Bon Joviによるロックファンのための「Have A Nice Day」
世界を股にかけるスーパーロックバンド、それがBon Jovi(以下ボン・ジョビ)です。
ハードロックの人気が下降気味だった2005年。
そんな時期にリリースされたのが「Have A Nice Day」というアルバムでした。
そのタイトルトラックとして発表された楽曲にハードロックファンは歓喜!
そしてボン・ジョビらしさ全開のキャッチーなメロディ。
彼らはロック好きの欲望を満たすことに成功したのです。
それも、時勢に逆らってこれみよがしに。
さて、英語で歌われている歌詞はどんな風に“ロックしている”のでしょうか?
何か強烈なメッセージが謳われているに違いありません。
1番のAメロを和訳
これぞボン・ジョビ節!Aメロ前半
Why, you wanna tell me how to live my life?
Who, are you to tell me if it's black or white?
出典: Have A Nice Day/作詞:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks 作曲:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks
【和訳】
“なんでお前は俺に人生の講釈を垂れたがるんだ?
黒か白かの判断をするなんて何様のつもりだ?”
【解説】
はじめからボン・ジョビ節炸裂ですね。
ボーカルのジョン・ボン・ジョビは、言わずと知れたロック界のスーパースター。
そして世界有数の“ロックな発言”をする男としても知られています。
いつでも、自分の信念に従って「No」を言える男です。
ファンもそれを求めているのかもしれません。きっとそうでしょう。
最初の2行から不満と怒りが炸裂しています。
「俺に生き方を教えられるやつなんかいない!」
「俺はお前の考えを聞くほど落ちぶれてはいない!」
迫力満点のメッセージです。
みんなの不満を代弁するボン・ジョビ
ロックスターじゃなくても、誰でもこんな不満を持つことがあるでしょう。
考えを押し付けられることに対する不満です。
学校の先生や、会社の上司、親戚のおじさんなどなど。
他の人に、人生について語りたがっている人はたくさんいます。
そして、彼らはそれを正しいことだと信じて疑わないのです。
若い人間や周りの人たちに、よりよく生きるためのアドバイスをしてあげていると思っています。
もちろん、そんなアドバイスが役に立つことは多いです。
同じような生き方をするならば、当然先人たちの意見は聞いた方が得でしょう。
しかし、この歌詞の主人公はそれに対して明確に「No!」と言っているのです。
それは何故なのか?
つまり「俺はお前らと同じような生き方はしない!」と言っているのです。
生き方が違うのだから、相手が歩んできた人生からのアドバイスなど役には立ちません。
のっけから相手を突き放しているのです。
白黒つけるなと言いながら、キッパリと白黒つけています。
くだらないアドバイスをするお前たち凡人の色には絶対に染まらない。
この熱いロック魂は、聴衆の心に一気に火をつけたことでしょう。
Aメロ後半
Mama, can you hear me? Try to understand.
Is innocence the difference between a boy and a man.
My daddy lived the lie, it's just the price that he paid.
Sacrificed his life, just slavin' away.
出典: Have A Nice Day/作詞:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks 作曲:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks
【和訳】
“ママ 聞こえてるか?理解してくれよ!
純粋さこそが少年と一人前の男の違いなのか?
俺の親父は偽りの生活を送った それは彼が払うべき代償だった
人生を犠牲にしたこと ずっと奴隷のように働いていただけだ“
【解説】
ママと議論していますが、結論はかなり辛辣なものです。
最初のママへの問いの後に父親に対しての言及があります。
歌詞では「lived」と過去形になっているので、父親は死んでしまったのでしょう。
そんな父親の生き方を軽蔑するような発言をしています。
つまり、純粋さを失い偽りの生活を送った父親が一人前の男だったのか?という疑問なのです。
歌詞の主人公は、純粋なままだと大人の世界ではやっていけないと教えられて育ったのでしょう。
それに対する強烈なアンチテーゼです。
「自分に嘘をついて生きた結果何が残ったんだ?親父は馬車馬のように働いただけじゃねえか!」
若さゆえの発言ですが、一方で固定観念を破壊し、真理に触れようとしています。
純粋さを捨ててしまって本当にいいのかということなのでしょう。
まさにロックの本質そのものですね。
熱すぎるサビ
サビ前半
Oh, if there's one thing I hang onto,
That gets me through the night.
I ain't gonna do what I don't want to,
I'm gonna live my life.
出典: Have A Nice Day/作詞:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks 作曲:Jon Bon Jovi,Richie Sambora,John Shanks
【和訳】
“もし俺がしがみつけるものがひとつあるなら
夜を切り抜けられる
俺は決して自分のやりたくないことはやらないだろう
俺は自分の人生を生きる”
【解説】
サビの前にいっていた、純粋さのような何かを失いたくないと叫んでいるのです。
生きる上でいろいろ捨てなければいけないものはあるけれど、全部を手放してはダメだ!
激しい意志が感じられます。
他人に合わせて生きていたらいつの間にか自分の誇れるものが消えてしまっている。
そんな悲劇か喜劇かわからないような人生を俺は絶対に送らない。
主人公は胸に何かとてつもない宝物を抱いているのでしょう。
純粋さ、希望、冒険心それらを全部ひっくるめて、オリジナルのハートが宿っているのです。
誰になんと言われようと曲がることのない信念。
それさえあれば、人は幸せと熱量を持って生きられるのかもしれません。