書いては消す4文字とは

雨けむる窓に書いた 水玉の手紙は
切実な4文字で 届ける前に消した

出典: いまは僕の目を見て/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介

ここで主人公が綴った文字は「好きです」の4文字でしょう。

たくさんある好意を伝える言葉の中でも、1番ストレートではっきりとした言葉です。

この言葉を聴いて、違った意味に解釈する人は少ないでしょう。

そしてこの言葉を発することも簡単ではなく、勇気と勢いが必要になってきます。

主人公も手紙という方法に自分の想いを託してみようかなと考えました。

しかしそこにいざ自分で言葉を綴ってみると恥ずかしさや不安が芽生え、勇気を消し去ってしまったのです。

この部分は恋に焦がれた人なら誰もが共感できる部分ではないでしょうか。

恋に悶え、感情を揺さぶられる。しかしそれも相手のことが好きだからこその感情なのです。

相手に嫌な想いをさせたくない、迷惑をかけたくない。

主人公の行動も相手を思いやるからこその優しい迷いだったのだと歌詞から読み解くことができました。

言葉は繊細だからこそ慎重に

「正しく」よりも「間違わずに」 伝えることに慎重になる
手応えばかり求めて 言葉を重ね続ける

出典: いまは僕の目を見て/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介

言葉で想いを伝えようとすると、思ってもいないことを発してしまうこともあります。

喋っている時の流れや雰囲気などのシチュエーションに惑わされ、つい口を滑らしてしまうこともあるのです。

それを主人公は恐れているのでしょう。

今までにもそのような経験があったのです。

何かを伝えようとした時に焦ってしまい、しどろもどろになってしまう。

ボロが出ないように、今までも慎重に話すように意識してきたのでしょう。

しかし想いを伝える時に目の前にいるのは、自分が憧れ続けた特別な人。

その目の前で冷静に慎重に話せる自信なんてないのです。

恋の醍醐味は心が読めないからこそ

心と心つなぐ ケーブルがあるなら
この悩みはなくなって ただ、歓びも失せてく

出典: いまは僕の目を見て/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介

しかしもし人の想いが何もしなくても伝わってしまう世の中だったらどうでしょうか。

主人公が抱えていたような迷いや葛藤はなくなり、誰もが人の想いを手に取るように分かってしまうでしょう。

ですがそれでは恋をすることの楽しさや素晴らしさは無くなってしまうのだと歌っています。

誰かを好きになって、相手がどう思っているのか分からないからこそそれを伝えるか悩むのです。

相手の真意が見えないからこそ、恋の駆け引きも始まり、恋の炎はより盛り上がっていくのだといっています。

つまり心の中が他人にもバレてしまうと恋の醍醐味が無くなってしまうのです。

この歌詞からは、人の心は分からないからこそ面白く、素晴らしいのだと感じ取ることができました。

想いを真っ直ぐ伝えるために

これまで生きてきたこと 僕を形作ってきたことも
わからなくたっていいから いまは僕の目を見て

出典: いまは僕の目を見て/作詞:小出祐介 作曲:小出祐介

主人公が相手に想いを伝える手段として選んだのは「目を見てもらうこと」でした。

言葉では違うように伝わってしまう可能性が捨てきれないからです。

主人公は自分の素直な気持ちを真っ直ぐに相手に届けたいと願っています。

そこには一切の淀みも含みも無いような透き通った想いとして届けたいのです。

それは相手のことを本当に好きだからでしょう。

本当に好きだからこそ、相手には変に受け取って欲しくないのです。

想いを伝える時には、主人公の今までの過去のことを取り繕う意味なんかありません。

言葉ではなんとか良く見せようと偽ったことを言ってしまうかもしれないという想いがあるのです。

この歌詞からは、主人公の綺麗で純粋な心と真っ直ぐ芯の通った信念があるのだと感じ取ることができました。

【いまは僕の目を見て】歌詞の意味解釈〜まとめ〜

言葉の怖さと想いを届ける難しさ

Base Ball Bear【いまは僕の目を見て】歌詞の意味を解釈!4文字って何?慎重に話す理由とはの画像

この楽曲は恋している主人公が想いの伝え方に悩んでいる心情を綴った1曲でした。

歌詞の意味を読み解いていくとみえてきたのは、言葉で想いを伝えることの難しさです。

言葉がいかに繊細で扱いづらいのかを感じ取ることができました。

言葉選びを間違うと自分の想いが違った風に捉えられてしまうことも多いのです。

主人公はそれが怖くてなかなか踏み出すことができませんでした。

言葉には使い方によっては人を簡単に傷つけてしまうことも可能なのだと感じ取ることができたのです。

この歌詞からは、言葉に宿る力が大きいからこそ使い方を気をつけて欲しいという願い。

そして言葉ではなく、目だけでも想いを伝えるのには十分な力があるのだと気づくことができるのです。 

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