一世を風靡した猿岩石の普遍的名曲

【猿岩石/白い雲のように】実は奥深い歌詞を徹底解釈!平凡だけど幸せな日々を雲に例えた名曲♪の画像

猿岩石の人気絶頂期に生まれた名曲

「白い雲のように」は1996年に発売された、お笑いコンビ猿岩石のデビューシングルです。

猿岩石は有吉弘行と森脇和成から成るお笑いコンビで、2004年に解散しています。

“猿岩石”と聞いてピンとこない方も、有吉弘行さんをご存じの方は多いのではないでしょうか?

猿岩石は1996年当時絶大な人気を博したテレビ番組「進め!電波少年」に出演していました。

世界中をヒッチハイクで旅するこの番組で猿岩石は不動の人気を手にします。

「白い雲のように」はそんな猿岩石の人気絶頂期に発売されました。

なんと、「白い雲のように」は秋元康プロデュース、藤井フミヤ・藤井尚之兄弟が作詞作曲を手掛けています。

お笑い芸人のデビューシングルとは思えない異例の豪華な待遇が当時の猿岩石の人気を物語っています。

お笑い芸人の楽曲としては異例の大ヒット

「白い雲のようには」お笑い芸人の曲としては異例のロングヒットを記録することになります。

そして、ミリオンセラーとなり1997年第39回日本レコード大賞の新人賞を獲得しています。

1996年前後をピークに徐々に人気が低迷していった猿岩石は2004年に解散することになります。

しかし「白い雲のように」は様々なアーティストにカバーされるなどその後も愛され続ける名曲となりました。

かつてヒッチハイクで世界を旅した猿岩石

その旅を彷彿とさせるような解放感、漂流感に満ちた楽曲となっています。

それでは歌詞をご紹介していきます。

白い雲に重ねる自分

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未来への期待と不安

遠ざかる雲を見つめて
まるで僕たちのようだねと君がつぶやく
見えない未来を夢みて

出典: 白い雲のように/作詞:藤井フミヤ 作曲:藤井尚之

二人で見上げる空に白い雲が浮かんでいます。

ゆっくりと漂い形を変えながら徐々に遠ざかっていく雲

そんな雲を見て「君」は「まるで僕たちのようだね」とつぶやきました。

大空をあてもなく漂う雲に自分たちを重ねる「君」。

そこにあるのは、将来への漠然とした不安や期待です。

自分たちはどこからきて、どこへ向かうのだろうという普遍的な問いを雲に重ねています。

雲は、風の流れに乗って進みます。

そこに雲自身の意志は当然ありません。

風に身をまかせ、流れるままに進むしかない雲

そして時や人の流れに合わせて進むしかない自分たち。

行きつく先はどんな未来なのか、今の二人は知る由もありません。

「見えない未来」には二人の未来に対する期待と不安が入り混じっているのです。

あての無い旅へ

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ポケットのコインを集めて
行けるところまで行こうかと君がつぶやく
見えない地図を広げて

出典: 白い雲のように/作詞:藤井フミヤ 作曲:藤井尚之

空を漂う雲に茫洋とした自分たちの未来を重ねている二人。

「君」は旅に出ようかと提案します

ただ時の流れに身を任せているだけでなく、自分から未来を掴みに行こうとするのです。

消えない未来への期待と不安。

自分が踏み出すことで未来は変わるのではないかと「君」は思ったのです。

そんな二人の軍資金は、ポケットにあるいくつかのコインだけです。

電車にも、飛行機にも乗れそうもない心もとない資金。

二人の旅はおそらく自分の足で歩くことになるでしょう。

歩いて行ける限られた距離

今の自分たちが遠い未来へ一気に行けることはないと彼らは知っています。

ヒッチハイクの旅のような2人の旅

未来へは、自分の足で歩くほどゆっくりしたペースでしか進むことができません。

それでも、今いる場所から歩を進める為に「行けるところまで行こう」と思ったのです。

ただ訪れる未来を待つことへのささやかな抵抗。

ここを抜け出そうと決めた二人の手元には「見えない地図」があります。

「見えない地図」は先の見えない未来の比喩でしょう。

旅に出ようと決めたものの、今あるのは「ポケットのコイン」と「見えない地図」だけです。

猿岩石がかつて体験したヒッチハイクの旅に通じるものがあります

お金もない、先のことは分からない、それでも前に進むしかない

そんな若さ故の葛藤が表現されています。

どんな思い出も宝物に変えていく

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涙も嬉しさもかけがえのない記憶