2006年6月にリリースされた4thアルバムです。
前作『DEEP RIVER』からは4年半ぶりという長いインターバルになりました。
その間に「Utada」名義でのアルバム『エキソドス』がリリースされています。
しかしファンは日本語の宇多田ヒカルを待っていたのです。
「THIS IS LOVE」が日清カップヌードルのCMに起用された他、映画の主題歌なども収録されています。
しかしアルバム全体を覆うのはどこか寂しく、暗いイメージ。
歌詞の内容も内省的で、彼女自身の心情を直接的に表現したようなものが多くなっていると思います。
前作リリース後に宇多田ヒカルは映画監督である紀里谷和明との結婚を発表しました。
そしてこのアルバムの翌年、2007年に離婚しているのです。
つまりこの『ULTRA BLUE』には宇多田ヒカルと紀里谷和明との結婚生活が反映されているといえるでしょう。
それが寂しく、内省的な内容になっているというのは切ない気がします。
紀里谷和明監督の『CASSHERN』の主題歌だった「誰かの願いが叶うころ」は象徴的かもしれません。
この曲についてはこちらの記事に詳しく書かれています。ぜひ読んでみてください。
【誰かの願いが叶うころ/宇多田ヒカル】”当たり前だけど当たり前じゃない”心に沁みる歌詞を徹底解説! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
2010年の「人間活動」宣言から7年、本格的に歌手活動を再開したシンガー宇多田ヒカル。 そんな彼女が生み出した名曲「誰かの願いが叶うころ」の歌詞を中心に、解説していきたいと思います。
6位:HEART STATION
2008年3月にリリースされた5thアルバムです。
これまでのアルバムでは宇多田ヒカル自身の内面を歌うような曲が多くありました。
しかしこのアルバムではもっと客観的に物語を紡いでいる印象があります。
25歳となり、大人へと成長しつつある彼女の姿が反映されていると思います。
「みんなのうた」に起用された「ぼくはくま」など新機軸といえる曲もあり、充実した内容です。
このアルバムを出した2年後、宇多田ヒカルは活動休止を発表します。
その理由は「人間活動」に専念するというものでした。
この先アーティストとして活動していくにあたり、普通の社会人としての経験を積みたかったのでしょうか。
その真意はわかりませんが、その後の宇多田ヒカルの活動にとってとても重要なアルバムだと思います。
上位の発表!
5位:Distance
2001年3月にリリースされた2ndアルバムです。
衝撃のデビュー作『First Love』の余韻が覚めない中、次の一手が注目を集めていました。
前作以降リリースしたシングル曲をすべて収録し、本作も大ヒット。
デビュー作の時点で宇多田ヒカルの才能は疑いようのないものでした。
それを作品として確信させたのがこのアルバムだと思います。
「Can You Keep A Secret?」や「Wait & See 〜リスク〜」などの大ヒット曲を収録。
「ドラマ」と「タイム・リミット」はGLAYのTAKUROとの共作として話題を呼びました。
オリコン調べでは初動売上げだけで300万枚を超すセールスを記録しました。
これは「1カ国で最も速く売れたアルバム」として当時ギネス認定されたそうです。
名実ともに宇多田ヒカルが日本のトップアーティストになったアルバムだと思います。
4位:初恋
2018年6月リリースの7thアルバム。
デビューから20年が経ち、35歳になった彼女の等身大の姿が現れたアルバムです。
タイトルの『初恋』はどうしてもデビュー作の『First Love』を思い出させます。
しかし原点回帰して戻ってきたというものではありません。
彼女の人間としての成長がきちんと刻み込まれているのです。
サウンドやメロディーには開放感のようなものも感じます。
しかし歌詞のテーマの中には「生と死」のようなものが確実に存在しています。
意識的にそうしているという感じではありません。
今の宇多田ヒカルが曲を書くと自然とそういうテーマが出てくるということなのでしょう。
ポップスとしてのクオリティはもちろん素晴らしいです。
その中に人間としての成長による奥深さが見えてくるアルバムだと思います。