デビュー当時13歳の「せんせい」
森昌子が「せんせい」でデビューを飾った当時はまだ13歳!
あどけない笑顔が幼さを物語っています。
ボーイッシュなショートカットが子どもらしさを引き立てていますよね。
そんな13歳の女の子から、まさかこんな声が!と誰もが驚きました。
独特な声色と圧倒的な歌唱力。
声の震えや透明感は、大人の色気をも感じさせます。
大人になった森昌子の映像はこちら
大人になった森昌子の「せんせい」はバランスが取れていますよね。
落ち着いた佇まいや顔つきが、きれいな歌声とマッチしています。
先ほどの13歳の森昌子は、ある意味アンバランスでした。
普通ではない歌唱力を持ちながらも、まだ13歳の中学生ですから。
大人になった森昌子なら、初恋を思い出して歌っているというシチュエーションもしっくりきますよね。
では、そんな淡い初恋を歌った歌詞に注目してみましょう。
せんせいの歌詞をご紹介
「せんせい」という歌は、学校の先生に恋してしまった女の子の恋心を描いた歌詞になっています。
雨と失恋
淡い初恋 消えた日は
雨がしとしと 降っていた
傘にかくれて 桟橋で
ひとり見つめて 泣いていた
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実
「せんせい」を書いたのは、「阿久悠(あく ゆう)」という多くの大ヒット曲を生んだ有名な作詞家です。
五感に訴える言葉を使い、歌詞の中には鮮明な物語が存在します。
歌を聴くとその物語の映像がバーッと広がっていく特徴を持っています。
この「せんせい」も同じような効果があります。
「雨」からは寂しさや冷たさを感じます。
「しとしと」という音からは、さらに重苦しい空気感が伝わってきますよね。
「初恋 消えた日」とは失恋を指しているでしょう。
その恋は実らなかったようです。
さらに消えてなくなってしまいました。
相手がいなくなってしまったのです。
「桟橋」とは、船を横づけするための橋のことです。
海の近くで傘を深くかぶりながら立っていることがわかりますね。
1人で何かを見つめて泣いているようです。
雨が降っている薄暗い空の下、黒く淀んだ海に向かって泣いている女の子がイメージできます。
海の向こうに行ってしまった「せんせい」
おさない私が 胸こがし
慕いつづけた ひとの名は
せんせい せんせい それはせんせい
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実
前述で”見つめていた”のは、せんせいがいなくなった後の海の景色を見ていたようです。
せんせいは海を渡ってどこか遠くに行ってしまったのでしょう。
「胸こがし」という言葉からは、心が乱れてざわざわするような印象があります。
恋する心に初々しさを感じますよね。
慕いつづけた…とは?
「恋をしたのはせんせい」と恋したとはハッキリ出てきません。
あくまでも「慕いつづけた」とだけしか言わないのです。
淡く青い印象を受けますよね。
少女はまだ「これは恋なのか憧れなのか」に気づいていないだけでしょうか?
それとも、恋愛対象がせんせいである故、気持ちを隠しているのでしょうか?
最後は、せんせい…せんせい…と何度も重ねて名前を呼びます。
想いが募り募っていることをうかがわせます。
声を限りに 叫んでも
遠くはなれる 連絡船
出典: せんせい/作詞:阿久悠 作曲:遠藤実