yonige『ここじゃない場所』はアルバム『健全な社会』に収録
yonigeの『ここじゃない場所』は2020年5月に発売されたyonigeのアルバム『健全な社会』に収録されています。
『健全な社会』は、全10曲のアルバムです。
収録曲の中には、後藤正文さんや福岡晃子さん(チャットモンチー済)がプロデュースした曲も含まれています。
メジャーデビュー作品となったフルアルバム『girls like girls』とは雰囲気の異なる作品が多く収録されました。
『健全な社会』に収録されている曲全体が、yonigeの新たな魅力が詰まったアルバムともいえます。
特に気になるのが3曲目に収録されている『ここじゃない場所』です。
ここじゃない場所とはどこなのか、鮮明に焼き付いた記憶に迫ります。
歌詞の中には『ここじゃない場所』が出てこない
深い意味がありそうなタイトルですが、歌詞の中に「ここじゃない場所」というフレーズはありません。
フレーズがないばかりか「ここじゃない場所」がどこなのか明確に示されていないのです。
そのため「ここじゃない場所ってどこのことをいっているの?」と気になってしまいます。
牛丸ありささんにとっての「ここじゃない場所」がどこなのか、歌詞にいくつかのヒントが隠されていました。
『ここじゃない場所』が表す場所は故郷の寝屋川?
わたしはもう一度ここへ戻ってこれる いやでも覚えてる、におい、温度、空気
出典: ここじゃない場所/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ
曲の冒頭、上記の歌詞から牛丸ありさとごっきんの出身地である大阪府寝屋川がイメージされます。
yonigeのお2人は現在は東京で活躍中ですが、故郷に思いをはせることもあるのではないでしょうか。
そして「ここじゃない場所(つまり寝屋川)で生きる」という気持ちが表現されているのかもしれません。
青春時代を過ごしていた場所のにおいや温度、空気はよくも悪くも身体や心に刻まれています。
しかし、普段は忘れていてもふとした瞬間に思い出すことがあるのではないでしょうか。
そんな自分たちの故郷を「ここじゃない場所」と表現している可能性があります。
そして「ここじゃない場所から新しい未来へ歩いて行く」そんな思いが歌詞から感じ取れました。
とはいえ「ここじゃない場所」に続く言葉によって捉え方が異なる可能性もあります。
例えば「ここじゃない場所に戻りたい」「ここじゃない場所を思い出す」という言葉が続くとしましょう。
すると「ここじゃない場所」は今いる場所つまり東京になるのかもしれません。
もう少し他の歌詞を見てみると、他にもここじゃない場所のヒントは他にもちりばめられていました。
『ここじゃない場所』からわかる鮮明に焼き付いた記憶
牛丸ありさの記憶に焼き付いたものからも「ここじゃない場所」がどこなのかを考えられます。
動き出す電車、香る排気ガス
明けの明星や 動き出す電車 香る排気ガス
出典: ここじゃない場所/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ
この歌詞からは、始発電車が動き出し、トラックや車の交通量が増える1日の始まりが連想されます。
朝まで友人と語りあかしたり、バンド活動をしたりしていた帰りに見た景色でしょうか。
忙しい毎日を過ごしていると、楽しかった記憶はつい忘れがちです。
しかし、記憶のどこかには鮮明に焼き付いていて、ふとした時に蘇ります。
ここじゃない場所というのは、やはり牛丸ありささんにとっての故郷なのかもしれません。
ずっと忘れていた人たち
ずっと忘れてた人たちを 思い出しては忘れる
出典: ここじゃない場所/作詞:牛丸ありさ 作曲:牛丸ありさ