僕たちは家を作った 大きな大きな家を
何年も何年も手作りで
たくさんの明かりを灯した暖かいHomeを
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
この記事を書くにあたり、周囲の「セカオワをあまり知らない人」に彼らのイメージを尋ねてみました。
ダントツで多かったのが「ドラゲナイ」と「セカオワハウス」の2つ!
この歌詞も思いっきり「セカオワハウス」について語っていますよね。
インディーズデビュー以前からこつこつと紡ぎあげて来た絆。
「セカオワハウス」はまさにその象徴だといえましょう。
共に笑いあい、様々なことを楽しんだ若き日々
雪が降ったならみんなで鍋を囲んでさ
星が出たなら車で追いかけたね
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
今まさに青春真っ盛りの皆さんは、こんな風に友人たちと楽しんでいるところでしょうか。
特別に意識せず「普通に遊んでいるだけだし~」という感覚かもしれませんね。
しかし、年齢を重ねてから振り返ると、こういった経験は宝物のように思えてくるものです。
車を連ねて深夜のドライブをしたり、誰かの部屋に集まって鍋パーティーとか…ああ、懐かしい(笑)
セカオワのメンバーそして仲間たちには「音楽」という共通の大きなものがありました。
それゆえに、彼らの仲間意識はいっそう強かったのではないかと想像します。
もちろん、楽しいことだけではなかったはず。
何かの道を目指す人たちには、主義主張、思い入れ、こだわりなどが強くあります。
それらがぶつかり合う激しさは、本当に強烈!
でも今ここで思い起こすのは、楽しく過ごした笑顔の日々なのでしょう。
旅立つ友人たちに向けて
※君たちがどんな旅に出ようと
いつでも帰っておいでね
こんなこと言ったらダメかも知れないんだけどさ
ここが君らのHomeなんだから
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
先にご紹介したとおり、この曲は友人のデザイナーの結婚式用に書かれた楽曲です。
つまりここで語られる「旅」は、結婚という新たな生活を指していることになりますね。
しかし「どんな」という言葉が付いていることから、結婚限定ではないことも分かります。
喜ばしいことばかりなら良いけれど、そうではない「旅」だってあるかもしれない。
希望に満ちて旅立ったのに、心折れて満身創痍になることもあるかもしれない。
そんな時、僕らが作り上げて来た「Home」が癒してくれるはずだから、安心してね!
そんな思いが込められている一節になっています。
結婚式で「帰る」という言葉はタブーとされているのもあり、3行目でフォローが入っています(笑)
でもこのフォローは、単に結婚についてだけではないのですよね。
新たな道を歩む人にとって「帰る場所がある」と思えるのは、心強いことではあります。
しかし時折それが「逃げ道」になってしまう場合もあるのです……。
それをも含め「こんなこと言ったらダメかも」という言葉が出たのではないでしょうか?
※※もし遠くへ行き過ぎてしまったらさ
いつでも帰っておいでね
こんなこと言ったらダメかもしれないんだけどさ
ここが君らのHomeなんだから
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
よく「原点に立ち返る」という言い方がされます。
明確な目標を持って進み始めたはずなのに、気づいたら迷路の真っただ中。
軌道修正をしようにも、どうしたら良いのかさっぱり……。
そんな時は、ここまでの途中経過はとりあえず横に置いておくと良いかもしれません。
きっと「Home」の存在が、迷う心に安心と安らぎを与えてくれるはず。
かつて過ごした懐かしい場所でぼーっと過ごしたり、友人たちに会ってみたり。
僕はそんな「Home」でありつづけるよ、という Fukase の温かいメッセージです。
時が過ぎて初めて分かる大切なもの
僕たち大人になって何を得て何を失ったか
そんな事は知りたくはないけど
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
今まで自分が持っていたものについては、誰しもそれなりに分かるものです。
しかし今現在持っているもの、そして今後持ち得るものについての価値は分かりづらいもの。
若いうちは、大人になることによって失うものへの恐怖を感じる傾向があるかもしれません。
一方、大人になって得られるものは、頭で想像はできても実感は伴わない。
今が楽しければ楽しいほど「大人になんてなりたくない」と思うかも。
でも時間は確実に過ぎ、否が応でも人は「大人」と呼ばれる年齢になっていきます。
20~30代だと、まだ自分が何を失い何を得たかがはっきりしづらい気もします。
そして、それを客観的かつシビアに受け止める度胸も今一つ育ちきれていない感じもしますしね。
もちろん個人差が大きいので、一概には言えないですよ!
でも今確実に分かることがひとつある
あの素晴らしい思い出は大人にならなきゃ
手に入らなかった宝物だと思うと
大人になるのも悪くないとそう思ったんだよ
出典: Home/作詞:Fukase 作曲:Nakajin
そんな時期(Fukase は現在30代です)を過ごしている彼ら。
でも今の時点で確実に分かっていることがあります。
あの頃一所懸命作り続けた大きな大きな「Home」が、どれほど価値があるものか。
作っていた時だって楽しかったし、とても大事なものだったと思います。
でもそれが素晴らしい思い出として、後々まで燦然と輝く宝物になるには時間が必要だったのです。
大人になって分かったことがこれだったのですね。
こんな風に「大人になって初めて分かること」は他にもたくさん出てきます。断言します!
この歌詞は大切な友人に向けた温かな言葉に溢れています。
それと同時に、Fukase が自分自身を振り返り、今後も「Home」であり続けたいという決意にも満ちています。
この後、※そして※※印が1度ずつ繰り返されて、曲は終わります。