その感情にあるものは
あなたの何気ない表情さえ疑ってしまう。
好き…ただそれだけのこと。なのにどうしてこんなに難しくなってしまうのでしょうか。
もう過去になっているの
「君には何でも話せるよ」と笑う顔が淋しかった
あの夜 重ねたくちびるさえ忘れようとしてるみたい
出典: 誰より好きなのに/作詞:古内東子 作曲:古内東子
2人だけで会っている時に言われたことなのでしょう。
歌詞に会話を示す鍵括弧が付いているのが切なさを感じさせますね。
呼びかけられた言葉が「君」で始まるところも、ざわつく気持ちを表しています。
名前ではなく簡単な代名詞で呼ばれてしまったのです。
「何でも話せてしまう」のは決して悪い関係ではありません。
でも恋人同士というより友達同士に当てはまることなのでしょう。
そして思いを込めて伝えてくれた言葉では無いのを、表情の中に感じてしまったのです。
前のデートでは2人の間にあった深い愛。
あの日2人は心の中で同じことを考えていたはずです。
もうすっかり過去になってしまったのでしょうか。
あなたが心の中から消そうとしているのが伝わってきます。
私は今でもあの日のまま。素直になれないのはあなたが悪いの?それとも私なのでしょうか。
やり直すことはできるの
もう一度出会った頃に戻れたなら
もっと上手に伝えられるのに
二人近くなりすぎて心はいつも裏腹の言葉になってく
出典: 誰より好きなのに/作詞:古内東子 作曲:古内東子
2人が付き合い始めた頃は何もかもが新鮮だった。
ただ会うだけでも楽しかったのでしょう。
顔を見れば自然と笑顔を返すこともできたのです。
言われた言葉をそのまま受け取ることもできました。
私のことを好きというあなたの気持ちを疑うなんて、思う隙間も無かったのです。
あの日のように「ただ好き」と思えたら、あなたから言われたことは悪い方には考えないはず。
最初にあった「何でも話せる」も、君と一緒にいるとホッとすると受け取れるでしょう。
でも今はそれができないのです。
恋愛中の2人の距離は傍から見れば「近い」はず。
ここではその近さが恋する女子の心を惑わせているのです。
2人の関係を慣れ過ぎたマンネリとは認めたくないのでしょう。
心の中では今でも出会った頃のように輝いたままと信じているのです。
「裏腹」は心で思っていることと反対のことを思ってしまうことを意味します。
心にもない言葉で相手の気持ちを試そうとしたのでしょうか。
2人の関係に安心して身をゆだねたくても、不安を先に考えてしまう女子の恋。
隣にいるはずのあなたの心が見えるのなら、それは解消できるのでしょうか。
素直になれないだけのこと
2人の距離なんて意識をしないで私とつきあうあなた。
あなたは何も悪くないけれど、それがどこかで許せないのでしょうか。
心の不安を
やさしくされると切なくなる
冷たくされると泣きたくなる
この心はざわめくばかりで
出典: 誰より好きなのに/作詞:古内東子 作曲:古内東子
歌詞からは恋の相手である「あなた」の性格や行動を読み取ることができます。
まずいえるのは「優しい」人であるということ。
会えば優しい態度で接してくれるのがうれしいけれど、その優しさが心を攻め立てます。
そして時には今日は会えないなど、忙しい毎日を過ごしているのでしょう。
断られた時の口調が素っ気ないことに、心が揺さぶられて涙が出てしまう。
また会えると分かっていても心は落ち着きません。
相手がとる態度すべてに「心がざわつく」のは重いと思われてしまいそうですね。
でもこの歌詞の中の恋する女子の心はまだ落ち着くことは無いのです。
「こじらせ」ではなく…
追いかけられると逃げたくなる
背を向けられると不安になる
誰より好きなのに
出典: 誰より好きなのに/作詞:古内東子 作曲:古内東子
君を「追いかける」という行動をとるくらいに好きなのです。
時には仲たがいをして「背中」を見せることもあるでしょう。
この歌詞からは2人が両思いであることを読み取ることもできるのです。
でもそれを拒否をしたり迷いになってしまう女子の心理。
「こじらせ女子」と判断されたりもしますね。
恋愛女子あるあるなのかもしれません。
それでもこの後に出てくるのは楽曲のタイトルでもある留めともいえるフレーズです。
すべてはこの一言に尽きるのでしょう。
好きすぎて味わう苦しさは一途な恋をする女子だけが知っています。
心の中にいるのはあなただけ、好きなあなただけがいてくれれば良いのです。