SEKAI NO OWARI(セカイ ノ オワリ)とは
今最も注目を集めるバンドのひとつ
SEKAI NO OWARI(セカイ ノ オワリ)は、2010年に「世界の終わり(旧バンド名)」名義でインディーズデビューし、2011年にメジャーデビューをしたバンドです。
メンバーは、ボーカルのFukaseさん、ギターのNakajinさん、ピアノのSaoriさん、DJのDJ LOVEさんの4人と、バンドとしては他に類を見ない構成となっています。
ポップかつエレクトリカルなサウンドを特徴に持つ彼らは、今や知らない人はいないと言っても過言ではないほどの、10代を中心とした若者から絶大な支持を集めるバンドです。
SEKAI NO OWARI「ピエロ」
シングル「炎とモリのカーニバル」収録
「ピエロ」は、SEKAI NO OWARIの6枚目のシングルである「炎と森のカーニバル」のB面に収録された楽曲です。
彼らの3枚目のアルバム「Tree」にも収録されており、9枚目のシングル「SOS/プレゼント」のカップリングには、「ピエロ -Twilight City arranged-」として楽曲のアコースティックバージョンが収録されています。
当時のオリコンチャートではシングル『炎と森のカーニバル』が週間2位、アルバム『Tree』が週間1位を記録しており、「ピエロ」という楽曲自体が、男性用化粧品ブランドのCMソングにもなっています。
なので、A面の曲ではありませんがご存知の方も多いと思います。 今回は、このピエロの歌詞に着目して、楽曲を紐解いていきます。
「ピエロ」とは、あの人のことではない
SEKAI NO OWARIのピエロ…と聞いて、いつもピエロのマスクを被っているDJ LOVEさんを真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、この楽曲で指している「ピエロ」とは、DJ LOVEさんのことではないそうです。
巷ではメンバーのSaoriさんをイメージして書かれたという話もあるこの曲。
作詞を担当したボーカルのFukaseさん曰く、「若者に向けた応援ソングを作ってほしい」 という依頼のもと、CMソングになることを前提に制作をした楽曲なんだそうです。
「ピエロ」という楽曲に込められた想いとは
まずこの楽曲についてですが、全体を通してファニーな曲調に、アイドルソングのようなメロディが印象的です。
ライブなどで披露されている際には、コミカルな動きで楽しそうに演奏しているメンバーの姿に、見ているこちらの心が惹かれます。
聴いているうちにまさしく「ピエロ」を連想してしまうような作品ですが、歌詞を読み解いていくと楽曲が持つ意外な一面や、より一層の深さを知ることができます。
それではいよいよ、「ピエロ」の歌詞を見てみましょう。
ピエロとは誰のこと?
森の中のサーカスの君はそこのピエロで
いつもおどけてみせて、皆を笑わせようとする
どんな悲しいときも笑って
皆を笑わせようとする
本当はとても気にしてる、そのヘンテコな赤い鼻も
からかわれても知らんぷり
踊って転んで笑ってたね
つまづいたんだから涙が出るのが普通なんだよ
出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l03109f.html
Aメロでは、この歌詞におけるピエロ=君というキャラクターについて綴られています。
辛いときや失敗してしまったとき、あるいは他の誰かからバカにされてしまっても、笑顔で乗り切るような“君”の人物像が浮かびます。
大人になればなるほど、誰しもネガティブな感情をなるべく表に出さないようにし、周囲との調和を図ろうとするものです。
その姿はまるでサーカスのピエロのようでもあります。そしてそれは、日々アクシデントやトラブルに見回れながらも、現代社会を懸命に生き抜こうとする私たちにも重なりますね。
作詞をしたFukaseさんはそういった現実をSEKAI NO OWARIの世界観を通した表現に変換しつつ、サビではこのように続けています。
ファンタジックな応援ソング
危ないから空中ブランコなんてしなくていいんだよ
「私がやらなきゃ、誰がやるの!」とそう言って君は笑う
危ないから綱渡りなんかしないで欲しいんだよ
でも、君には決めた事があるんでしょう?
応援するよ
「頑張って!」
出典: http://j-lyric.net/artist/a055790/l03109f.html
それまで“君”のことを中心に書かれていた詞に、ここに来て初めて“君”を見ている人=“僕”の気持ちについての言葉が出てきます。
タイトルである“ピエロ”やサーカスに沿った内容でありながら、くれぐれも無理はしてほしくないけれど、夢や目標に向かって“君”が頑張ってることは知ってるから応援するよ!というメッセージが伝わってきます。
自分の頑張りを近くで見てくれている人が、誰にでも必ず一人はいます。
そのような視点からもこの歌詞のサビは書かれており、聴き手を更に勇気づけてくれる応援ソングとなっています。
サビの最後を締めくくる「頑張って!」という言葉のエールも、それまでの歌詞の流れもあって強く心に残りますね。
実際、ファンの間でもこの楽曲の詞が好きだという人が意外と多いようです。
バンドの持つ独特な世界観から生み出された歌詞と、そのストーリーの中で発信されるシンプルな言葉のメッセージ。
この2つの絶妙なマッチングが、人生において最も多感な時期である10代の若者達から絶大な支持を集める理由の一つであるのでしょう。