笑われる夏

2人だけの価値

愛想笑いの他に何も出来ない
君と夏を2人で過ごした想い出を
笑われたって黙っている

出典: 五月は花緑青の窓辺から/作詞:n-buna 作曲:n-buna

エルマを失ったエイミーは、もう表情がなくなってしまったのです。

他人と接するときにももう笑うことはできません。

ただ、愛想笑いで返すことしか…。

少しだけ、心配されない程度に笑顔を取り繕うことは可能です。

しかし、心の底から笑うことを忘れてしまったのでしょう。

まるで感情などないかのようです。

だから、エルマとの2人だけの空間を笑われたとしても、言い返せないのです。

自分の殻に閉じこもって、自分だけの世界でエルマと2人で過ごすのでしょう。

自分とエルマだけの世界なら、誰も笑うことはないのです。

誰にも笑われることのない、2人だけの世界に閉じこもってしまうエイミー。

この先どうなっていくのでしょうか?

言い返せない自分

笑うなよ 僕らの価値は自明だ
例うならばこれは魂だ
黙っただけ辛いのに馬鹿みたいだろ
なぁ、言い返せ

出典: 五月は花緑青の窓辺から/作詞:n-buna 作曲:n-buna

エルマとの時間の価値は、誰かが証明しなくたって明らかでしょう。

エイミーにとってはエルマとの時間の価値は確かにあるもの。

エルマとの時間こそがお金にも変えられない大切な宝物なのです。

これから生きていく上で、糧になる大事な時間なのでしょう。

それなのに、価値のある時間を馬鹿にされても何も言えません。

そんな自分が情けなく、外側の自分に向かって言い返すようにいっているようです。

なんとか、否定してほしいのでしょう。

自分自身に、エルマを守ってほしいのです。

心ではわかっていても、なぜか守ってあげられない。

エイミーはそんな自分に虚しさを覚えるのです。

1人歩く

言い返せないまま1人歩いた
指を指された僕が残った
それでもそれでも思い出せないのか

出典: 五月は花緑青の窓辺から/作詞:n-buna 作曲:n-buna

エイミーは結局、何も言わないまま去ってしまったようです。

言い返せない弱い自分に嫌気がさしている様子が窺えます。

さらに、弱い上に馬鹿にされてもなお、思い出せないのです。

エルマとの時間を守ることもできず。

そして、思い出の中のエルマを守ることもできなかったのです。

一体、エルマはエイミーの何なのでしょうか。

大切な人なら最後まで、思い出の中まで守り続けるべきです。

エルマを思い出せないエイミーは自分にガッガリするのでしょう。

変化

君の声

さようなら
青々と息を呑んだ 例う涙は花緑青だ
黙ってくれ わかったよ
君の声がする

「思い出せ!」

出典: 五月は花緑青の窓辺から/作詞:n-buna 作曲:n-buna

ここでエイミーの心境に変化があったようです。

今までは思い出せずにいたエイミーが、何かを思い出そうとしています。

エルマの声が頭の中で響くのです。

自分を思い出してほしいエルマが、エイミーの頭の中で呼びかけているのでしょう。

ここまでの歌詞では、エルマのセリフは出てきていませんでした。

上記で抜き出した歌詞には、「」がついていたので、エルマのセリフと読み取れます。

ここにきて、エルマとエイミーがやっと繋がったのです。

思い出した