曲を考察
F Am B♭ FonC
悲しくて悲しくて
F B♭ Am C
とてもやりきれない
出典: 悲しくてやりきれない/作詞:サトウハチロー 作曲:加藤和彦
このコード進行、メジャーキーから始まっていて進行としては結構明るい雰囲気を出しているんですよね。
読んでもらって分かる通り、歌詞は暗いのですが、曲自体が明るい。
これにより、不思議な違和感と、悲しい中にも前向きさを感じることができます。
それが、リスナーの心に引っかかる1つの要因になっているのではないでしょうか。
歌詞を考察
次に、歌詞を見ていきましょう。
胸にしみる空のかがやき
今日も遠くながめ涙をながす
悲しくて悲しくて
とてもやりきれない
このやるせないモヤモヤを
だれかに告げようか
白い雲は流れ流れて
今日も夢はもつれわびしくゆれる
悲しくて悲しくて
とてもやりきれない
この限りないむなしさの
救いはないだろうか
深い森の みどりにだかれ
今日も風の唄に しみじみ嘆く
悲しくて 悲しくて
とてもやりきれない
このもえたぎる 苦しさは
明日も続くのか
出典: 悲しくてやりきれない/作詞:サトウハチロー 作曲:加藤和彦
言葉少なでシンプルな歌詞になっています。
その分、サビの歌詞がしっかりと届いてくるように構成されています。
また繰り返しているのもサビの歌詞のみになっています。
いつの時代も、生きていたら悲しくてやりきれないことは誰にでもあるのではないでしょうか。
どうしようもない気持ちを抱え、抜け出したい気持ちを吐き出す場所を探しているような歌詞です。
それは、現代で言えば仕事であったり、人間関係であったり、他人や社会と関わるということは自分の気持ちを押し殺すことも必要になります。
そんな現代にもリンクしてくるような普遍的な歌詞であることが心に響く理由ではないでしょうか。
また、映画「この世界の片隅に」が描く戦時中の辛さや苦しみ、明るい未来を夢見て日々を生きていくという内容にもリンクしてくるような気がします。
この映画のオープニング曲に起用されたことも頷けます。
最後に
いかがでしたか?
今回は「悲しくてやりきれない」の曲、そして、歌詞が現代でも心に響く理由について紹介しました。
人間というものは、いつだって明るい未来に向かって歩んでいきたい生き物ではないでしょうか。
今回この楽曲を考察してみて、悲しさ、苦しさ、やるせなさをあえて言葉で表現することで、それらに向き合い、曲調と共に明るい方向へ導いていくのが、この楽曲の魅力なのではないかと気付かされました。
辛い時、苦しい時、ぜひ「悲しくてやりきれない」を聴いてみてください。
きっと心が解され、胸がスッと軽くなるはずです。
映画の世界をもっと知りたい人へおすすめ記事を紹介
映画「この世界の片隅に」を語る上で欠かせない「悲しくてやりきれない」。
この記事では歌詞にスポットをあててその世界観を紐解いてきました。
映画主題歌ということで、この楽曲は映画とも切っても切り離せない存在です。
そこで、最後に映画「この世界の片隅に」の考察記事をご紹介しましょう。
映画では、劇中のあるシーンをクローズアップして解説しています。
そこから浮かび上がってくるのは、作品を通じて語られるメッセージでもありました。
映画を観た後、ぜひこの記事を読んで「この世界の片隅に」の世界に浸ってみてください。
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