不安や葛藤を乗り越えて
じわじわと心に染みわたる
今回ご紹介する楽曲は、Little Glee Monsterの『REUNION』です。
休養中であったメンバーの芹奈さんの復帰作で、複雑なメロデイー・ハーモニーが印象的。
「休養前とは異次元の歌声、表現力を感じる」という声も多いです。
また、”再会”という意味を持つ、楽曲のタイトルも素敵です。
作詞・作曲はシンガーソングライターの高井息吹さん、編曲は君島大空さんが担当されています。
これまでの彼女たちの楽曲とはまた異なる雰囲気で、よりエモーショナルで繊細に。
そして芯のある力強さを感じます。
常に新しい可能性に挑戦していく、メンバーたちの姿勢にも勇気をもらえます。
映画のようなMVにも注目!
MVでは芹奈さんの涙や切ない表情、手を取り合って進んで行こうとする姿が描かれています。
撮影にあたっては、彼女のアイデアも取り入れられていたそうです。
涙を流しながら必死にこらえているようなシーン・表現力には、訴えかけるものがありました。
そして、彼女を見守るようにたたずむ、かれんさん、MAYUさん、manakaさん、アサヒさん。
最後には芹奈さんの笑顔も見られ、涙を誘います。
また、撮影地となった廃工場の雰囲気が、楽曲の魅力を一層引き立てているように感じます。
崩れかけの無機質な建物と、グレートーンのどこか寂しい空気感。
巨大な建造物と彼女たちとの対比・映像美は圧巻で、まるで1つの映画を見ているかのようです。
止まった時の中、仲間とともに力強く前に進む、そんな意味が込められているのかもしれません。
”生きていく”ということ
時間とともに
止まらない時間に逆らって
生きていくことはできないね
出典: REUNION/作詞:高井息吹 作曲:高井息吹
吸い込まれるような、5人の美しいハーモニーから繋がっていく、歌い出しのパートです。
MVでは、大きな建物の前に、ひとりポツンとたたずむ芹奈さんの姿も印象的です。
大きく流れる時間の中で、その流れに沿うように今を生きている私たち。
ゆっくりと大きい時間の波に抗おうとしても、歩みを進めることはできません。
むしろ、逆らおうとすればするほどエネルギーを消耗し、壁が大きく立ちふさがるのです。
未来への不安を抱えながらも、悲しみや喜びを受け入れて、前に進もうとしているのでしょう。
崩れかけた廃工場を前にして、時の流れの儚さに対する、無常観も読み取れます。
時に過去を振り返る
遠く残るあの日の声がまだ
「見つけて」とぼくに呼びかけてる
出典: REUNION/作詞:高井息吹 作曲:高井息吹
過去を振り返った時に、ふと思い起こされる、今の自分への願いや希望。
その想いを現実にできず、あの時こうしていれば…そんな後悔も抱いているのでしょう。
強く願っているのに、実現できないもどかしさや葛藤が、自分を追い詰めてしまいます。
逆らうことのできない時間の中で、幸せや希望を必死に手繰り寄せようとしているのです。
1人迷路の中に迷い込んで、出口が見つからず、暗い道をさまよっているかのようです。
遠回りしたっていい
正解なんて君ひとりで導き出せなくていい
遠回りして 見た景色を交換しようよ
出典: REUNION/作詞:高井息吹 作曲:高井息吹
このパートでは、”遠回りしなくていい”という温かな想いが感じられます。
一生懸命頑張ろうとすればするほど、自分を追い詰めて、苦しくなってしまうもの。
その不安を1人で抱えていたとしても、周囲が気付けないこともあります。
辛い時は、辛い、楽しい時は楽しい、そんな素直な気持ちを、気にせず共有してほしい。
完璧にやろう、1人で頑張ろうと思いつめなくても良いんだよ、ということでしょう。
辛いことも悲しいことも、周囲の信頼できる人に相談してみれば、解決するかもしれません。
時間の流れに身を任せて、力を抜いて、自分のペースで前に進んで行けば良いのです。
1人辛さや悲しみを抱えていたであろう、芹奈さんへのメッセ―ジにも感じられます。