私的「神聖かまってちゃん」のトップ10
どのアーティストでも、ベスト10を選んだところで個人的な好みになってしまいます。
だから「これが俺のベスト10。異論は認める」と前置きしておきましょう。
神聖かまってちゃんはネット配信とライブを重要なコミュニケーションの手段にしています。
ネットで公開されたリーダー「の子」のデモ音源が、アルバムではバンドとしてどのような形で完成するか。
新曲はCDでリリースという従来のスタイルを覆す斬新さが面白いところです。
さらにライブの度に同じ曲がアレンジを変えて別の表情を見せてくれます。
そうした曲のバリエーションも含めて10曲を選びました。
第10位「8月の駅」
夏の光が溢れるポップ・ナンバー
7月4日にリリースされたばかりのニューアルバム「ツン×デレ」の収録曲。
「夏.インストール」あたりから曲調に変化が見え始めていました。
これもその流れをくんでおり軽快でポップなナンバーです。
そうした変化を、の子は歳を取るのは失われていく過程と言っています。
失われていく代わりに得るものもあり、神聖かまってちゃんがどう変わっていくか期待させる曲です。
だんだんと暑くなる 路地裏の通う道さ
バイト終わりの朝 ありがたみのない日差し
8月の駅まで 歩いてみたんだ
彷徨いながら フラフラになってくんだ
かっけえビートに乗っかって転んでく
Baby 人生はさぁ
ほんといけないよな
ふと隣駅に運ばれてしまいそうさ
Baby 僕も株で300万溶かした
果てまで行こうか
出典: 8月の駅/作詞:の子 作曲:の子
この歌詞からは昔のような尖った印象は影を潜めています。
そして、アルバムのリリースに先行して公開された公式MVは、初めての子が監督を務めています。
全編にわたって光が溢れ、メンバーのキャラが良く分かる後半のシーンも楽しめます。
特にmonoくんが最高。
第9位「夕暮れメモライザ」
夕暮れに救いを求める
「諦めない」やな言葉だ 少し寂しいからやってみるよここからさ
動いてもだ まともなスタートラインが見つからないんだ
生きることはなんか苦しいからエロビデオ見せてくれ
夕暮れの空が綺麗だ 諦めないよ
僕はきっと もっと寂しい自分が何してもいるよ
川辺のねこ にゃーっと寝っころがった
「諦めてもいいんだよ」
少し優しいんだよこの時間が僕には
夕暮れメモライザ
出典: 夕暮れメモライザ/作詞:の子 作曲:の子
ひたすら絶望感を吐き出すのではなく、諦めてもいいという救いが歌われています。
ドライブ感のあるカッコいい曲なので、ライブではとても盛り上がります。
第8位「コンクリートの向こう側へ」
アンビエントなロック・ナンバー
2012年に発売された5枚目のアルバム「楽しいね」で一番好きな曲。
短い歌詞には不安な気持ちが描かれていますが、曲を聴きながら遠くに見える光のイメージが浮かんできます。