時代を揺るがしたコード「G6」
ビートルズと不思議なコード
She loves you, Yeah, Yeah, Yeah, She loves you, Yeah, Yeah, Yeah
With a love like that you know you should be glad
With a love like that you know you should be glad
With a love like that you know you should be glad
Yeah yeah yeah, Yeah yeah yeah yeah
出典: シー・ラヴズ・ユー/作詞:Lennon=McCartney 作曲:Lennon=McCartney
クライマックスです。
繰り返しが多いですが和訳を添えます。
「あの娘はお前のことが好きなんだよ
Yeah,yeah,yeah
あの娘はお前のことが好きなんだよ
Yeah,yeah,yeah
そんな感じの愛に恵まれて
分かるよね
お前は喜ぶべきなんだよ
そんな感じの愛に恵まれて
分かるよね
お前は喜ぶべきなんだよ
そんな感じの愛に恵まれて
分かるよね
お前は喜ぶべきなんだよ
Yeah,yeah,yeah
Yeah,yeah,yeah,yeah」
内容は重複になります。
このラインで特筆すべきことはサウンドの方です。
一番ラストのコードは「G6」になっています。
6thコードと呼ばれるこのコードはポピュラー・ミュージックの中ではあまり用いられません。
ましてやロックンロールに用いられるコードではないでしょう。
特にジョン・レノンやポール・マッカートニーのようにギターで作曲する人はまず使わないです。
鍵盤楽器に通じている人は使うことがあるのですが、この時期はふたりともギターで作曲したはず。
このコードの不思議な響きでラストを〆るのが「シー・ラヴズ・ユー」という曲の余韻になります。
このアイディアはプロデューサーのジョージ・マーティンによるものでしょうか。
ビートルズは「ア・ハード・デイズ・ナイト」の冒頭にも不思議なコードを鳴らします。
イントロの「じゃ~ん」と鳴る不安を表すあのコードです。
こちらはジョンとジョージが「Fadd9」、これにプラスしてポールがD弦を鳴らしています。
「G6」も「Fadd9」も普通のギタリストはまず考えつかないコードなのです。
理由は「弦を押さえるのが大変だから」。
興味のある方やギタリストの方は検索してコードの押さえ方を見てください。
いずれにしてもこの「G6」で終わるラストの余韻が「シー・ラヴズ・ユー」を特別にしています。
ロックンロールらしくない新時代のロックンロールです。
「歴史を変えた1曲」
アイディアを詰め込んだ名曲
「シー・ラヴズ・ユー」は「歴史を変えた1曲」といっても過言ではないです。
また初期のビートルズといえば真っ先にこの曲が思い浮かぶという方も多いはずでしょう。
当時の音楽界にとっては聴いたことがないようなサウンドや歌詞だったはずです。
私たちは今すでに「ビートルズによって変えられた後の世界」を生きています。
ですので「シー・ラヴズ・ユー」を初めて聴いたときも当時の人ほどの衝撃はなかったかもしれません。
それでも「シー・ラヴズ・ユー」は愛すべきロックンロールです。
短い曲に特有のキュートさがあります。
歌詞もよく読み込むと語り手の「オレ」がいい奴で好感が持てるはずです。
とにかく2分17秒の楽曲にビートルズは可能な限りのアイディアを詰め込みました。
「Yeah」の箇所の三声コーラスが当時は「雑音」に聴こえたなんて信じられないこと。
初期ビートルズがゴスペル音楽とロックンロールに影響を受けて独自の音楽を築いた素晴らしさ。
メンバーだけでなくプロデューサーのジョージ・マーティンもいい仕事をしました。
歴史が変わる瞬間に立ち会えた人がうらやましいです。
この可愛らしい曲をご紹介できて幸せであります。
「お前」と「あの娘」のその後がハッピーなものであることを祈りたいです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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