21世紀に残したい泣ける名曲「会いたい」
2000年に「21世紀に残したい泣ける名曲」が選定されたのをご存知ですか?
インターネット投票で第1位を獲得したのは、沢田知可子の大ヒット曲「会いたい」です。
第24回全日本有線放送大賞(1991年)では見事グランプリに輝き、同年の紅白歌合戦に出場しました。
ヒット曲「会いたい」を生み出した作詞・作曲家は?
沢田知可子の澄み切ったファルセットが、サビのメロディを印象づけています。
「会いたい」の作詞家については、近年ちょっとした話題になりました。
沢田知可子が「会いたい」の替歌を披露したことで、作詞家・沢ちひろが訴訟を起こす事態に。
2015年に訴状を取り下げ、和解に至ったそうです。
「会いたい」をピックアップ
ミリオンセールスを記録した「会いたい」。
当初はアルバム「I miss you」の収録曲として音源化されました。
「会いたい」の歌詞は人の死を連想させるものであり、シングル化にはふさわしくないとされたそうです。
切ない歌詞が人々の心を打ち、またたく間に売上を伸ばしていきました。
タイアップは3本、多くのアーティストがこの曲をカバーしています。
幅広いリスナーに長く愛されている楽曲と言えるでしょう。
歌詞に織り込まれた物語の世界へ
今回は「会いたい」の歌詞を紐解いていきます。
恋人を亡くすという衝撃的なストーリーは、実話なのでしょうか?
沢田知可子と作詞家・沢ちひろの間に起きた不思議な「偶然」とは?
「会いたい」の歌詞の世界にお連れします。
ふたりの時間は有限だった
恋人の死に直面し、数々の「果たされない約束」を嘆く彼女。
ずっと一緒にいよう、という使い古された愛の言葉に危うさを感じます。
恋を覚えて教えあったふたり
ビルが見える教室で
ふたりは机並べて
同じ月日を過ごした
出典: 会いたい/作詞:沢ちひろ 作曲:財津和夫
この曲に登場する「ふたり」は、学生時代から繋がりがあるようです。
机を並べて学校生活を送ったということは、同級生なのでしょう。
窓の外に見える都会の景色から想像すると、同じ大学・予備校に通っていたふたりなのかもしれません。
すこしの英語とバスケット
そして
私はあなたと恋を覚えた
出典: 会いたい/作詞:沢ちひろ 作曲:財津和夫
英語の講義でいつも一緒になるふたり。
「あなた」に惹かれていけば、講義は疎かになってしまいます。
身についた英語は少しだけ、しかしお互いの「少し」を教えあえばいいのです。
きっとそうした仲になっていったのでしょう。
バスケットが得意な彼は、いつも熱心にバスケットの話をします。
だから「私」はバスケットについても知識が増えていきました。
共に過ごす時間が増え、惹かれ合い、今まで漠然としていた「恋」という概念を身をもって知ったのでしょう。
恋をしたときの胸の高鳴りを覚えました。
「あなたと覚えた」ということは、胸の鼓動が本当に恋なのか、ふたりで答え合わせをしたのかもしれません。
つまり、想いを伝えあったのです。