別れと悲しみの歌

セレーナの想いが詰まった一曲

セレーナ・ゴメス【Lose You to Love Me】歌詞を和訳して意味を解説!誰に向けた歌?の画像

2019年10月23日にセレーナ・ゴメスが新しい曲を発表しました。

曲名は「Lose You To Love Me」。

日本語に直訳すると「私を愛するために、あなたを失った」となります。

なかなか意味深なタイトルですね。

それもそのはず、これは自身のプライベートについて歌った曲なのです。

いったいセレーナ・ゴメスに何があったのか?

歌詞の解説に入るまえに彼女自身について、少し見ていきましょう。

セレーナとジャスティン

セレーナ・ゴメス【Lose You to Love Me】歌詞を和訳して意味を解説!誰に向けた歌?の画像

セレーナ・ゴメスといえば、たびたび大物歌手との恋愛でTVを盛り上げていました。

そのお相手こそが、有名な歌手ジャスティン・ビーバーです。

「Lose You to Love Me」のYouとはジャスティン・ビーバーになります。

彼女たちの恋愛がスタートしたのは2009年の12月。

当時ジャスティンは15歳、セレーナは17歳です。

その数年後、2人は同棲を始めます。

彼女たちは誰もが羨む理想のカップルのようでした。

しかし事態は急変、2012年の年の瀬に彼女たちは破局します。

翌年には再びよりを戻しますが、2014年に再び破局

彼女たちの恋の行方は、最後は悲しくもジャスティンが他の女性と婚約して終わりを迎えます。

そんな波乱万丈の恋愛を歌ったのが本曲となります。

ロマンチストとリアリスト

ジャスティンとセレーナはその生き方を見ていくと、実に対照的な2人であったといえるのではないでしょうか。

2人を対比してみると、ジャスティン・ビーバーは凄く冷静なリアリストでセレーナ・ゴメスは根っこが凄く熱いロマンチストです。

こんな意見が出ると「え?逆じゃないの?」と思われるかもしれませんが、2人の生き様を見てみると見事に正反対でした。

セレーナ・ゴメスはユニセフ親善大使などを経験し、自身の理想とする大願へ向かって邁進するロマンチストです。

目の奥は非常にギラギラと熱き魂の炎が燃え上がっており、「世界を変える46人の女性」の1人に選ばれました。

両親の離婚や腎臓移植手術など様々なハードルを抱えて尚理想を体現し続ける生粋のアーティストなのです。

一方のジャスティン・ビーバーは奥底が冷静沈着、常に俯瞰して物を考え計算して動いています。

それはあのややくすんで濁った目を見れば分かるように、ジャスティンの目は物事を奥底で見透かしている印象を与えるのです。

また、芸能界の闇に深く絶望したり薬に手を出したりとやや狂気じみた面があり、時々ゾッとする怖さがあります。

異性関係などのスキャンダルが多いのもそうした奥底の冷静さ故に人間関係まで損得で考えてしまうからでしょう。

どちらの生き方が正しいか間違いかではなく、根本的な2人の生き方の違いが破局に繋がったのです。

歌詞解説スタート

燃える恋

You promised the world and I fell for it
I put you first and you adored it
Set fires to my forest
And you let it burn

出典: Lose You To Love Me/作詞:Robin Fredriksson、Mattias Larsson、Selena Gomez、Julia Michaels、Justin Tranter 作曲:Robin Fredriksson、Mattias Larsson、Selena Gomez、Julia Michaels、Justin Tranter

「あなたは私に世界を約束してくれた。私はそんなあなたに惚れていたわ

私はあなたを何より優先したし、あなたもそんな私を愛してたわ

あなたが私の森に火をつけたのよ

それで燃やし続けたのよ」

森はセレーナ・ゴメス自身のことでしょう。

ジャスティンが、私の恋心に火をつけたと言っています。

心が焦げ付くような想いを、彼女はジャスティンに持っていました。

彼も彼女を焚きつけます。

お互いに夢中だったのでしょう。

このburnという単語を用いて自身の恋を表現する所がいかにもロマンチストではないでしょうか。

燃える恋なんていうと、普通の人は「クサい」とか「格好つけ」とか思うものですが、セレーナ・ゴメスにそんなつもりはありません。

彼女は本気で自身の理想とする恋愛に向かっているだけであり、そこに他者の意見などは全く入る余地がないのです。

だから、この歌詞は物凄く圧が強く、こうなった時のセレーナを止めるのは簡単ではないでしょう。

ジャスティン・ビーバーは改めて凄い人を本気にさせてしまったといえ、これが2人の悲劇の始まりだと予感させます。

恋は盲目

Sang off-key in my chorus
‘Cause it wasn’t yours
I saw the signs and I ignored it
Rose-colored glasses all distorted

出典: Lose You To Love Me/作詞:Robin Fredriksson、Mattias Larsson、Selena Gomez、Julia Michaels、Justin Tranter 作曲:Robin Fredriksson、Mattias Larsson、Selena Gomez、Julia Michaels、Justin Tranter

「私の曲を歌っていたわよね、サビの音程を外しながら

だって、それあなたの曲じゃないわ

兆候があるのは知っていたわ、無視してたのよ

バラ色の眼鏡がすべてを歪めていたのよ」

ジャスティンはセレーナを強く思っていたのかもしれません。

彼の情熱が伝わってきます。

しかしセレーナは、薄々ジャスティンが他の女性と会っていると感じていました。

ただ彼女は彼のことが好きなあまり、気のせいだと自分に言い聞かせていたようです。

もしかしたら彼女自身も、うるさい女と思われるのを嫌ったのかもしれません。

恋は盲目ですね。

秀逸なのは2人の関係性を歌や音楽に準えて、ロマンチストとリアリストの違いを表現している所です。

音楽と恋愛の似ている所というのはいわゆる「言葉にならない思い」を同じリズムで体現する所にあります。

しかし、それが音程という分かりやすい所でズレてしまうと、それはもう関係性の破綻をも意味するのです。

彼女は本気でも…?

燃え続ける火