「いつか必ず死ぬことを忘れるな」タイトルが物語る楽曲のメッセージ性
UVERworldが2011年に発売したオリジナルアルバム「LIFE 6 SENSE」に含まれる1曲に、タイトルからすでに突き刺さるようなメッセージを放っている楽曲があります。
そのタイトルは「いつか必ず死ぬことを忘れるな」。
ストレート過ぎるようでいて、真理をつくようなこの言葉をタイトルに選ぶ姿勢は、楽曲に込めたメッセージの強さを物語っています。
収録するか否か迷った楽曲?
アルバムの発売が東日本大震災と同じ年だったため、「いつか必ず死ぬことを忘れるな」という生死を如実に意識させるタイトルのこの曲は、収録するか否かを話し合ったというエピソードがあります。
しかし、今だからこそと収録に踏み切った彼らの姿からは、この曲の持つメッセージが今を生きる人達にとって重要な意味を持つことと、震災を経て突き動かされた彼らの心情が見て取れます。
アルバム自体は6月の発売であるが、この楽曲自体は同年3月11日に起こった東日本大震災よりも前に作成されている。大震災の影響もあり、このアルバムに収録すべきかどうかを話されたが、今だからこそ収録すべき楽曲として、収録されるに至ったというエピソードもある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/LIFE_6_SENSE
洗練された曲構成
ミクスチャーロックを基調としつつも、洗練されたサウンドメイキングで独自の世界観を作り出すUVERworld。
「いつか必ず死ぬことを忘れるな」はタイトルだけでなく、楽曲も彼らの曲の中では特にストレートなミクスチャーロックになっています。
これはこの曲に込めたメッセージを真っ直ぐ届けたいという、彼らの気持ちが音に現れたようにも感じられます。
ストレートとはいいつつも、彼ららしさはもちろん損なわれていません。
打ち込みトラックを駆使した近代的な曲構成は、まさにUVERworld節が光っているといえます!
ライブ映像から垣間見る熱量
この曲のライブ映像では、演奏に打ち込む彼らの表情やしぐさから、曲に対する想いの熱量をひしひしと感じることができます。
サビだけが収められた映像ですが、この短い時間でこれだけの説得力を放っているのは流石です。
「いつか必ず死ぬことを忘れるな」の歌詞を徹底解釈!
いよいよここからは、「いつか必ず死ぬことを忘れるな」の歌詞を徹底解釈していきます!
なんとも強烈なこのタイトルには果たしてどんな意味が込められているのでしょうか?
自分もいずれは死ぬ。
別れ惜しんで泣くだけじゃなく
いつか自分だって変わらず死んで行くことも忘れんじゃないよと
人が生きる為に与えられた時間は
きっと必要な時間の半分も渡されちゃいないんだ
出典: いつか必ず死ぬことを忘れるな/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞、彰
曲の入りからいきなり切実なメッセージを放つサビ。
人の死に直面するというのは、生死を意識できる数少ない貴重な場面です。
そのときにただ悲しむだけでは、人の死を糧にしていくことはできません。
自分もいずれ死ぬ、そして残されている時間は思っているよりもずっと短い。
そう思うとぼやぼやしている暇はありません。人生をよりよく過ごしていくためにと、突き動かされるものを感じます。
明るくなって 暗くなって 街を彷徨いながらの Runaway
日が昇る始まりのサイレン
聞こえぬなら 終わりの合図 always
卓越した禁断生命の命のリンゴ
出典: いつか必ず死ぬことを忘れるな/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞、彰
朝と夜の繰り返しの中で、ああでもない、こうでもないと、さまよいながら生きていく様子。
死んでしまえば、一日の始まりの合図である日の出を見ることができず、それが終わりの合図を表しているということ。
1番Aメロのこの歌詞は、人間の一生を表現したものでしょう。
そして「卓越した禁断生命」は人間を表し、「命のリンゴ」は旧約聖書で登場する、アダムとイヴがかじったとされる禁断の果実のことでしょう。
アダムとイヴが命のリンゴをかじったから、人間は他の動物とは一線を画す、卓越した禁断生命となったことを表しているのでしょう。
人間という存在を上手く表現した、非常に考えられた歌詞だと伝わってきます。