2015年2月25日発表、電気グルーヴの通算18作目のシングル

ベスト盤「DECADE 2008-17」再録。

NEU!やLa Neu!などで活躍した故・クラウス・ディンガーが創る音楽のように柔軟で美しい楽曲

ポップなエレクトロニクス・サウンドと強烈なビートのコントラストが見事です。

作詞は石野卓球とピエール瀧で作曲は石野卓球。

ピエール瀧が逮捕されたときによく見かけたのが不思議な擁護。

ピエール瀧は電気グルーヴで何もしていない

そんな擁護にならない擁護でしたがピエール瀧も作詞で充分に貢献しています。

石野卓球が煮詰まったときは公園のブランコに誘いアイディアを伝えるとか

仲良きことは美しきこと。

歌詞を見ていきましょう。

めまいがもたらす恍惚

さんざんFall in Love
目眩に身を任せ折衷案
妄想気分に添ってFallin' Down

タテもヨコも無い 上下すらない
目に映るままにただ戸惑い
タテもヨコも無い 上下すらない
メビウスの罠にただ従い

出典: Fallin’ Down/作詞:Takkyu Ishino Pierr Taki 作曲:Takkyu Ishino

めまいの感覚に体を委ねるというのは享楽的なテクノやロックではよく使われるモチーフ。

自律性・自立性を捨ててみてめまいの感覚に酔いしれることを歌います

電気グルーヴのアティチュードにはやはりどこか倫理的な罪や毒への侵犯があるのです

危険な遊び。

それでもそのことを歌ったからといって作品が回収される謂われはまったくありません。

芸術作品は逮捕・監禁できないものです

閉塞した日常から抜け出すちょっとした小旅行まで禁じられる社会は不幸だと想います。

第4位 「トロピカル・ラブ」

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2017年3月1日発表、電気グルーヴのメジャー通算13作目のアルバム「TROPICAL LOVE」収録。

アルバム「TROPICAL LOVE」表題作だけあって南国ムードがある不思議なテクノ

リゾートに出かけたようなリラックス感を感じられます。

様々な音色の明るさに救われる。

砂原良徳時代もいいですがふたりになってからの電気グルーヴにも聴くべき曲がいっぱいあります

この曲「トロピカル・ラブ」はその筆頭ではないでしょうか?

歌詞を見ていきましょう。

電気グルーヴの進化を見る

GOサイン NOサイン
曖昧なサイン
始まりの気配?
トロピカル・ラヴ

午前0時…過ぎから
のネオンサイン
始まりは些細な
トロピカル・ラヴ

出典: トロピカル・ラブ/作詞:Takkyu Ishino 作曲:Takkyu Ishino

またまた夜遊びの歌なのかなくらいしか分かりかねる抽象的な歌詞です。

暗示の中に真実があるのでしょうけれどその真相を明らかにされてしまうと醒めてしまいそうな恋

近年の電気グルーヴの歌詞の傾向は大体このような感じ。

歌詞で何か伝えることよりもサウンドに酔って欲しいという想いが透けます。

電気グルーヴは進化するユニットなのだと教えられた気分です

第3位 「N.O.」

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1993年12月1日発表、電気グルーヴのメジャー通算4作目のアルバム「VITAMIN」収録。

1994年2月2日アルバムよりシングルとしてリカットされます。

アルバム「VITAMIN」は前作「KARATEKA」よりも遥かに進化したサウンドが聴ける作品です。

この曲のタイトル「N.O.」は彼らが敬愛するイギリス・マンチェスターのバンド「New Order」から

ピエール瀧が初めて石野卓球の家に遊びに行ったときに石野卓球はピエール瀧にこういいました。

お前、こういうの好きだろ?

それがNew Orderの「ブルー・マンデー」です

ピエール瀧は「この世の中にこんなかっこいい曲があるのか」と思ったそう。

以来、ピエール瀧にとっても「New Order」は特別なバンドになりました。

ファンには有名なエピソードです。

「ブルー・マンデー」は「New Order」の前身バンド「Joy Division」の故・イアン・カーティスを歌ったもの

世界中で愛されている楽曲です。

なお「N.O.」の打ち込みは砂原良徳。

歌詞を見ていきましょう。

ないない尽くしが歌詞の芯

話すコトバはとってもポジティヴ
思う脳ミソ ホントはネガティヴ
バカなヤングはとってもアクティヴ
それを横目で舌ウチひとつ La la la la ah

学校ないし 家庭もないし
ヒマじゃないし カーテンもないし
花を入れる花ビンもないし
嫌じゃないし カッコつかないし

出典: N.O./作詞:石野卓球 作曲:石野卓球

「New Order」の頭文字を取ると「NO」になる。

その「NO」にまつまる「ないない尽くし」が歌詞の基本です

この曲の歌謡曲としてのポップさはアルバム「VITAMIN」の中では若干異質。

それでも今に至るまでこの曲のイメージを電気グルーヴに投影する旧くからの音楽ファンも多いはず。

「ないない尽くし」の日々にあった青春期の鬱憤がこの曲の芯になっています

こうした電気グルーヴのアティチュードにシンパシーを抱いた人たちがたくさんいたはず。

諧謔的なのに救われる一曲になっています。

2019年、ラジオ各局が電気グルーヴの曲を放送することを自粛しました。

そんな中で山下達郎は応援の意味を込めてこの「N.O.」を自身のラジオ番組でオンエアしました

電気グルーヴの代名詞的作品です。

第2位 「Shangri-La」

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1997年3月21日発表、電気グルーヴの通算8作目のシングル

1997年5月14日発表、電気グルーヴのメジャー通算7作目のアルバム「A」に再録。

2019年1月23日発表、電気グルーヴのメジャー通算14作目のアルバム「30」にリメイク収録。

電気グルーヴの最大のヒット曲「Shangri-La」

当時はMVなども話題になりました。

カラオケなどでも歌われるようになって電気グルーヴの活動領域は一気に広がります

この曲以降「Shangri-La」という同名異曲がたくさん量産されました。

元々は砂原良徳のアイディアによります。

ベブ・シルヴェッティの「Spring Rain」をサンプリングして1曲創ると息巻きますが制作は難航

それでも完成した楽曲が大ヒットになるので本人たちも報われたはずです。

作詞:電気グルーヴ 作曲:Silvetti 電気グルーヴ

歌詞を見ていきましょう。

歌詞カードを見ないでも歌える大ヒット曲