コブクロのシングル「君という名の翼」ってどんな曲?

「君という名の翼」はコブクロの通算13枚目のシングルで、前作『桜』以来、約9か月ぶりのリリースとなった楽曲です。

速水もこみちが主役を演じたドラマ「レガッタ~君といた永遠~」の主題歌として書き下ろされました。

ドラマ「レガッタ~君といた永遠~」とは

コブクロのシングル「君という名の翼」小渕健太郎作詞の歌詞を読み解くの画像

タイトルの「レガッタ」は手漕ぎボートで行うボート競技のことで、このドラマは、二人漕ぎの競技のパートナーでもあった親友を事故で失い、一度は挫折した主人公が、困難を乗り越えてオリンピックという夢を追いかける姿を描いた作品です。

そのため、この作品のために書き下ろされた「君という名の翼」もパートナーシップをテーマに作られたそうです。

「君という名の翼」の歌詞解釈

コブクロのシングル「君という名の翼」小渕健太郎作詞の歌詞を読み解くの画像

ドラマの内容に沿った歌詞なので、解釈も内容に沿った形で解釈したいと思います。

また、この曲はドラマの主人公の大沢くんと亡くなってしまった親友の倉田くんの絆を描いた歌詞だと考えているのですが、歌詞の途中で「僕」と「君」が入れ替わるので、混乱してしまう方もいるかもしれません。

そのため、便宜上、大沢くんを主人公、倉田くんを親友という形で呼ばせていただきます。

二人の気持ちに感情移入しながら、曲の解釈を見てみてください。

「君」は「僕」の心の中にいる

しわくちゃの写真には
まぶしかった時間と
寄り添う僕等が痛い程
鮮やかに 焼き付けられていて
はぐれたのはきっとどちらのせいでもなくて
気がつけば君は僕の中に住みはじめた

出典: 君という名の翼/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

ドラマのストーリーのように、亡くなってしまった親友のことが描かれています。

しわくちゃになっても大切にしている写真には「眩しかった時間」と「寄り添う僕等」が「鮮やかに焼き付けられて」います。

ドラマでは好きな人を巡っての競争で主人公は親友を失うことになるのですが、そのことが「はぐれた」という単語に含まれているのでしょう。

しかし、亡くなってしまった親友は、「僕」の心の中に生きているということを歌っているのが「気がつけば君は僕の中に住みはじめた」という歌詞です。

「悲しみの傷さえ包み込んだ約束の光」

勝ち負けだけじゃない何かを
教えてくれたレースがある
一緒に走った 冷たい夏の雨
青いしぶきに重なる残像
水際に浮かべた感情
喜びや悲しみの傷さえ
包み込んだ 約束の光

出典: 君という名の翼/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

勝負の世界の中で、勝ち負け以上の何かを学んでいく。

仲間と絆もそうでしょう。

そして、「悲しみの傷」も、親友との約束が「光」となって包み込み、「僕」にもう一度夢を追いかけさせるのです。

コブクロのシングル「君という名の翼」小渕健太郎作詞の歌詞を読み解くの画像

「君という名の翼で」

あきれる程真っ直ぐに走り抜けた季節を探して
まだ僕は生きてる
間違いだらけのあの日々に落とした涙と答えを
胸いっぱいにかき集めて
もう一度 あの夏空
あの風の向こう側へ
君という名の翼で

出典: 君という名の翼/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎

青春時代を思い返せば、楽しい思い出もたくさんあるけど、後悔も同じくらいあるという人は多いのではないでしょうか。

「僕」は「君」という親友を失ったことに深く傷つきながらも、心の中にいる「君」を支えに、もう一度夢へと羽ばたこうと決意するのでした。

夢へと飛び立つ翼を失った原因は「君」が死んでしまったことでしたが、「君」の意思を継ぐことが新たな夢になり、今度は「君」が「僕」の翼となったのです。

「君という名の翼」というタイトルはここからきているのですね。

「斑の心じゃ君の声にも気付かな」かった過去