安心なライオンの背中に
跨り乗って
死んだつもりで歩こう
悲しみを宝石に変えて
笑っている
笑っているの
出典: Ghana/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:D.A.N.
前置きが長かったので結論から。
「ライオン」は「権力、権威」の象徴。百獣の王ですものね。
「安心なライオン」は撞着(どうちゃく)語法。矛盾する言葉を並べる表現方法です。
「負けるが勝ち」みたいな。
インスパイア元は開高健さんの対談集「悠々として急げ」。
「ライオンの背中に乗ってどこに行くの?」
その答えは「どこにも行きません。ただ生きよう」くらいです。
まったくの独自解釈ですが。
実際的な言葉はひとつもありません。すべてはメタファー。そういう歌詞。
でもそう言われてみたら確かに「安心なライオンの背中に乗って」いますよね。人間って。
ネタバレしてみると「死んだつもり~」も「悲しみ~」も撞着語法。
そもそも「矛盾」という言葉がつじつまの合わないことを意味しています。
「アンビバレント」のほうがわかりやすいでしょうか。
ガーナの歴史
せっかく抽象的に表現されているのに具体的に解釈してしまうと風情がありませんが。
タイトルにちなんでガーナの歴史を少々。
1957年に独立したガーナですが、イギリス植民地時代はゴールド・コーストと呼ばれていました。
金やダイヤモンドなどの宝石がたくさん採れるんですね。
確かに「悲しみは宝石に変わり」ますね。これくらいの解釈でご勘弁を。
いろんな解釈でやり過ごす
ああきっと
それは簡単なこと
忘れたいよ
話し方もすべて
悲しみを宝石に変えて
やり過ごして
やり過ごしてるの
出典: Ghana/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:D.A.N.
「それは簡単」「忘れたい」「話し方」あたりもガーナという国の歴史を連想させられます。
ただ「Ghana」というタイトルは後付けでした。
しかもせっかく抽象的に表現されていますので、いろんな独自解釈が可能かと思われます。
日本という国に住む私たち自身に置き換えてみるのもアリかも。
「埋葬=my soul」という逆空耳もアリ
きっと彼と分かり合えない
窓の外に弾むボウル
悲しみ 磨きがかかる
今朝の希望
午後に埋葬
出典: Ghana/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:D.A.N.
こっそり忍ばせた意味がバレちゃった?と言わんばかりにラブソングめかして照れ隠し。
というのも独自解釈です。
「きっと彼と」が「キットカット」に聴こえるのは私だけの空耳かも。
ガーナとチョコレートでつながり……にくいですね。
ですが語感、音感がいいことには違いありません。
ただ前半の「ガーナ解釈」を引きずるなら「彼」というのは恋人のことではないかも。
また「窓の外に弾むボウル」の意味はからっきしわかりません。
もしやサッカーボールのこと?
ガーナはサッカーが強いから?
それとも「ボウル」「かかる」「希望」「埋葬=my soul」(逆空耳)で韻を踏みたかっただけ?
やっぱり音感重視?
あるいはガーナの国章に描かれている6つの玉と関係があるという考え方も。
中央部分には、金縁のセントジョージクロスで4つに分割された青い盾があり、十字の中央にはイギリスとガーナの密接な関係の象徴として金色のライオンが描かれている。(中略)左下の場所にはガーナの農業の富を具現化したカカオの木が描かれている。右下にあるのはガーナの天然資源の豊かさを表した金鉱の絵である。盾の上には、ガーナのナショナルカラーでもある赤、緑、金の6つの玉がある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ガーナの国章
「国章説」が濃厚でしょうか。この部分は「分かり合えない」ままかもしれません。
やり過ごして埋葬
安心なライオンの背中に
跨り乗って
死んだつもりで歩こう
悲しみを宝石に変えて
やり過ごして
やり過ごしてるの
出典: Ghana/作詞:Daigo Sakuragi 作曲:D.A.N.
笑っていたのは最初だけ。後はもうやり過ごすしかなかったようです。
最初に抱いた「Ghana」の歌詞を独自解釈できるのでは?という希望を埋葬して締めくくります。
冒頭のサンプリングはアレン・ギンズバーグ
え~!何かモヤモヤしたままなんですけど~。という人もいるかも。
では「Ghana」冒頭の喋りについてのエピソードを投下しましょう。