『VOLT-AGE』のヒットにより紅白歌合戦に出場するまでになったSuchmos

バンドとしては今後の成功は約束されたようなものでしょう。

しかしこのタイミングで彼らがリリースしたのが問題作『THE ANYMAL』です。

ここでは通常“ANIMAL”と記述されるスペルの“I”が“Y”に置き換えられています

『THE ANYMAL』という造語が意味するのは「深い葛藤を義務付けられた現代人」です

ほぼ全ての楽曲が今回紹介した『In The Zoo』同様に長尺曲なのはそのことを表現するためでした。

人類は文明の発展により多くの利便性を得る一方で大切なものを失いつつあります。

地球環境の悪化により枯渇する資源と絶えることのない災害。

そんな時代を生きる私たち現代人を動物園の中の動物に例えているのです。

ソウル・R&Bからサイケデリックロックへの移行

Suchmos【In The Zoo】MVを徹底解説!ヴィンテージな雰囲気が最高!暗闇に酔いしれようの画像

さらにSuchmosの持ち味ともいえるソウル・R&B色は大きく後退。

80'sリバイバルが進む中、彼らのサウンドは同時代性の象徴ともいえるものでした。

代わりにSuchmosが目を向けたのが更に時代を遡った70年代のサイケデリック・サウンドです

Greatful Deadのような即興性とVelvet Undergroundのようなアート感覚

彼らはこのような自由な表現を求めて自主レーベルを立ち上げたのかと勘ぐってしまうほどです。

しかしそこはSuchmosの特異性ともいえる点でしょう。

1stアルバムとは別人格のように見えて実は一貫したメッセージが流れていること。

それは『THE ANYMAL』を通して聴けば伝わることかと思います。

最後に

Suchmos【In The Zoo】MVを徹底解説!ヴィンテージな雰囲気が最高!暗闇に酔いしれようの画像

今回はSuchmosがサイケデリアの極致を描いた『In The Zoo』のMVを紹介いたしました

地球からの視点で人類を俯瞰することで現代人の悲哀を描いた『in The Zoo』。

MVではさらに踏み込んだディープな世界観を表現していました。

予期せぬ成功にも動じずあくまで自らのスタンスで音楽と向き合うSuchmos。

今後、どのような変化を見せてくれるのか非常に楽しみです。

関連記事のご案内

Suchmosほど有名にも関わらず一言で魅力を説明できないバンドは珍しいでしょう。

そこで今回紹介した『In The Zoo』に関連した楽曲を2曲紹介させていただきます。

まずはFIFAワールドカップのNHKオフィシャルテーマソングにもなった『VOLT-AGE』。

知名度とは裏腹に意欲的な実験に溢れた本作は間違いなく後の『THE ANYMAL』への布石でした。

そのオフィシャルMVはこちらの記事からご覧いただけます。

6月14日から始まったロシアで開催されるFIFAワールドカップ。2018年のNHKオフィシャルテーマソングにSuchmosの「VOLT-AGE」が決まりました!公開されたばかりのMVの内容と楽曲の歌詞を通じた魅力、収録情報をご紹介します!

1stアルバム『THE BAY』に収録された『GIRL feat.呂布』。

今もっとも注目のヒップホップクルーKANDYTOWNを招集するセンスがずば抜けています。

そして本稿で触れたようにMV監督を務めるのは『In The Zoo』と同じく山田健人氏です。

どのようなMVに仕上がっているのか気になる方は以下の記事をご覧ください。

今一番オシャレなバンドことSuchmos(サチモス)。 そんな彼らの肩の力の抜けたナンバーのご紹介です!

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