歌詞に登場する「奇蹟」という言葉。
主人公にとったらどういう意味があるのでしょうか?
それは主人公が密かに思いを寄せる初恋にも似た大好きな男性からのメッセージなのでしょう。
つまり主人公はまだまだ恋に身をやつしたこともない乙女なのです。
人を好きになるということは、やさしい思いさえあれば現実になると信じているのかもわかりません。
なので、恋の成就は主人公にとって奇蹟のような産物だったのでしょう。
だからじっと待っていたのです。
そんな主人公の思いは2番の歌詞に続いてゆきます。
メッセージとは?
さて、この楽曲は1番も2番も歌詞のサビに「メッセージ」という言葉が使われています。
この「メッセージ」こそが、主人公が待ちわびている告白なのです。
それは勿論、恋が成就するほうの告白です。
主人公には誰にも言えないほど大好きな男性がいました。
もしかしたら主人上にとって初めての恋だったのかもしれません。
しかし、そんな思いはどうやらはかなく散ってしまったようです。
歌詞の中に登場する「雨」という表現。
恐らくこれは主人公がかなわなかった恋の痛手の果てに流した涙だったのでしょう。
そのあと「くちなし」という花が登場します。
季節はこれから夏に向かう前。つまり梅雨だったようです。
くちなしは甘い芳香を漂わせてくれます。
主人公の恋はかなわなかったけれども再び前を向いて歩いてゆく決心をしたようにみえます。
主人公の気持ちはなんとか、持ち直したのです。
歌詞に登場した「メッセージ」とは、今、目の前起こっている全てのことを受け入れることなのでしょう。
つらいことは雨が洗い流してくれる。
そのあとには楽園のごとく甘い香りの新天地が待っていますよ、と。
主人公はきっとそのように受けとったのでしょう。
大人の童謡を目指した楽曲
少々、メルヘンチックすぎる?
「やさしさに包まれたなら」の歌詞は読めば読むほど意味が深まります。
本当に主人公は失恋してしまったのか?
そして本当に前向きな気持ちに切り替わっているのだろうか?
そんな思いが交錯してきそうです。
確かにこの曲は失恋ソングとはいいにくいでしょう。
こんな軽快で気持ちが明るくなるような失恋ソングは考えにくいからです。
この楽曲が作られたとき、ユーミンはまだ荒井由実の時代。
曲のタッチは軽快で聴く人の共感を呼び込む明るいナンバーが主流でした。
大人の恋愛模様を描く楽曲は松任谷由実になってから本領を発揮したはずです。
よって、この楽曲は主人公が少女から大人に成長するある時期を描いた作品と思いたいところですね。
なので曲の雰囲気が全体的にメルヘンチックになっているのでしょう。
少女はやがて大人の女性に
この楽曲の歌詞がメルヘンチックに仕上がっているのも頷けるのではないかと思います。
しかし、主人公の前向きで人を恨まない性格は両親から受け継がれた素養であることは間違いないでしょう。
木漏れ日やくちなしの香りによってやさしさを感じられる主人公。
世の中の人間が、そう簡単にそのような心境にはなれないでしょう。
ましてや、失恋してしまった後かもわからないのです。
普通の人間なら失恋のショックでふさぎ込んでしまうか、泣き続けてしまうかもわかりません。
そのような描写にしなかったのも、ユーミンのもつ豊かな音楽性の主張だったのでしょう。
しかしながら、主人公の女性もいつかは大人の女性に成長します。
もしかしたら、恋に炎を燃やす熱い女性に生まれ変わっているかもわかりません。
そんな想像ができるのも素晴らしい楽曲の歌詞だからこその楽しみなのです。
いい曲には何通りものストーリーが紡げます。
「やさしさに包まれたなら」もまさにそういった楽曲の1つに数えられるでしょう。
まとめ
『やさしさに包まれたなら』の解釈はいろいろですが、比較的失恋ソングが多い松任谷由実の曲の中でも比較的前向きなナンバーではと感じます。
しかも歌詞は読めば読むほど深い内容なので、考えさせられるワードがたくさん詰まっているのが分かります。
今聞いても懐かしい気持ちにさせながら気持ちがワクワクしてくるナンバーなので、再び『やさしさに包まれたなら』でほっこりしてみるのもいいですね。
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