【イマサラ】は辛いカレーを作ってしまった、という単に後悔しているだけの歌ではありません。
明るくリズミカルにインドやカレーにまつわる言葉を使ってはいるものの内容は案外辛辣です。
一体近頃何ナン? この先不安だサフラン
これこそ本当の世紀末 何言ってんの今更
出典: イマサラ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
カレーのお供「ナン」とインド料理のサフランライスで有名な香辛料「サフラン」が登場。
ただのダジャレのようにも聞こえますが、世の中に憂いていることが伺えます。
「世紀末」は世紀の終わりを意味しますが、「世の終わり」という意味で使われることもあります。
近頃の世の中に呆れ、未来に不安を抱き、もはや「世も末」。でもそれを憂いても「イマサラ」だと。
カレーの辛さは「世知辛い世の中」の比喩
踊れ弾けろ
インドなショーみたい 今すぐhold me tight
なんもかんも忘れたい 叫べナマステ
インダス川のように 良いんですよ明日へ いい気なもんだな
一緒に行っチャイな
世知カレー世の中も この瞬間(トキ)汗かき味わうんだ
出典: イマサラ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
サビでもインド関連のワードが散りばめられています。
サンスクリット語の挨拶「ナマステ」。
インド半島を流れる大河「インダス川」。
インドの代表的な飲み物「チャイ」まで登場。
「ショー」ももしかすると香辛料繋がりで胡椒や山椒の「椒(しょう)」と掛かっているのかもしれません。
サビでは楽しげなインド旋律にのせて「なんもかんも忘れたい」と歌われます。
忘れたいのは「世知カレー世の中」に対する憂いです。
でもその辛さも汗をかいて味わっていこう、とも歌われています。
近頃は激辛料理を好む人も多いです。
カレー等の辛い料理の刺激を好んで味わうように、この「世知辛さ」も味わっていこう、と歌っているのです。
辛さの蟻地獄
世知辛い世の中への怒りのラップ
【イマサラ】にはノリノリのラップパートも組み込まれています。
ここでは世知辛い世の中への怒りが歌われます。
Hey 俺とお前が 一つになったら唯一無二の
感性磨きたゆまぬ努力で完成 上がる歓声 SAY
shake it shake it 釈迦釈迦生まれた時叫んだ「HELLO 唯我独尊」
止められるもんなら止めてみろって 阻めるもんならハバネロ喰らえ
しょっちゅう情緒UP side DOWN 歯食いしばって歩伏前進
なんて辛れぇ辛れぇ連れねぇ世間だ 談合烏合のご都合主犠だ
「世の中変える」意気込んでみても オシエテオクレタージマハール
出典: イマサラ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
このラップパートではついに「釈迦」まで登場。
他にも激辛香辛料「ハバネロ」、世界遺産でもあるインドの霊廟「タージマハール」も登場します。
「談合」は話し合いのこと、「烏合」はまとまりのない集団のこと。
都合のいいことばかりを言う烏合の衆が「世の中変える」と意気込んでいる。
これは近頃の政権を皮肉していると考えられます。
世知辛いままの世の中に呆れ、最後は「タージマハール」に教えを乞う始末です。
抜け出せない蟻地獄
あららららら ららら…
やっちまったんだ ふり出しだ
抜け出せるか 無限の蟻地獄
出典: イマサラ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
辛くなりすぎてしまったカレーを甘くするには、牛乳やハチミツやヨーグルトなどを入れる方法があります。
それでも辛い場合はやはり1から作り直すしかありません。
ふり出しに戻って何度やり直してもまたどうしても辛くなってしまうカレー。
これもまた首相が代わっても政権交代しても世知辛いままの世の中、の比喩だと考えられます。
いつの日か「辛さ」の蟻地獄から抜け出せるときは来るのでしょうか。
辛さも涙も飲み込んで生きていこう!
甘口も 辛口も しょっぱい涙といっそ飲み込め
世知カレー世の中も この瞬間(トキ)汗かき味わうんだ
出典: イマサラ/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁