【井上陽水】歌詞がおすすめ！人気曲ランキングTOP10！思わずヤミツキになっちゃう陽水節をチェック！

ナンセンスな情景、ナンセンスな歌詞。

歌詞の意味内容にあまりに重きを置きすぎた既存のフォーク・ソングを嘲笑うかのように痛快な曲です。

ナンセンスでも詩的であることが素晴らしい。

この曲の歌詞は日本のフォーク・ソングに新しい風を送り込みました。

ザ・モップスの星勝。

The Rolling Stonesの「悲しみのアンジー」のアレンジャー・ニック・ハリソン。

この2人による編曲で曲の方もフォーク・ソングとは次元が違う未知なサウンドに仕上がっています。

意味を考えたりするのは野暮です。

かっこよさに驚くことが大事。

現代でも「氷の世界」の歌詞世界は中々生まれ得ないと想います。

第3位 「傘がない」 1972年7月1日シングル発売 アルバム「断絶」収録

第5位で触れた「最後のニュース」と深い因縁があります。

筑紫哲也は自身のニュース番組を始める際にこの「傘がない」の一節が脳裏をよぎったのです。

ニュースキャスターになろうとする人間にとって、このラインは刃のように尖っていたでしょう。

前後しますが歌い出しも辛辣です。

1970年安保闘争が民衆や学生の敗北に終わった時代。

陰惨な内ゲバで革命へのシンパシーが消え去った頃の歌です。

マス・メディアが盛んに社会問題を提起しても虚しくはないか？

一個人が生活を営むときにニュース報道はどこか他人事のように想えてしまう。

井上陽水という人は時代によって共感するチカラが社会から後退していくさまを鋭く見抜きました。

シングルの売上自体はよくなかったものの、その後、井上陽水の代表曲になります。

今でもカラオケや弾き語りで歌う方が多い名曲です。

社会革命に夢中になるより、恋愛に夢中な人の方が信頼は置けそうです。

ただし、それでもこの時代に固有の敗北感を感じざるを得ません。

最後のラインが疑問符で終わっています。

敗北感との対峙にまだ耐えきれていない時代に考え抜かれた歌詞が見事です。

第2位「夢の中へ」 1973年3月1日 シングル発売

井上陽水にとって最初のスマッシュ・ヒットとなったシングルです。

様々なアーティストたちがカヴァーしています。

中でも1989年の斉藤由貴のヴァージョンが有名です。

ポップでメロディもいいですが、歌い出しから引き込まれる歌詞が最大の魅力でしょう。

東西冷戦時代のいわゆる「東側」である社会主義国家の不自由を歌ったと解釈する人もいます。

ただ、そんなに簡単、単純に何事かに当てはめられる歌詞とも想えません。

鏡を見ればこの国だって意外と不自由です。

社会生活、職場、家庭、恋愛、子育て、勉強。

自由を抑圧するあらゆるシステムへの井上陽水によるアンチ・テーゼのように響きます。

声高なアンチ・テーゼではなく、ポップなサウンドにくるまった形で提示するのがこの人らしいです。