切ない2人の関係を映し出すKalafinaのデビューシングル

Kalafina【oblivious】歌詞の意味を徹底解説!タイトルの意味とは?引き裂かれる二人…の画像

obliviousは大人気ユニットKalafinaのデビュー曲です。

Kalafinaといえば劇場版アニメ「空の境界」で結成されたユニット。

当然デビューシングルとなるobliviousも、この作品に使用されています。

「魔法少女まどかマギカ」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、始まりは「空の境界」なのです。

初めての曲ということで、Kalafina独特の世界観がかなり色濃く出ていますね。

曲調は明るくもなければ暗すぎてもいません。

不思議な疾走感と虚無感、そして切なさが表現されています。

Kalafinaの始まりとも言えるこの曲の歌詞は、どんな世界が広がっているのでしょうか?

劇場版アニメ「空の境界」第一章『俯瞰風景』ED曲

Kalafina【oblivious】歌詞の意味を徹底解説!タイトルの意味とは?引き裂かれる二人…の画像

obliviousは劇場版アニメ「空の境界」の第一章『俯瞰風景』のED曲です。

事故による2年以上の昏睡状態の果てに、「死」が見える能力に目覚めた良家出身の美少女・両儀式

そして彼女に好意を寄せる、何の能力も持たない少年・黒桐幹也の物語です。

「空の境界」は全7章と終章で構成されていて、時系列はバラバラ。

『俯瞰風景』は時系列でいうと、7章の内4番目にあたります。

式が昏睡状態から目覚めた3か月後、街では少女の飛び降り自殺が多発するという謎の現象が発生。

自殺した少女は皆、きまって取り壊しが決まった巫条ビルで飛び降りるのです。

式はそのビルの上に浮遊している少女・巫条霧絵を目撃します。

そんな中事件の調査のためビルに近づいた幹也が、突然昏睡状態になってしまうのでした。

式は浮遊している少女が関係していることを察知し、戦いに赴きます。

obliviousはこの第一章に登場する巫条霧絵をテーマにしています。

見下ろした景色の先にある未来

obliviousはある意味「恋」をテーマに描かれています。

しかし、それは幸せなものではありません。

怯えながら怖がりながら、それでも二人でいたいと思う気持ちが綴られています。

飛ぶのが怖い

本当は空を飛べると知っていたから
羽ばたくときが怖くて風を忘れた

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

歌詞は巫条霧絵の能力のことを言っているのでしょうか。

彼女は実体の身体と霊体の身体を持つ二重身体者です。

霊体であれば、浮遊することも可能。

とはいえ単純に浮かぶことと、羽ばたく(=空を飛ぶ)ことは違います。

本当は羽ばたくことができるのは分かっていても、それが怖いと感じているようです。

羽ばたくことで風を起こし、それに乗ることで飛ぶことができます。

しかし風の存在を知らなければ、飛ぶことはできません。

だからわざと忘れたのでしょう。

それほどまでに「羽ばたく」のが怖い様子。

いったい何故、そんなに怖がっているのでしょうか?

「二人」の未来

oblivious
何処へ行くの
遠くに見えるあの蜃気楼
いつか怯えながら
二人の未来を映して

出典: oblivious/作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記

「二人」とはこの歌詞主人公と、主人公が想いを寄せている相手のことでしょう。

いつしか見つけた蜃気楼のように、二人が一緒にいられる未来を夢見ているのかもしれません。

しかし希望とは裏腹に、「絶対一緒になれる」という自信はないようです。

それが「怯える」という言葉から伝わってきます。

少し気弱なのか、それとも自分に先がないことを悟っているのか。

あるいは、相手には自分ではない別の好きな人がいるのかもしれません。

それでも、想いを抱くのは自分自身です。

想いを抱くくらいなら、誰だって許される権利。

叶わぬ恋だと知りながらも、そんな夢を見るのも許されるでしょう。

同じく恋を叶えたいと心のどこかで願い続けるのもまた、自分の勝手なのです。

現実では絶対に訪れることはないとしても、一緒になれる未来を見たいと願っています。

悲しみから光へ

歌詞からして、決して積極的にはなれない恋なのが伝わってきました。

行動に表すこともできず、ひたすら想い続けるしかない恋。

成就する希望もそれだけ薄くなりますから、悲しくなってしまいます。

一緒になれないことを悟りながらも、想いの果てに何を見出すのでしょうか。