あなたには私がついている
Finally, you don't have to worry
心配なんかいらない
挫けそうな時も側にいるから
今ここに立つステージで
新しいストーリーを作ろう
出典: Finally/作詞:Emyli・Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles 作曲:Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles
英詞を和訳すると「もう君は心配しなくていい」となります。
前の英詞の主語は「I」でしたが、ここでは「you」へと変化しています。
「you」が示しているのは、私たちリスナーやファンではないでしょうか。
辛いとき、悲しいとき、彼女の歌に力をもらった人は数えきれないほど多くいます。
安室奈美恵が引退してしまったら、心の拠り所がなくなってしまう、と不安に思う人もいるでしょう。
実際、ファンレターやSNSなどでそういった言葉を目にしたのかもしれません。
しかし彼女が残した楽曲は、引退しても消えることはありません。
どんなことがあっても、永遠に消えることがない「音楽」として側にいる、という意味にとらえました。
人は支え合って生きていきます。人間は自分1人では何も出来ない弱い存在です。
安室奈美恵に救われたファンがいれば、安室奈美恵がファンに助けられた経験もきっとあるでしょう。
お互いに支え合うことを誓い、引退に向かう物語を作っていきます。
守るものがあるから 信じてゆける
希望あふれる未知の世界へ
胸を張って 全て感じたいから
眩しく煌めく明日へ Finally
出典: Finally/作詞:Emyli・Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles 作曲:Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles
引退という決断が、正しいのかどうか、今は分かりません。
しかし彼女は「正しい」と信じています。なぜなら、守るべき存在があるから。
もっと近くにいて、もっと頻繁に守ってあげたい。そのためには引退が必要だったのです。
歌手としてではなく、1人の女性として家族を守っていくという新しい世界が、しっかりと目に見えているのでしょう。
その世界は、希望に満ちあふれているようです。
自分が決めたことに自信がなくては胸が張れません。顔を上げて前を向けません。
自信を持って前を向いて、目に映る家族の姿、気持ち、何もかもを逃さず感じていたいと歌います。
先程は「未来へ」だったものが、ここでは「明日へ」と変化しました。
一歩一歩進んでいこう、という決意が見て取れます。
Finally, I can stop dreaming...
守るものがあるから
強くなれるの 信じて
出典: Finally/作詞:Emyli・Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles 作曲:Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles
今までも、守るものはありました。実際に守ってきたことでしょう。
しかし彼女の実感として、常に忙しくて側にいられなかったことが多く、守っていたという自信が持てないのかもしれません。
だからこそ今、引退を決意した自分は確実に強くなれるのだと、歌によって宣言しています。
「信じて」は、誰かに向けたもののように感じますが、きっとこれもファンに向けているのでしょう。
「守るものがあるからこそ決断した」そんな自分の姿を見て「守るもの」の尊さ、かけがえの無さを知ってほしい。
そんな思いを感じます。
この世界へ
両手広げて 全て受け止めるから
輝かしい未来へ Finally
Finally, I can stop dreaming...
出典: Finally/作詞:Emyli・Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles 作曲:Matthew Tishler・Felicia Barton・Ben Charles
両手を広げたのは未知の世界ではなく「この世界」です。
引退を宣言すれば、あらゆる場所から様々な声が上がるでしょう。
ファンの涙も、マスコミの余計な詮索も、便乗商売だって耳に届くかもしれません。
自分にとってプラスなことも、今まで見ないふりをしていたマイナスなことも、全て受け止めると誓います。
それらはきっと、安室奈美恵の最後の物語を歩むためのエネルギーとなるのでしょう。
輝く未来は自分の手の中にある、自分の力で変えられるという前向きな意志にあふれています。
冒頭で歌われた英詞で、最後を結びます。
「ついに、夢を見なくて済む」
夢を見るのは良いことですが、夢を見ないことが悪いわけではありません。
高みを目指さないことだって、悪いことではありません。
守るべきものを守り、自分の決断を信じて歩いていくことが正しいのではないでしょうか。
安室奈美恵の引退と結びつけて読み解いた「Finally」。
「信じて前進すること」の正しさを教えてくれた一曲でした。
「安室奈美恵」の軌跡
歌詞解説の後は簡単に「安室奈美恵」をおさらい。
日本のトップシンガー!
安室奈美恵は、10代からずっと芸能界の最前線で売れ続けたきたトップアーティストです。
10代、20代、30代、40代それぞれでミリオンセラーを達成。
これは安室奈美恵しか持っていない偉大な記録です。
一時的にミリオンセラーを出すことがあっても、これを30年近く続けるのは並大抵のことではありません。
安室奈美恵自身の努力とファンの支えが両方あったからこそ達成できたのでしょう。
片方だけでは絶対に到達できない記録です。
幅広い世代に人気なので、老若男女問わずご存知の曲も多いでしょう。
「安室奈美恵」の人気の秘密!?
なぜこんなに人気??