「君色々移り」のMVで歌詞を解説!
動画のイントロは、歌詞の背景に合わせ、浴衣姿の女子が立って男子を待っているところから始まります。ちょっと田舎の神社あたりで行われる夏祭りに石畳みのところで待ち合わせているところでしょうか。
初々しい男子と女子が主役のようです。
MVのイントロ部分でわかる男子の立場
帰りの道は 染み込む青 落として
黄昏空に 紅を点(さ)した横顔
赤いかんざし 手招くままに
出典: 君色々移り/作詞・作曲:まふまふ
歌詞はいきなり夏祭りの帰りを示していますが、この日の夕方から夜にかけて、一体何があったのでしょう!?しかも染み込む青ってことは、ちょっと心がブルーな状態みたいです。
2行目にある口紅をさした横顔を見ているのは男子だから、この歌詞は男子目線で描かれていることがわかります。
赤いかんざしを見る位置から察するに、男子は女子の横を歩いていなくて女子が少しだけ前を歩いている模様。
恥ずかしいのか、それともちょっとレベルの高い女子を連れて歩いているのか、女子に遠慮しているようです。立場が弱いというか、弱気な僕ちゃんというか…でも中学生ならこんな感じでしょう。
好きな女子の周りを衛星のようにくるくる回って距離を保つ挙動不振な態度。筆者の知り合いの男子でもこういう動きをする人がおりました。精神的に大人である女子からすれば「何してんの?」って感じですが。
あるいはただ単に後れ毛とかうなじとかを後ろから眺めていたいだけかも知れません。(大人の想像って嫌だわ)
身長差コンプレックス?それとも成長願望?
未だ慣れぬ差し下駄履いて
少し背伸びをした夏の夜
出典: 君色々移り/作詞・作曲:まふまふ
この歌詞に書いてある「差し下駄」について少し解説を挟みます。
着物の裾は長いから、歯のついた下駄を履くことで地面に裾が当たらないようにしています。差し下駄は、その歯の長さが少し高いものです。
鼻緒に素足の指を差し込むのですが違和感もあるし、何より慣れないと歩きにくいものです。
当然ながら、年に1回履く機会の男子なら慣れていないでしょう。でも履きたい!なぜなら一緒に歩く女子よりも背が高く見られたいから。
中学では女子より背の低い男子って結構いましたからね。まだまだ成長の途中ですし。
それ以外で背伸びをしたかった理由で考えられるのは「成長願望」でしょうか。目線の高さが変わると見える世界も違ってくると思っていたのかもしれません。
思春期って周りの同級生よりも大人に見られたい気持ちが走り過ぎて、悪戯に大人の真似をしてしまうことがあります。
周りから見れば「何やってんの」と滑稽に思われるようなことばかりですが、やってる当人はいたって真剣なんですよね。
チャンスを伺う男子だけど、意識し過ぎじゃない?
寄って賑わう人の波
手を伸ばせば触れる距離
素っ気ないふり 雨催(もよ)い
はぐれないようにしよう
出典: 君色々移り/作詞・作曲:まふまふ
夏祭りは人がごった返しているので、手でもつないでいないとはぐれそうになりますよね。でもこの男子は女子と触れるほどの近い距離にいながら、なんにもいたしません!でも中学生ならありえますね。
筆者の経験でも中学生の男子は女子を意識し過ぎて、距離を置きたがる傾向がありました。古い話で申し訳ないですが、当時はフォークダンスをする行事がありました(笑)
中学の頃は男子と女子が向かい合って手を繋ぐところでも手は宙に浮かしたままで女子の手を握ることなく踊っていたのに、高校生になると態度が真逆。
男子から積極的にがっつり手を握ってきました(笑)成長すると態度が極端なんですよね、男子って。
3行目には雨催いって普段耳馴染みのない言葉を入れていますが、「あめもよい」と読みます。雨はまだ降ってはいないけど、これから降りそうだという意味です。
でもこの歌詞の場合は本当に雨を気にしているのではなくて「何か起こるんじゃないかな」という男子の期待感を表しているように思います。
人の波に飲まれて離れてしまうと、そんなハプニングのチャンスも失ってしまうから素っ気ないふりをしつつ雨が降りそうなのを気にする風を装っているのでしょう。
なにかあれば彼女の手を握ろうなどと考えているあたり、この男子は本当に可愛いロマンチストですね。妄想しすぎて彼女とはぐれたり、下駄で転ばないようにね♪