「NEOかわいい」で世界を変える!?
一見風変りなことを言っているようで、かなり的を射た“かわいい像”を歌っている曲。
そして、相変わらずのパフォーマンス力の高さ。
MVも彼女たちのシンボルであるピンク一色。
どこをとっても実にハイセンス、そして聴けば聴くほどクセになる。
もちろん世の女性たちには聴いてほしいのですが、男性にもぜひオススメしたい作品です。
世間の凝り固まった概念を上手に溶かしてくれる「CHAI」。
自分にしか出せない、ありのままの“かわいい”が一番魅力的!
CHAIが発信する、いろんな“かわいい”に気づける曲です。
そんな彼女たちの代表曲とも言える「N.E.O.」を、歌詞の面から徹底解説していきます。
世間で言うところの“コンプレックス”を並べる
見事なネーミングセンス
まずはMVからご紹介。
彼女たちのコンセプト「コンプレックスはアートなり」が、全面に出ている映像です。
映像中では世間の多くの人たちが「コンプレックス」と思うであろう特徴がズラリと登場。
ですが、CHAIはこれらを全て肯定しています。
どれにもこれにも、かわいらしいネーミングが。
例えば、「しゃくれ=ハリウッドフェイス」、「剛毛=セクシージャングル」……。
その他にも、「肥満=ナチュラルクッション」といった、センスのある呼び名。
逆に「痩せすぎ」は「ロックスター」で、カッコ良すぎるスタイルになってしまいました。
CHAIの手にかかればどれも“かわいい”
気にしていない人も、もちろんたくさんいるでしょう。
でも、実際気になっている人はどうでしょうか?
なんだか不思議と、どれもオシャレな装備に見えてきませんか?
そう。CHAIに言わせれば、どれもチャームポイント。
世界はこんなにも“かわいい”で溢れているのです。
現代の“かわいい”基準っておかしくない?
流行りが全てなの?
つまんないなんて変じゃない?
全部同じ顔なんて変じゃない?
キレイキレイしすぎ
個性はどこにある?
出典: N.E.O./作詞:ユウキ 作曲:マナ
まさに、今のファッションを風刺するような一言。
似たようなメイク方法が流行り、みんな似たような顔つき。
プチ整形なんかも、現代では普通に行われるようになってきました。
写真でさえ加工アプリを使ってキレイに整えてしまう。
みんなが同じ基準の、流行っている“かわいい”を目指して。
でも、それってどうなの?という話です。
世の中で評価されているものは、整っているものばかりなのでしょうか?
誰もが認める、文句のつけようもないかわいい容姿。
みんなが言うありきたりな“かわいい”にも、もちろん価値があります。
しかしCHAIは言うのです。
「あんたたち、何か忘れていないかい?」
強烈なインパクトを残す個性。
それだって、ありきたりな“かわいい”と同じくらい価値があるのです。
個性の無い世界なんて……
つまんないなんて変じゃない?
全部同じ顔なんて変じゃない?
そのままがずっと
誰よりもかわいい
出典: N.E.O./作詞:ユウキ 作曲:マナ
本当にただ単純に“かわいい”だけでいいなら、いっそみんな同じ顔になればいいのです。
みんなで同じ目・鼻・口の形。同じ髪型、同じ体形、同じ肌質。
ですが、どうせ同じになったところで一緒。
きっとそうなったらなったで、どこかアラを探し始めるでしょう。
そんなつまんない世界になるくらいなら、個性だらけの方がいいじゃない。
生まれたままの、奇跡的にできあがった造形、髪の色、体質。
少し目線を変えてみれば、誰もが“かわいい”になれる。
CHAIが言う「NEOかわいい」は、まさにそのこと。
ちょっと違った言い方で、ちょっと違った見方で。
世間様はまるで“悪い”みたいに言うけれど、本当はそうじゃない。
“かわいい”はもっともっと可能性のある言葉です。