続いてはMVの部分の演出から楽曲に込められたメッセージを読み解いていきましょう。

炎が表すのは「今感じている熱い気持ち」

「人生は美しいアルバムじゃない 撮れなかった写真さ」という言葉から幕を開けるMV

ファインダーを覗く谷中の姿が映され、マッチからライターへ、ライターからマッチへと火が灯されていくシーンへと続きます。

えんじ色のスーツに身を包んだ宮本が歌い始めると、谷中が構えていたカメラの中にフィルムではなくマッチが入っていたという描写も。

ここの部分から感じるのは、今感じている気持ちはそのときにしか感じられないということ。

アルバムのように残しておくことは出来ないということです。

燃え盛る炎だって、燃え盛っているのはそのときだけ。

炎と同じように、自分たちが今感じている熱い気持ちが消えないように後世に受け継いでいく。

イントロ部分だけでもかなり濃厚なメッセージが伝わってきますね。

地平線を目指してひた走る宮本

ホワイトボードに赤い線を描いていくスカパラのメンバーと、憧れの地平線を目指すかのように走り出す宮本。

赤い線は宮本が駆け抜けてきた道のりを表しているかのようなイメージです。

「明日以外すべて燃やせ」というタイトルと同じように、駆け抜けてきたその道のりが燃えるような演出もここで登場します。

まるで「余計なことをクヨクヨと考えていても何も意味がない、明日に向かって駆け抜けろ」とでも言っているかのようですね。

ライターの火を見つめるメンバーは自分たちの野心を見つめているかのよう。

炎への「熱い気持ち」というイメージ付けがイントロで行われたこともあって、よりそのメッセージも自然に入ってきます。

炎に囲まれた演出が熱い語り口に拍車を掛ける!

サビは炎に囲まれる演出の中、スカパラと宮本が勢揃い。

この炎の演出がまた、宮本の語り掛けるような歌をより熱いものにするかの如く華を添えます。

指を差し、目を見開き訴えかけて来る「他の誰なんだ?」という言葉。

自分の野心を叶えてくれるのは、自分以外には誰もいない。

人生を満足いくものにするのか、悔いを残して過ごすのかはすべて自分次第だということを感じさせられます。

降り注ぐ火の粉の中駆けていく宮本の姿は、まさに苦悩の人生に果敢に立ち向かっていくような印象ですね。

歌詞に描かれたのは「自分次第で人生は変えられる」という想い

MVの項でも少し紹介しましたが、歌詞の詳しい内容が気になるという方も多いのではないでしょうか。

その詳しい内容も少しだけ紹介してしまいましょう!

人生は美しいアルバムじゃない
撮れなかった写真さ


この街では見えない地平線に
遥かな夢が眠る
傷だらけで立てずに諦めてた
野心を抱きしめた

出典: 明日以外すべて燃やせ/作詞:谷中敦 作曲:沖祐市

地平線というのは、日本で普通に暮らしていて見られるものではありません。

普通に暮らしていて見れないのだからと、最初から見たいとも思っていないという人も多いでしょう。

しかしそういう人たちが「もし見られたらどんな気持ちになるだろう」と考えたことはあるでしょうか?

そのワクワクに気付いてしまったら、きっと夢見ずにはいられないはずです。

地平線というのはただの例え話。

彼らがここの部分で言いたいことはきっと「もっと自分の願望に耳を傾けるべきだ」ということでしょう。

明日のこと考え過ぎて
もう今日の勇気とかないのか?
明日以外すべて燃やせ!
燃やした後にオマエだけ残る


夢も愛も絶望も呑み込んでいく運命の炎
それがオマエという時限装置なんだろ?
他の誰なんだ?

出典: 明日以外すべて燃やせ/作詞:谷中敦 作曲:沖祐市

未来に不安を抱える人に対して「なるようになる」と言うようなこの部分。

「夢も愛も絶望も呑み込んでいく」というのは、自分次第でなんとでも出来るということでしょう。

谷中が「人の人生を変えるような曲にしたい」と語っていましたが、人生を変えられるのは自分だけ。

それを気付かせるようなメッセージが込められたこの曲は、まさに人の人生を変え得る1曲なのではないでしょうか。

自分の力で人生を変えてきた彼らだから

今回は東京スカパラダイスオーケストラの「明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次」を紹介しました。

熱い想いを持ってシーンを駆け抜けてきた両者が語るメッセージは「自分次第で人生は変えられる」という想い。

アーティストとして活躍する彼らは、まさしく自分の力で人生を変えてきたと呼ぶに相応しい存在。

第一線で歳を重ねてきたことが、そのメッセージの何よりの説得力になっています。

彼らにはまだまだ活躍していただきたいですが、彼らの言うようにこういった想いが後世に受け継がれていくのも大切なこと。

影響を受けた世代が育っていくのもまた、楽しみですね。

こんなアーティストもオススメ

スカパラと似たジャンルと言われると難しいところですが、以前コラボも果たしているUNISON SQUARE GARDENを紹介しておきましょう。

ジャンルこそ違えど、彼らも演奏力には定評があります。

後世に受け継いでいきたい…という話がありましたが、若いアーティストとコラボをしているところからもその気持ちが垣間見えますね。