夢へとひたすら向かっていた主人公は、きっと「足を止める」ことをせずに頑張っていたのでしょう。
立ち止まることは無駄ではありません。
しゃがんで、立っていた時とは違う視点で物事を見る。
そうすることで前は見えなかったものが見え、新たな気づきが得られるのです。
「理想」から離れる
まあまあまあ どうぞ御一服
出典: あ。っという間はあるさ/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル
夢に向かって努力すること。それは理想の姿に見えるかもしれません。
夢に向かって走る人を応援する。そんな歌も数多くあります。
ですが、この歌ではあえてしゃがんで立ち止まってみようと言っています。
人はずっと走り続けることはできません。マラソンに給水所があるように、努力にも水分補給が必要です。
「まーまー、ゆっくり休んで、それからまた頑張ろうぜ」
竹原ピストルのそんな声が聞こえてくるようです。
頑張りにはご褒美を
実りある風景
金色に降り注ぐ陽の光
みなぎった田畑に跳ね踊る
出典: あ。っという間はあるさ/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル
続いて見えるのは黄金に輝く稲穂が太陽の下で風に揺られている。そんな風景です。
ここで描かれる景色は主人公の「夢」でしたね。
努力は着実に実を結び、大きな収穫を迎えようとしているのです。
時には自分にご褒美をあげる
干からびるまで 歩いたら
今日は 初っ端から日本酒だ
無論 縮み上がるほど とびきり冷たいやつ
出典: あ。っという間はあるさ/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル
夢を叶える、それは並大抵の努力ではできません。
くたくたになるまでその道のりを進んで来たからこそ、豊かな未来を手にすることができるのです。
それはとても誇らしく、素晴らしいこと。努力の結果にほかなりません。
そんなふうに頑張った後は、自分を褒めて良いのです。
とりあえずビール。そんなことを言わずに、最初からキンキンに冷えた日本酒をぐいっといってしまいましょう!
疲れた身体に染み渡る贅沢の味。なんて幸せなことでしょうか。
お酒でなくても、何でも良いのです。
普段は食べられないスイーツでも、欲しかった物を買っても、旅行に行って思い切り羽を伸ばしてもいいでしょう。
たとえ何かをやりきれていなくても、努力の途中でも良いのです。
それは確実に、未来の実りに繋がっています。
「頑張った自分にちゃんとご褒美をあげる。それでいいんだ、そうしよう」
そんな思いがここにはあります。
ありえないこともありえる
黙り込んだ歌の意味
黙り込んでこそ響く歌
そんなのあるわけないけど あるかもよ
まあまあまあ どうぞ御一服
出典: あ。っという間はあるさ/作詞:竹原ピストル 作曲:竹原ピストル
声を出さずに歌う歌。そんなものあるはずがないと、普通であれば思います。
ですが、あるかもしれない。とこの歌は言います。
そこに込められているのは、常識に捕らわれる必要はないという思い。
実際、一切の演奏をしないオーケストラの楽曲が世の中に存在しています。
観客が楽しむのは無音の中にある静寂や、隣人の呼吸といった微かな音。
そんなふうに、一見ありえないと思うようなことでも芸術足り得るのです。
あるはずがない。
そう思ってしまいがちなことでも、それによって何かを人に感じさせることは不可能ではないのです。