"どこまでも輝きを繋ぐから"手をかざしたら
"果てしなくこの胸に降り注ぐ"遙か未来も
"美しく繰り返す波紋の様"見えるのだろうか

"どこまでも約束を映し出す"夢の隙間に
"抱きしめた密やかなこの想い"虹を描いて
光溢れては
一人瞳閉じた

出典: Song for me/作詞:R.P.P 作曲:R.P.P

ここでは、遠い未来に手を伸ばしています。

虚しさを感じている、先の見えない現場から抜け出したいという願いが感じられる歌詞です。

1人で目を閉じる、というのが印象的です。

自分の心と向き合っている哲学的な雰囲気と、孤独の辛さが感じられます。

そして 一人で仰いだあの日の空
ただ探していたのは song for me 会いたい 今 想いだけ欲しい

出典: Song for me/作詞:R.P.P 作曲:R.P.P

ここでも、1人で空を仰いでいます。

想いを馳せたり、遠い未来に手を伸ばしたり。

でもいつも1人です。

ここで初めてタイトルの「Song for me」が出てきます。

自分のための歌というのは、痛んだ胸の傷を癒やしてくれるような歌でしょうか。

現状から救い出してくれるような歌を探しているのかもしれません。

最後の一行「今~」というフレーズが印象的です。

遠く離れた愛しい人、幸福な記憶をたぐり寄せようとする姿が目に浮かびます。

決して色あせない想い

曖昧な事ばかりが 夜明けの迷路彷徨いながら
夢がさめてしまっても 忘れないよ

出典: Song for me/作詞:R.P.P 作曲:R.P.P

この部分の歌詞では、過ぎ去った過去の記憶が頭に染みつき、苦しむ様子が目に浮かびます。

まるで熱病に冒されるかのように、曖昧な記憶ばかりが頭に浮かぶ。

しかしその中には何1つとして確かな答えはないのでしょう。

「夜明けの~」というフレーズが何とも幻想的で美しくもあり、儚さを象徴しているようです。

過去にしがみついて1歩も前に進むことができない、そんな悲しさが漂ってきます。

何度も答えを探して夢を見て、何度さめても答えは見つからなくて。

それでも別れの痛みや愛しい人の面影や記憶は消えることはない、そう言っているようです。

叶わぬ望みを捨てられない

2行目の歌詞からは、過去への強い想い、執着を感じます。

確かなものを見つけられなくても。

夢から現実へ引き戻されてしまっても。

それでも君のことは決して忘れない、と言っているようです。

「探していた歌」は見つかったのか?

自分を現実からすくい上げてくれる歌、痛みを癒やしてくれる歌を探しているのでしょうか。

「Song for me」では、大切な人への想い、遠い過去へのこだわりなどが歌われています。

幸福だったあの頃から、1人放り出されてしまった今の世界は、きっと果てしなく孤独なのでしょう。

大切な人と過ごした夢のような時間。

その夢からさめてしまった今、目の前にあるのは辛い現実だけです。

会いたいと願い続ければ、愛しい人を想い続ければ、いつかは叶うのだろうか。

そんな切ないほどの想いが溢れていますが、探していた歌も、愛しい人も見つかっていないようです。

最後まで見つからない答え

歌詞を見ていくと、この曲の中で、探し求めている答えは見つかっていないようです。

愛しい日々の記憶を忘れられない。

いつか再会したいという淡い期待を捨てられない。

どれほど待ちわびてもその日は訪れない。

そんな、出口のない迷路をさまよい続ける悲しさ。

この切なさがドラマチックで美しい、独特の雰囲気を生み出しているのでしょう。

アルバム「Time」に収録

嵐(大野智)「Song for me」の意味とは?歌詞解説!探していた"歌"は見つかったのだろうか…の画像

1. Song for me
2. Friendship
3. 虹
4. Can’t Let You Go
5. Yabai-Yabai-Yabai

出典: Time/嵐

「Song for me」は、アルバム「Time」に収録されています。

アルバムにはメンバーそれぞれのソロ曲が収録されることが多々あり、アルバムを買う楽しみの1つでもあります。

毎回、どんな曲が入っているのか、ファンにとってはわくわくするポイントでしょう。

ソロ曲ほしさにアルバムを買うという人も少なくないのではないでしょうか。

しっとりした名曲が得意なR.P.Pが曲を担当

大野くんのバラードはたくさんあります。

「静かな夜に」「two」「Take me faraway」「Song for me」「Rain」。

今回ご紹介する「Song for me」は、R.P.Pという人が作詞、作曲しています。

の曲には何度も同じ名前の作詞家や作曲家が登場しますが、この人もその1人。

大野くんのソロ曲、中でもバラード曲で存在感を誇っています。

R.P.Pは「Take me faraway」という曲でも作詞作曲を担当。

この曲も世界感が美しく、しっとりと聴かせる名曲ですから、その実力は確かです。

バラードの名手が手がけた名曲と言えるでしょう。