Mr.Children「ひびき」とは
誰もが知る国民的ロックバンドであるMr.Childrenの隠れた名曲、「ひびき」。
Bサイド曲にはまだ手を出せていないという皆さんにこそ、是非とも聴いてみて頂きたい一曲です。
「ひびき」は、2006年11月15日にMr.Childrenの29枚目のシングル「しるし」のBサイドシングルとしてリリースされました。
2007年5月10日に発売された「B-SIDE」というミスチルのカップリングアルバム集にも収録されています。
思わずスキップしてしまいそうな軽快なイントロから始まるこの曲の魅力は、その明るさだけにとどまりません。
「ひびき」の歌詞を掘り下げてみる
愚直なほどストレートな歌詞
分かりにくい隠喩などは抑え目に、曲全体を通して明確な言葉選びを中心に構成されている「ひびき」。
その愚直なほどのストレートさこそが、この曲の大きな魅力だと言えるかもしれません。
そんな「ひびき」の歌詞の語るところについて、まずは掘り下げてみたいと思います。
君の声が気づかせてくれた等身大の幸せ
見つからなかった探し物はポケットに入ってました。と
幸せなんかおそらくそんな感じでしょ!?って
君の声は教えてくれる
出典: ひびき/ 作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
まず最初のサビ部分の歌詞がこちら。
このワンフレーズに、桜井和寿がこの曲で歌いたかったテーマのエッセンスがギュッと詰まっています。
決して気負わせる事なく、幸せについての重大な気づきをサラッと与えてしまうところがニクイ。(笑)
国民的バンドであるMr.Childrenの懐の深さを感じますね。
噛みしめることさえなかった平凡な日常という幸福
去年の誕生日 クラッカーを鳴らして
破裂する喜びに酔いしれていたけど
外を歩いたら銃声が聞こえる
あの場所じゃ その音は 悲しげに響くだろうな
出典: ひびき/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
お祝いのクラッカーの音は何処かの国では誰かを殺す為の銃声の音だと桜井和寿は歌います。
わたし達が普段ついつい見過ごしてしまいがちな今此処にある幸福の価値ーー。
彼がサラッと口にする銃声というワードにひやりとさせられてわたし達はやっと気づきます。
この日常がとてつもない紙一重のバランスで保たれているということに。
目を伏せたくなる現実、それでも君と響き合って生きていくという選択
君が好きで 君が好きで 涙がこぼれるんだよ
血生臭いニュース ひとまず引き出しにしまって
風のように 川のように 君と歩いていく
時に嵐に たまに流れに 飲み込まれそうになるけど
出典: ひびき/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
わたし達の日常は決して幸福に思える事ばかりではありません。
誰かにうんざりしてしまう事や、心を擦り減らしてしまうような残酷な出来事も現実には沢山起こります。
自分に見えているこの世界を全肯定しようとするには、あまりにもわたし達は大人になり過ぎているのかもしれません。
それでもわたし達に求められるのは、それを取り上げてひたすらに嘆き続ける事ではありません。
わたし達に出来るのは、物事の暗い側面を「ひとまず引き出しにしまう」こと。
単に目を反らし続けろというのではなく、それでも前を向いて生きていくことを選択すること。
躓いたり落ち込んだりすることがどれだけあったとしても、あなたの人生は決してそれだけではないはずです。
愛する人と流れるように生きているうちに、いつの日か気づけば乗り越えられていることもあるかもしれません。
そんなポジティブなメッセージがこの曲には込められています。