「アロエ」
15thアルバム『葡萄』に収録
「アロエ」は、2015年にリリースされた15thアルバム『葡萄』に収録されています。
『葡萄』は、前作のアルバム『キラーストリート』から、なんと約10年振りのオリジナルアルバムとなりました。
長い間待ち続けたファンは、狂喜乱舞したことでしょう。
その喜びは、驚きのチャート結果にも表れました。
CDが売れないといわれるこの時代において、初週で30万枚を売り上げ、当然オリコン週間アルバムチャートは1位を記録。
翌週以降も順調に売り上げを維持し、6週連続で3位までにチャートイン。
月間チャートでも1位を獲得し、さらにはリリース翌月の月間チャートにおいても2位を記録しました。
また、この『葡萄』のオリコン週間アルバムチャート初登場1位の獲得によって、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の4つの年代で初登場1位を記録したことになりました。
これはグループとしてはオリコン史上初。
通常盤とアナログ盤、特典内容が異なる完全生産限定盤が2種類リリースされましたが、完全生産限定盤はあまりの人気ぶりに予約が殺到し、発売前から入手が困難になる、といった現象も起きました。
それだけ、長いことファンは新作を待ちわびていたということなのでしょう。
長い間親しまれてきた、まさに国民的バンドといっても差し支えない存在のサザンオールスターズ。
人生の各シーンがサザンオールスターズの曲に彩られている、そういったファンも多くいるのではないでしょうか。
アルバムのトップを飾るディスコチューン
「アロエ」は、『葡萄』のトップを飾る曲。
底抜けに明るいディスコ調ナンバーで、比較的平和や社会問題などシリアスな曲が多い『葡萄』の中で、こういった曲があってもいいだろうという桑田佳祐の持論から制作されたそうです。
初期のサザンオールスターズのような、よく意味の分からない歌詞の、でもとにかくノれるパーティーソング系ではありますが、この「アロエ」は歌詞がきちんと意味を持っています。
もちろん、一部には謎な部分もありますが、それがサザンオールスターズの魅力でもあります。
この曲の存在によってアルバム全体のバランスが取れ、それまでのサザンオールスターズの空気感も感じさせながら、新たに平和や反戦などをこのバンドらしく表現することに成功しているのではないでしょうか。
WOWOW×サザンオールスターズ
この「アロエ」は、WOWOW 2015のCMソングとして起用されました。
メンバー全員が出演しているCMは、なかなかに突っ込みどころが満載。
”勝負”の文字がたくさん飛び交い、メンバーたちは大まじめな顔でポーズを決めています。
どこが、といわれたらはっきりと答えられないのですが、なんかクスッと笑える、そんなCMでした。
ちなみにサザンオールスターズとWOWOWは、2000年にも「HOTEL PACIFIC」、「この青い空、みどり 〜BLUE IN GREEN〜」でタッグを組んでいます。
15年ぶりということになりますね。
シュールでカオスなPV
この曲のPVは、なかなかシュール。
なぜかメンバーの”毛ガニ”こと、パーカッション担当の野沢秀行が僧侶の格好をして木魚を叩くという、謎な演出が。
そしてメンバー全員と大勢のエキストラが踊ったり、桑田佳祐がライダースーツに金髪でバイクに乗って歌ったりなど、全体的にもカオスです。
ですがこの突き抜けっぷりはサザンオールスターズならでは。
その世界を、ごゆっくりとお楽しみください。
「アロエ」の歌詞
友人を励ます応援歌!
だから勝負、勝負、勝負出ろ!!
勝負に行こう!!
カラダ勝負、勝負、勝負出ろ!!
止まない雨はないさ
だから勝負、勝負、勝負出ろ!!
陽気に行こう!!
あ、ちょいと勝負、勝負、勝負出ろ!!
明けない夜はないさ
乗り越えなさい 幸あれ
出典: アロエ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
勝負に出ること、それってとても大事なことです。
何かを掴む為には、勝負に出なければなりません。
負けるリスクばかりを考えて勝負をかけなかったら、現状維持のまま。
いや、もしかしたら現状維持さえも厳しいかもしれません。
例え負けてしまって、落ち込んでも。
何かを失ってしまったとしても。
いつか雨は止むように、夜は必ず明けるように、どん底から這い上がれる時はきっと来る。
だから、勝負に出ろ!と、ちょっと怖気づいてしまった仲間の背中を押します。
悲しい事は 言葉に換え
星を見上げて そっと歌うといいよ
キミが生まれて 出逢えた事
その事だけで みんな幸せなんだ
もし夢が叶うなら
この愛を受け止めて
だから勝負、勝負、勝負出ろ!!
勝負に行こう!!
カラダ勝負、勝負、勝負出ろ!!
止まない雨はないさ
当たり前じゃない アロエ
出典: アロエ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
悲しいことは、心に閉じ込めないで声に出してしまおう。
そうすることで、心が晴れることもあります。
さらに音楽は、そんな時の為にそばにあるのだから、曲に乗せて歌ってしまえば、少しは慰められるかもしれません。
”キミ”がいてくれるだけで、それでいい。
生まれてきて出逢えたこと、それだけでも素晴らしいことなんだから、多少”キミ”が失敗したり、間違えたって大丈夫。
そういった愛のもとに、みんな生きているのです。
だから、思い切って、勝負をかけよう!何も心配しなくていいから。