はじめに
男女ヴォーカルの織りなすコーラスと、美しい旋律とが印象的なSaucy Dog。
今作にも、その真骨頂というべき楽曲が揃っています。
本記事ではその中から、儚く美しいラブソング「コンタクトケース」をご紹介します。
代表曲「いつか」を超える名曲
Saucy Dogの代表曲といえば、「いつか」を思い浮かべる方が多いでしょう。
そして、その想いが色濃く現れたのが「コンタクトケース」だといいます。
切なくも美しいこのメロディと、悲しくも良質な物語を紡ぐ歌詞。
この曲はきっとこれから、彼らの新しい代表曲として愛されていくのではないでしょうか。
YouTubeでMVをチェック
白を基調とした色合いの中、水の中でたゆたうような手法で撮影された今作は、手の届かない存在となってしまった「君」を美しく描いたMVです。
歌詞とその解釈をチェック
「君」がいなくなった部屋
空のコンタクトケースが
今も洗面所でポツリ
君の帰りを待ってるよう
お前も置いていかれたのか
出典: コンタクトケース/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
この曲は、別れた彼女が「僕」の部屋に置いていったコンタクトケースから物語が始まります。
洗面所にポツンと置かれたコンタクトケースと、それを見て共感するかのごとく呟く「僕」。
お前も、という言葉から分かるように、この2人の関係にピリオドを打ったのは「君」の方。
淡々と歌う声音からも分かるように、「僕」はまだまだ、彼女への思いを断ち切れていないようです。
どこで間違ってしまった？
思い当たる節は山ほど
君と出会ったあの日までを
遡って苦しくなる
出典: コンタクトケース/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
別れを告げられた理由を考える「僕」。
きっとこの思考に至るのは、初めてではないのでしょう。
そしてその度に「あれが良くなかったのか」「いや、これも良くなかった」と思い当たってしまい、余計に強い胸の痛みを抱えることになってしまうのです。
うさぎのテールみたいなピアス
外して眠る君はもう居ないよ
下着姿の真っ白い天使が
僕の横から消えた朝
出典: コンタクトケース/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
仲睦まじく過ごしていた日々を思い出しているようです。
当たり前のように隣で眠っていた「君」がいなくなったことを噛み締めています。
今夜の月は明るくてまあるい
最後の夜を あぁ思い出すなぁ
あの時君はどうして泣いたの
未だに分からぬまま 答えは出ぬまま
出典: コンタクトケース/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
月を見上げる「僕」。
今度は、別れなければならなくなった夜を思い起こしているようです。
美しい月に照らされて、「僕」の心に残る寂しさがひときわ強く浮かび上がっています。
盛り上がりを見せるバンドサウンドとヴォーカルも、「僕」の虚しさを際立たせるかのように響きます。
