「シスター」の歌詞を紹介
「シスター」は、ポルノグラフィティにとって15枚目のシングルで、2004年の9月8日にリリースされました。
つまり、ポルノグラフィティがデビュー5周年を迎えた節目のシングルでもあるわけです。
さらに、Tamaが抜けてから初のシングルでもあり、20代最後の曲ということもあり、ポルノグラフィティにとってもファンにとっても、特別な1枚になっているわけですね。
「シスター」からファンになった筆者は当時、そんなことはまったく知らずに好きになりましたが、ポルノファンとしての第一歩を踏み出すきっかけになった特別な曲です。
今作はTama脱退後、2人体制になった新生ポルノグラフィティの最初のシングルである。加えて、メジャーデビュー5周年、15作目のシングル、メンバー2人にとっては20代最後の作品と、ポルノグラフィティにとって様々な節目が重なった作品となった。
出典: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シスター_(ポルノグラフィティの曲)
Tamaのことを歌っている?
東の海に舟を浮かべて誰より早く朝を迎えに
風が便りを運ぶと言うなら 僕に宛てた風は吹いていない
あなたのために祈る事なら今の僕にも許されるでしょう
流れ流れて漂う先で懐かしい日々を思い出してる
出典: シスター/作詞:新藤晴一 作曲:AK.HOMMA
歌い出しのこの部分では、自分への便り(音沙汰)がないことを嘆いているようにも聞こえる歌詞です。
大切な人と離れて暮らしている日々の中で、何か知らせはないか、消息を掴めるものはないかと探しているようにも思えます。
「あなた」を想って祈ることだけは許してほしいという願いが、歌詞からは感じられますね。許しを乞わなければ祈れないほど、後ろめたさを感じいるのでしょうか。
「懐かしい日々」というのは、「あなた」と過ごした幸せな時間でしょう。もう戻れないと知りながら、過去にしがみつきたい気持ちがひしひしと伝わってきます。
ポルノグラフィティの状況と重なる描写
風の便りを待っているところや、「あなた」に祈りを捧げること、「懐かしい日々」という言葉は、すべてTamaに向けたものと取ることもできます。
はっきりとTamaに向けられた歌だと聞いた記憶はありませんが、だいぶ経ってからTamaへの想いも込められているようなことを言っていた気もします(定かではありませんが)。
そこに明白なTamaへの想いがあったかどうかは別として、やはり脱退後の再出発の曲ですから、思うところはあったことでしょう。
悲しみが友の様に語りかけてくる
永遠に寄りそって僕らは生きてく
数えきれない人の涙で夜明け前の海は今日も蒼い
出典: シスター/作詞:新藤晴一 作曲:AK.HOMMA
サビの部分でも、「あなた」を失った悲しみが歌われています。これも、Tama脱退という大きなピンチを迎えたポルノグラフィティの状況と重なります。
海の青さを人々の悲しみと重ねている晴一さんの表現が素晴らしいですね。しかし、悲しみで染まった蒼い海というのは、なんとも切ないです。
「シスター」には、全体的に喪失感と切なさが漂っていますね。
あなたの欠けた世界は今や無秩序にただ組み立てられて
ギリリギリリと軋みながらもそれでもまた再び動き出す
出典: シスター/作詞:新藤晴一 作曲:AK.HOMMA
ここはまさに、Tamaのいないポルノグラフィティと重なる箇所ですね。メンバーが抜けるということは、バンドにとって非常に大きな喪失です。
それだけでなく、大切な仲間がいなくなるという悲しみや喪失感もありますよね。
音楽性の違いであり、仲が悪くなったわけではないと言っても、同じ夢を目指していた仲間が抜けるのは辛いことでしょう。
鐘の音が岬を臨む教会から響く
美しいシスターの祈りを乗せ人の心にも
時間の移りを優しく告げていく
出典: シスター/作詞:新藤晴一 作曲:AK.HOMMA
この部分はとてもキレイな歌詞ですが、優しくも時の流れを告げる鐘の音は、残酷だとも言えます。どれほど相手を想っていても、時は流れます。
何かが変わったり、忘れ去れたりするのが時間の流れというものですよね。時の流れには逆らえないのだという無常観も感じます。
悲しみが友の様に語りかけてくる
永遠に寄りそって僕らは生きてく
西の海まで舟は流れてたそがれと一緒に沈めばいい
明日になったら会えるのかな
出典: シスター/作詞:新藤晴一 作曲:AK.HOMMA
「あなた」への強い想い
「たそがれと一緒に沈めばいい」という言葉が不吉ですね。海に沈みゆく夕陽のように、この舟(自分自身)も沈んでしまえばいい。
それほど「あなた」に会いたい想いが強く、会えない現実を憂いているのでしょう。「明日になったら会えるのかな」というのは、「いつ会えるの?」という心情を表してもいますね。
いつ会えるか分からないまま、大切な人を想い続ける日々は続くのでしょう。「シスター」には、日没のような薄暗い空気感が漂っているような気がします。