一つ目 あの子と にらめっこ
負けちゃたまらん
博識ぶっては抜き足さし足 口舌の徒
二つ目 人間は指切った
騙し騙されては
真面目な者だけが何故か馬鹿を見る
“無駄じゃないよ”なんて言うけれど
悪いことなんてない方がいい
出典: 百鬼夜行/作詞:チャム(.△) 作曲:渡辺壮亮
妖怪の百鬼夜行がモチーフですが現実世界の訳のわからない輩への批判が本論です。
人を出し抜く輩、人を騙すような者へのアンチ。
そうした人間と関わり合うのも社会経験だと訳知り顔にいう人もいるでしょう。
しかしそんな経験はしないで済むならその方がいいとチャム(.△)は歌います。
妖怪の正体を暴き立てたら人間社会に巣食う得体の知れない輩たちだった。
ライブハウスでの壮絶なパフォーマンスの模様がうかがえるのでぜひご覧ください。
激しい曲に全力で応える観客の姿が素晴らしいです。
チャム(.△)のカリスマ性に驚かれるはず。
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4位 フェイトンに告ぐ
2018年9月12日発表、嘘とカメレオンのメジャー・デビュー・アルバム「ヲトシアナ」収録曲。
「CDTV」のエンディング・テーマにもなった「フェイトンに告ぐ」。
月・火・水・木・金・土。
日々の生活の中で社会に飼い馴らされている自分に喝を入れるような歌詞になっています。
仕事ばかりに追われることに疑問を持ち始めた人には深く痛く突き刺さるはずです。
一方で自分の足で歩いてゆくことに確信を持っている主人公が心強いもの。
最後にちょっとした恋愛要素が潜んでいるのも爽やかさを感じます。
歌詞を見ていきましょう。
不自由の中で自由を歌う
ひとつひとつ色をつけることで
鮮やかな自分 全てを肯定したい
「ずっと一人でそこに辿り着いた?」
かごめ かごめ 籠の中の
カナリヤは自由の歌を歌う
終わりの日何をしよう?
君に逢いにゆこうかな。
悪くはないな
出典: フェイトンに告ぐ/作詞:チャム(.△) 作曲:渡辺壮亮
チャム(.△)の歌詞にしては分かりやすい内容ですのでホッとします。
自由がないものこそ自由の歌を唄うというラインにチャム(.△)の真摯な眼差しがうかがえるのです。
時代は大衆の思想が千千に千切れて会話が不能になってきています。
ある人たちにとって今の社会は非常に息苦しい監獄に思えるのです。
自由を希求する声はいつの時代も聴かれますが戦前に似てきたなどといわれる異常な社会では深刻。
思想の違う人からの叫びであってもその声に耳を傾ける習慣をつけたいものです。
最後の方に現れる恋愛要素。
チャム(.△)の歌詞には時折こうした隠れたラブソングがあります。
この曲にもMVがあるのでご紹介。
SNSに没頭する男性に訪れた悲劇とは?
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3位 N氏について
ファースト・ミニ・アルバム「予想は嘘よ」にもメジャー・デビュー・アルバム「ヲトシアナ」にも収録。
「ヲトシアナ」では新録音されている楽曲「N氏について」。
巧妙な罠を張り巡らせたラブソングです。
ラブソングなのに単純にはいかないのがチャム(.△)の詩才でしょう。
2枚のアルバムに収録したのですから嘘とカメレオンにとっても自信作であるはずです。
実際に難解な歌詞には戸惑いますがサウンドは非常にキャッチー。
渡辺壮亮のソングライティング能力とそれを再現するメンバーの演奏力の高さに驚かされます。
実際の歌詞を見ていきましょう。
N氏に宛てた不思議なラブレター
いや、『1+1=2』じゃないかもね
嘘つきはぐれた夜に、おいでよ
愛に迷って散る花が咲いた
遊んで生きてたいの
あの子の願い
時よ止まれ
いやなこといいことで
半分こ
不完全な 2人も楽しくって
ああ『1+1=2』って本当?
信じ続けてたいの
大人になってもずっと
出典: N氏について/作詞:チャム(.△) 作曲:渡辺壮亮
チャム(.△)の心模様は子どものようにあどけなく移ろいゆきます。
さっきまで話していたことと矛盾するような答えを出す子どものようです。
この歌詞は謎の「N氏」に宛てたラブレターの体裁をしています。
ここでは引用できませんが「拝啓」ではじまり「敬具」で締めくくられているのです。
一方で常識への問いかけというのはチャム(.△)の生涯のテーマなのかもしれません。
チャム(.△)は社会通念を揺るがすような思想を持っているのではとさえ想わされます。
この曲はMVをぜひご覧いただきたいです。
懐かしいガングロ少女が現代にタイムスリップしてきます。
豊かなアイディアで制作されたMVで一度鑑賞すると忘れられないでしょう。
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2位 パプリカはポストヒューマンの夢を見るか
2019年5月29日発表、嘘とカメレオンの2作目のミニ・アルバム「ポストヒューマンNo.5」収録曲。
タイトル「パプリカはポストヒューマンの夢を見るか」はP・K・ディックの名作のオマージュ。
ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は自分が何者であるのか気付くことが最大の仕掛け。
この曲も「目を覚ます」ことが歌われています。
奴隷状態であることからの覚醒のようなものを歌い切るのです。
今こそ響いて欲しい楽曲ですのでこの歌をランキングの第2位に推します。
しかしチャム(.△)の書く歌詞は一筋縄ではいきませんのでご理解ください。
それでは実際の歌詞を見ていきましょう。