注目若手歌手・井上苑子とは
自分自身で作詞を行って歌う歌手のことを「シンガーソングライター」と言いますね。
松任谷由実さんや井上陽水さんのようなベテランに加え、高橋優さんやmiwaさんといった若手も次々に登場しています。
さらなる若手アーティストをお探しのみなさんに今回おすすめするのが、1997年12月生まれの井上苑子(いのうえそのこ)さんです!
チャリティー活動にも注力
井上苑子さんは、ただ単に恋愛や若者の悩みを歌うだけのシンガーソングライターではありません。
阪神・淡路大震災が発生した神戸市で生まれ育ったこともあり、被災地へのチャリティーに力を入れているんです。
路上ライブの会場には募金箱を設置していますし、2枚目のCDの売り上げを義援金として被災地に送ったんですよ!
深い!「赤いマフラー」の歌詞の意味
肌を刺すような風吹く朝 冷えきったあたしの右手で
信号待ちで追いついた 君の左の頬 つねってみたり
何故か照れたように巻いていた 暖かそうな赤いマフラー
似合ってるよって言って 引っ張ってみたり
そんな毎日が 続くと思ってた
あの子が君を好きになって 君もあの子に惹かれて
「良かったね」って冷やかして 気付いたの
冗談を言って 笑っていないと 泣いちゃいそうなあたしの気持ちに
出典: 赤いマフラー/作詞:井上苑子・柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
同級生の男の子の姿を見かけて走り寄り、冷たい手で頬をつねる。微笑ましい光景です。
彼の赤いマフラーをほめて、ふざけて引っ張るという、仲が良い2人ですね。
ところが、そんな楽しい日々が続くことはありませんでした。
彼は別の女の子と両思いになり、主人公の女性とは疎遠になりました。
実は、当初は主人公は「彼に恋人ができて良かった」と思っていたんですよ。
なぜならば、彼は恋人ではなくただの友達だったからです。
ところが、そんな彼が離れてしまって初めて、恋愛対象として見ていたことに気付くんですね。
「なくして初めて大切さに気付く」ということは、物だけではなく、友情や恋愛にも当てはまるものです。
ずっと 隣にいたのに ヘタクソな笑顔に 君は気付いてくれないの
でも この気持ちを君に伝えたとき 今の関係さえも壊れそうで
夜中のメールや 遠くでも目があうたび あたし期待しちゃってたんだよ
でも 明日からは 手袋を付けて行こう 君の頬はもうあの子のもの
言わなくちゃ 言ってあげなくちゃ「大事にしてあげてね」
出典: 赤いマフラー/作詞:井上苑子・柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
男性の側は鈍感なものです。主人公がさりげなく好意を伝えていたのに、それに気付こうとすらしませんでした。
もっとも、彼をただの友達として扱っていた主人公の側にも原因はあります。
ならば、「これからは恋人として付き合ってください」と宣言してしまえば良いのでしょうか?
いいえ、そんなことをすれば、彼との友情さえも失われてしまうでしょう。
ですから、彼と付き合い始めた「あの子」を祝って、彼にも「彼女を大事にしてね」と言うしかありません。
辛いことですが、彼のことが好きだからこそ、新しい恋人に譲らなければならないのです。
好きだから、支え続ける
彼の側も、あいかわらず主人公のことをただの友達としか思っていません。
「赤いマフラー」が似合う彼の行動に、主人公の女性は動揺します。
「綺麗だったよ」って 光る街の中 白い吐息と笑顔の君
ピースの先にはあの子がいるんでしょう? そんなメールは送らないでよ
「似合ってるよ」って言った 赤いマフラーも あの子が選んでたんだね
隣にいたから 君の視線の先に あたし気付いちゃったんだよ
でも この気持ちを君に伝える前に 「頑張れ」だなんて言ってしまったの
出典: 赤いマフラー/作詞:井上苑子・柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
イルミネーションでしょうか。きれいな冬の街並みを、彼がメールで送ってきました。
きっと、新しい恋人と一緒にデートしたんでしょうね。
彼の「赤いマフラー」を選んだのも、恋人なのでしょう。主人公はそれを知らずにほめていたんです。
いいえ、ひょっとすると彼に恋人ができたことを察していたのかもしれません。
でも、「私と付き合って」とは言えませんでした。なぜでしょうか?
それは、彼との関係が変わるのが怖かったからに違いありません。
ずっと 隣にいたのに ヘタクソな笑顔に 君は気付いてくれないの
でも この気持ちを君に伝えたとき 今の関係さえも壊れてしまうから
せめて一番の 支えであること あたし期待してもいいかな
明日からは 手袋を付けて行こう 君の頬はもうあの子のもの
言わなくちゃ 言ってあげなくちゃ「大事にしてあげてね」
出典: 赤いマフラー/作詞:井上苑子・柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
彼に改めて告白することも、別れることもありません。では、どうすれば良いのでしょうか?
そうです。今までと同じように、彼のことを支え続ければ良いのです。
でも、まったく同じ関係のままではいられません。彼の頬をつねることはなくなります。
だから主人公は、手袋をすることで、彼に直接触れることをやめようと決めました。
それこそが、彼とこれからも一緒にいられる唯一の方法なんです。
肌を刺すような風吹く 季節で良かった
切ない気持ちがよく似合う 季節で良かったな
去年より少し早く 雪が降らないかな
桜の季節までに この気持ちも ちゃんと溶かすから
出典: 赤いマフラー/作詞:井上苑子・柳沢亮太 作曲:柳沢亮太