「チューリップ」
indigo la End
ゲスの極み乙女。のフロントマンとしても活躍している川谷絵音を中心として結成されたindigo la End。
川谷絵音はこのバンドではギター・ボーカル(Gt/Vo)を務めています。
ポップでありながらも、川谷節ともいえるオリジナリティによって唯一無二のサウンドを奏でているバンドです。
MVはこちら
YouTube上で「チューリップ」のMusic Videoが公開されています。
「渚にて幻」や「夏夜のマジック」など、indigo la Endの楽曲のMVを多く担当している大久保拓朗。
今回もる鹿と上杉柊平演じるカップルの切ないひと時を赤を基調とした映像で彩り、楽曲の世界観を補足しています。
「チューリップ」という楽曲の持つ情景を理解するのにこのMVが役立つのは間違いありません。
未視聴の方は是非こちらをご覧になってからこの記事をご覧になってください。
それでは早速、歌詞の解説に移ろうと思います。
恋人の色
色に染まる
染まりきった私
今更変えられない色
物語った私
あとがきへの助走ルート
出典: チューリップ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
ここでは主人公である女性の現在が表されています。
1行目の「染まる」という言葉は、好きな人からの影響を受けてその人の考えに染まっていく様子を表しているのでしょう。
2、3行目からはその染まった自分自身が消せないことに対しての諦めが伝わってきます。
何故彼女は好きな人からの影響から逃れたいのでしょうか。
もしかしたら、2人の関係はもう終わっているか、もしくは終わりかけているのではないでしょうか。
それは4行目の「あとがき」という言葉からも分かります。
「あとがき」というのは本の終わりに書かれるもので、著者がその本に対して言葉を添えるというものです。
この言葉を用いていることで、彼女にとってのある大きな物語の1つが終わったことを表しているといえるでしょう。
突然の別れ
振り解いたあなた
情がちょっと見え隠れ
それだけでもう終わりなの?
散文的な変わり目
出典: チューリップ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
「あなた」というのは彼女にとっての好きな人、つまり恋人を表しているのでしょう。
このパートから分かるのは彼女がそんな彼から別れを切り出されたということ。
2行目ではその別れの時に垣間見えた彼の主人公への優しさを表していると考えられるでしょう。
突然の別れに、彼女が戸惑う様子が3行目の歌詞からは伝わってきます。
4行目の「散文的」という言葉は、「味気なかったり、面白みが薄かったりするもの」に対して使われることがあるようです。
ここでは淡白過ぎる別れに対して主人公が不満を持っていることが分かります。
失恋の苦しみ
苦しさの原因
優秀賞なんていらない
過去になっていくあなたの
置き土産の色が濃くなって
ひたすら苦しいよ
出典: チューリップ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
このパートでは恋人に別れを切り出された後の主人公の姿が描かれています。
ここで物語を直接的に描写しているのは、2行目以降の言葉であると考えられるでしょう。
別れの後もう会えなくなってしまった彼に対して、愛情が薄れて行くどころか逆に日々募っていく。
そのことに対して主人公は、胸が締め付けられる苦しさを感じています。
恋人に染まっている自分から脱却したいと彼女がいっていたのは、そんな苦しさが原因なのかもしれません。
今まで隣にいた人の不在が、逆にその存在を強く意識させることになっているのでしょう。