸、荒い、呼吸、細い肩、腕、腰、頭ん中
こんなのおかしくない? 逃げ出したいよ
そうなる後は 見えなくなるように
出典: こんなのおかしくない?/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる
自分のことを自分らしさに「すがってる」、そして「欲しいものなんてもうない」、人の世を長く見てきた老人のように欲のないつまらない人間。
そして自分とは全く違う人を「あなた」とし、「ふてぶてしい」、自分のように「困ったりも萎縮もしない」人間だと言い切る歌詞。
自分を強く変えたいと思うことなんてないハングリー精神のない自分のことを認めながらも、ガツガツと生きている人たちにも、周りが見えてないのではと言いたげですね。
「胸、荒い、呼吸、細い肩、腕、腰、頭ん中」と人間の五感を感じさせるような歌詞。
自分も、人も、生きていて、なのに、こんなにも感じることが違って...「こんなのおかしくない?」という言葉はそんな複雑な感情を一言に固めて吐露したような言葉なのですね。
もうこんな世の中からは誰からも「見えなくなるよう」なところへ「逃げ出したい」。
現代の息苦しさのようなものが凝縮されている気がします。
風に吹かれ 嫌な予感がした
余計に伝う思いを焦がして
派手に あー 僕は遠回りしたり
行ったり来たり、、、、はあ、、、
出典: こんなのおかしくない?/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる
前の歌詞に出てきた「決して知られたくない様な知られてみたいような」激情とはどうやら、恋心のことだったのかなと解釈できるのが次の部分です。
「風に吹かれ」る様に人に煽られて、その「知られたくない様な」感情を伝えてしまった結果、「嫌な予感がした」通り、「派手」に振られてしまったのでしょう。
伝えなくていい感情まで「余計に」伝わってしまって、やっと近づいた距離はまた後戻り、「遠回り」をしていつも目的地にたどり着けない様な自分にため息をついている様な歌詞。
自分とは違う人たちを「ふてぶてしい」なんて言いながら、自分の不器用さから、そうあれたらと少し感じているのですね。
こんなのおかしくない? 煮え出す体温
こんなに葛藤は 消えてしまうよ
そんなのらしくない 逃げやしないよ
どうなるかとかは 知りやしないよ
こんなのおかしくない?
そんなにおかしくない?
出典: こんなのおかしくない?/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる
「こんなのおかしくない?」と世間に対して疑問を投げかけていたはずが、「体温」が「煮え出す」様な「葛藤」を抱き、そして、あっという間に「消えてしまう」自分の存在に疑問を感じ始めるのでした。
「そんなの」自分「らしくない」。
「すがっていた」はずのものが揺らぎ始めた結果、逃げたくても人生から「逃げやしない」「どうなるかとか」「知りやしない」と軌道修正をしているのでしょう。
そして、「こんなのおかしくない?」と問いかけて、自分も世間の、普段別の人種だと思っていた人間たちとあまり変わらないと気づいてしまって、「そんなにおかしくない?」と言い直すのです。
「そんなに」変わらないと気づいてしまったのですね。
社会の価値観や、個人が自分らしさとして扱えるアイデンティティーについて問題提起する様な歌詞でしたが、みなさんはどう感じましたか?
ドミコの「こんなのおかしくない?」を紹介しましたが、いかがでしたか?
この一曲だけでもドミコの凄さは十分に伝わってくると思うのですが、収録アルバムの『hey hey , my my?』も、とにかく素晴らしいアルバムなので、ぜひ聴いてみてくださいね。
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