アダムとイブの楽園から
昔々、サタンの策略によりアダムとイブは楽園を追放されます。
作物がたわわに実り外界から遮断され囲われた生温かい楽園を後にアダムとイブは荒野を目指しました。
楽園への未練を残し泣きながら何度も楽園を振り返ったともいわれています。
ですがこの楽園はいずれ捨てなくてはならない場所だったのです。
アダムとイブは自由を得るため、そして新しい楽園を探すために楽園を後にします。
楽園から庭ヘ
辿り着いた大自然の荒れ地を耕すことは過酷です。
庭師となってそこに新たな庭を作ることは命を作ることに他なりません。
母なる大地を安住の地とし、そこを実り豊かに耕すことは巧みな庭師の仕事です。
神話の中の楽園は四方を塀で囲まれた小さな楽園であり常春の安全な場所であったはずでした。
楽園を失うことを恐れ続けたアダムとイブが荒野で生き残る方法は…。
「庭師KING」ライブ
歌詞考察
生命の息吹
一振りは雨の起源に響かせて
二振りで海の怒りを学ぶ
三度の恵みでこの世に間借りして
四方を魔法の支援で囲む
出典: 庭師KING/作詞:平沢進 作曲:平沢進
大地を潤す「雨」は大自然の中の命を芽吹かせます。
すべての第一歩は雨を降らすことから始まるのです。
人は不安と共に泣きながら外の世界に生まれてきます。
羊水に浮かぶ生温かく一番安全な場所から一気に押し流されながら生まれて来るのです。
ですが生まれた外の世界にはもっと辛い大自然の荒波が待ち受けています。
そして次の一歩でその自然の脅威を知り、その次の一歩で自分が生かされていることを知るのです。
そしてこの世が借りの世界だと知るとき慎ましやかに生きることについて考えます。
そうすることでこの大自然の持つ不思議な力に支えられ助けられていることに気付くのです。
誕生の神秘
一夜の徹夜でこの世の星を知り
二度目の夜明けで陽の歌を聴く
三界の野原ですべての父となり
四本の柱で空を支える
出典: 庭師KING/作詞:平沢進 作曲:平沢進
数億の「星」から選ばれたたったひとつの「星」のためにできることがあります。
それはその「星」が生まれるための使命を授かることです。
次に託された命が祝福の光の中でこの世に産み落とされます。
万物の流転するこの世界は業(ごう)の深い世界です。
元来仏教は殺生を嫌いますし命を平等に見ようとします。
三つ目にそれを許し生きることも父としてのさだめであると知るのです。
また三という数字は宇宙を三つの世界に分けた時の思いとも通じるかもしれません。
このことは後ほどまとめの方で説明したいと思います。
四つ目に大切なことは隠れ家を支えるための四つの力を選ぶことでした。
また命を守り「庭師」となって育てることは父としての役割なのです。