MVを見ると分かるように、歌詞が2か所だけ映像として表示されています。

そのうちの1つが、今から解説する歌詞です。

MVに表示させるくらい重要な歌詞には、いったいどんなメッセージが隠されているのでしょうか。

理不尽とは戦わない

誰かがつきつける銃から
無知が飛んできても
大笑いしていようよ

出典: レイリー/作詞:上野羽有音 作曲:上野羽有音

自分たちのことを何も知らない他人が、心ない言葉を投げつけてくることもあるでしょう。

たとえその言葉に傷付けられたとしても、笑っていられるような人でありたい。

差別や偏見というのは大抵の場合、無知から生まれるもの。

相手にしたところで、有意義な議論なんてできません。

きっと傷付けあったり、罵りあったりするだけで終わってしまう。

それを分かっているから主人公は、あえて理不尽とは戦わない姿勢を見せているのでしょうね。

互いの悲しみを知っている

「~していようよ」という文末から分かる通り、この歌詞もまた誰かに向けて歌われたものです。

そしてその「誰か」もまた、レイリーと考えて間違いないでしょう。

傷付けられても笑っていられる人でいたい。

主人公がそう思うのは、もしかしたらレイリーの存在があるからなのかもしれません。

レイリーと一緒にいるときは、いつでも楽しい気分でいたい。

それはきっとレイリーとなら、言葉がなくても互いの悲しみを分かりあえるから。

主人公がレイリーの孤独に気づいたように、レイリーも主人公の心の傷に気づいているのでしょう。

2人はお互いの、他人には触れられたくない、一番繊細な部分を知っている。

だからこそ2人でいるときは、常に笑顔でいようと決めているのかもしれません。

強がりな君のために

最後は「レイリー」と繰り返すサビの歌詞について解説していきます。

自分の心を誰にも傷付けさせないために、プライドを捨てた主人公。

周囲と上手く付き合っていくために、自分の心を殺したレイリー。

2人はまったく異なっているように見えて、寂しさを隠そうとする強がりなところがよく似ています。

強がりな2人が弱い自分を曝け出せる場所。

それをお互いが持っているのでしょうね。

ようやく大切な人と出会えた

レイリーレイリー
誰にも気づかれないように
キスしてあげる
うるさい人混みなんて
ほっといて理解するのは
私達だけでいいの

出典: レイリー/作詞:上野羽有音 作曲:上野羽有音

誰にも言えなかった秘密を打ち明けるように、レイリーにキスをした。

主人公のその行為は、きっとレイリーを慰めるものであると同時に、自分の傷を癒すためでもあったのでしょう。

周囲は、自分たちのことを何も理解しようとしてくれない人たちばかり。

けれどたった1人、互いの孤独を埋められる存在がいた。

そんな存在と出会うことができたなら、世界は自分たちだけでいいと思うかもしれません。

ようやく出会えた大切な人。

それは主人公の気持ちであり、レイリーの気持ちでもあるのでしょうね。

レイリーは唯一無二の存在

レイリーレイリー
誰にも歌えない歌を
歌ってあげる
うるさい人混みなんて
ほっといて残していくのは
私達だ

出典: レイリー/作詞:上野羽有音 作曲:上野羽有音

最後の「残していくのは~」の部分も、MVに表示される歌詞です。

では、いったい何を残していくのか?

それは自分たちが生きた証。人を愛した記憶。そして、やはり傷跡でしょう。

どんなに大切と思える人と出会っても、心の傷が完全に癒えることはありません。

それでも、互いの傷を理解しあえる人と出会えたのだから、それだけで十分と考えるべきです。

主人公とレイリーは、互いにとって唯一無二の存在。

そんな存在は、私たちにもいるはずです。

家族、恋人、友達...。

レイリーとはきっと、そんな私たち1人1人に存在する大切な人を表した名前なのでしょうね。

最後に

寂しさをなくすことはできないけれど、弱さを認め合える人なら、きっとすぐそばにいる。

自分にとっての「レイリー」は、いったい誰になるでしょう。

まだ出会えていなかったとしても、世界のどこかにきっと自分だけの「レイリー」がいるはずです。

そう思えば、寂しい夜もどうにか乗り越えていけそうですね。