「異邦人」といえば摩訶不思議なあのイントロ!あのイントロを聴いた瞬間、リスナーの心はシルクロードへひとっ飛び。耳にこびりついて離れません。

イントロはお店ののれんやショーウインドーと同じ。お客さんをつかむも逃がすもイントロ次第。「異邦人」のイントロにも仕掛けがあります。

シルクロードのイメージを増幅させるため、民族楽器のダルシマーも本曲に使用され、インパクトのあるイントロは中東風の雰囲気が漂う。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/異邦人_-シルクロードのテーマ-

ところでダルシマーって何でしょう?ばちで打って演奏する弦楽器。一風変わった弦楽器です。シルクロードっぽい音色がします。

「異邦人」の伴奏・後奏ではダルシマーがちょこちょこ顔を出します。ぜひとも押さえておいてください。

シルクロードブームに沸いた1980年

当時の歌唱映像です

ご本人映像をご用意しました。美人です!

バンドの演奏でもあり、レコード盤とは少々アレンジが異なります。

ダルシマー奏者も見当たりません。他の楽器で代用しているようにも見えます。よく似た音が聴こえてきますね。

とにもかくにも、おおよその雰囲気はつかんでいただけたでしょうか。

シルクロードはどこにある?

【異邦人/久保田早紀】その景色はシルクロードじゃなかった?異国的な曲になった経緯が興味深い!歌詞解説の画像

シルクロード(絹の道)は古代中国とローマ帝国を結んだ交通路。商人たちがキャラバン(部隊)を組んで行き交う貿易ルートでした。

ルートの途中で中央アジアの広大な砂漠地帯を横断します。ローマに近い一帯では地中海の沿岸都市を通ります。

「異邦人」がヒットした1980年には、NHK特集で長期シリーズ「シルクロード」がスタートし、一大センセーションを巻き起こします。

「異邦人」と「シルクロード」の大ヒットにより、海の向こうのシルクロードが身近なものになったのでした。

歌詞は意外と普通である

国立駅の子供たち

それでは歌詞を見ていきましょう。

久保田早紀が着想を得たという、国立駅前の子供たちから始まる1番。

子供たちが空に向い 両手をひろげ
鳥や雲や夢までも つかもうとしている
その姿は きのうまでの何も知らない私
あなたに この指が届くと信じていた

出典: 異邦人/作詞:久保田早紀 作曲:久保田早紀

うーん、確かに。ここだけ読むと普通ですねえ。そのへんの公園で今すぐにでも見られそうな光景です。

これはメロディとアレンジがなせるマジックですね。素材はありふれていたとしても、味つけひとつでどうにでもなるのです。

空と大地が ふれあう彼方
過去からの旅人を 呼んでる道
あなたにとって私 ただの通りすがり
ちょっとふり向いてみただけの 異邦人

出典: 異邦人/作詞:久保田早紀 作曲:久保田早紀

あ、ちょっぴりそれっぽくなってきました。ただこの歌詞では、シルクロードや砂漠地帯と特定はできません。

CMのキャッチコピーに「ちょっとふり向いていただけの 異邦人」が使われると決まるなど、総合的なプロモーションが曲のイメージを決めたと言えます。

2番はシルクロードっぽい?

2番の歌詞です。1番との違いをチェック!