そして、サビが訪れます。
さっきまでのラブラブな温かい冬の恋愛の情景を、ガラッと変えるかのような切ない歌詞が並んでいきます。
照れ隠しするほど、ドキドキしていたはずなのに愛も君の本当も分からないというのはどういうことでしょうか。
これは、ずっと一緒にいるわけではないし、心の内までは分からないという不安が表現されているのではないでしょうか。
キーホルダーであれば、ずっと身につけることができますが、彼氏はそうはいきません。
「君」の笑顔を見て、気持ちを知って、安心したいからこそ臆病になってしまって、信号が二つ目の赤になるまでは手が繋げなかったのではないでしょうか。
ということは、冒頭の照れ隠しやドキドキも、その不安から来ているものなのかもしれません。
想いをちゃんと打ち明ける
涼しい風が香って 陽射しで少し灼けた髪を結んだ
ベランダで夏が踊る なにげない一瞬をただ想ってた
心の中なんて誰にも見えない 毎日すりむいてばかり
君の様にあたしもなりたいんだ だけど言いたくない
こっち側に触れて
出典: 信号/作詞:AIKO 作曲:AIKO
今度は、季節が変わって夏になります。
夏の爽やかさを感じる場面の中にも、どこか儚げな寂しさを感じる歌詞になっています。
「なにげない一瞬」という言葉からは、「君」の仕草だったり、言葉だったり、それがちゃんと自分を想ってくれているのか分からない瞬間を表しているように感じます。
例えば、携帯電話ばっかり見ていたり、どこか上の空だったり、実は、他の人に気が向いてしまっているのではないかと不安になってしまうことって誰にでもあるのではないでしょうか。
しかし、それを知っているのは「君」だけであり、誰にも心の中を読むことはできません。
そんな風に些細な不安に、いつもさいなまれていることを、「毎日すりむいてばかり」と表現していると考えられます。
そして、そんな不安な自分をもっと知ってほしいという願望が描かれています。
泣き叫んでみたり初めてにぶつかったり
君の指に巻き付く糸の色になっていたい
逢いたいじゃ足りない あたしといつもの時を刻む針の音に
この心臓重ねて
出典: 信号/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、ここではついにその不安が爆発します。
想いが溢れて泣きながらも、ちゃんと不安を吐き出している様子が想像できます。
赤い糸を連想させる歌詞や、「心臓を重ねて」という言葉からは、気持ちをちゃんとすり合わせて、同じ気持ちで繋がっていたいという強い想いを感じることができます。
不安でも勇気を出して進まなきゃ
愛なんて知らない君の本当もわからない
あたしがいつも付けてるキーホルダーは君じゃない
笑った顔が見たいあたしといつもの道の角を曲がって
二つ目の赤で手を繋いで
出典: 信号/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、最後は1番のサビを繰り返します。
ちゃんと想いを打ち明けても、やはり最後の最後は心の中までは分からないという現実が描かれているのではないでしょうか。
しかし、今度は繋がっていたいという自分の気持ちは本物であり、不安だとしてもちゃんと手を繋がなきゃという想いを感じます。
1番のモジモジした雰囲気とは違い、意を決して二つ目の信号で手を繋ぐ姿が想像できる締めくくりになっています。
最後に
いかがでしたか?
「信号」の歌詞は、不安な女心を、その季節ならではの情景と共に表現し、相手の心は分からずとも、繋がっていたいという気持ちを信じて進んでいこうという前向きな恋愛の歌詞になっていました。
健気でまっすぐな女性の心を上手に歌うaikoらしい1曲に仕上がっています。
そんなaikoの「信号」、ぜひ聴いてみてください。
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