悲しい噂 風の中
悪魔が俺に囁いた
この世はすべて裏表
嘘と真実(まこと)の化かし合い

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

1番のAメロ部分では、真実と噓が入り乱れているこの世の中について歌っています。

都合の良いことをいって相手を騙したり、自分にとって有利になるようにズルを働いたりなんてことは、意外といろいろな場所に転がっているものです。

みんながみんな良い人とは限らないのです。

悲しいことに「正直者が馬鹿を見る」というのは実際にあります。

特に、社会に出るとそのようなことを痛感する人は多いでしょう。

上司からいわれたから仕方ない。

会社の利益のために目をつぶるしかない。

本当は良くない事と分かっていながらも、それに従うしかない。

そうでなければ、自分の身が危なくなってしまうから。

きっとこの歌詞の主人公もそんな弱さを抱えており、矛盾を感じながらもそれに抗うことができないのでしょう。

《1番Aメロ続き》ズルをしなければ勝ち上がれない

一か八かの勝負時
いつもアイツが現れる
悪意のドアをこじ開けて
心の隙間に忍び寄る

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

どんなにまともな方法で戦ったとしても、悪い大人はいつだって勝負時にズルをしてきます。

だから必死に戦ってもそんな相手には勝てっこないのです。

そして、その相手はズルを隠したままどんどんと力をつけていき、権力のある存在へと昇りつめていきます。

悲しい現実について歌われていることが分かる歌詞ですね。

《1番Bメロ》人を蹴落とさないと自分が蹴落とされる

自分のために人を蹴落として
成り上がる事が 人生さ
それを許さず抗(あらが)う相手には
殺(や)られる前に殺(や)るのが仁義だろう?

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

1番のBメロ部分でも、悲しい現実について引き続き歌われていますね。

この厳しい世の中で生き抜くためには、人を蹴落とさないといけないのです。

そうしなければ、自分が蹴落とされてしまい不幸が待っています。

そんな残酷な現状を「殺(や)られる前に殺(や)る」という言葉で表現しているのです。

まるでサバイバルゲームですね。

《1番サビ》本当は間違っていることに気づいている

寄っといで 巨大都市(デッかいまち)へ
戦場で夢を見たかい?
しんどいね 生存競争(いきていくの)は
酔いどれ 涙で夜が明ける

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

こんな醜くて残酷な生き残りゲームが行われている会社や職場がたくさん集まっている場所、それが「巨大都市」です。

社会で働くひとりひとりが「戦士」であり、立ちはだかる敵(=ライバルの同僚や、敵視している企業)に負けないように必死に戦います。

それはとてもしんどい事でもあるのですが、生き残るためにはそんなこともいってられない。

神経が図太くないとやっていけない。

でもそんな競争社会の中で、本当は多くの人が気づいているんです。

こんなの本当は間違っている」って。

そんな本心に涙しながらお酒に酔い、そして朝が来たらまた「戦士」として会社に行かなくてはいけません。

《2番Aメロ》ハイエナのような存在が徘徊している世の中

時に気高く 情け深く
組織ん中で振る舞えば
同じ匂い嗅ぐハイエナが
餌を求めて群れをなす

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

2番のAメロでは、真っ当な方法でズルをせずに戦っている人について描写されています。

悪いことは一切せずに戦って、そして勝利することも時にあるでしょう。

しかし、その勝利によって得られた餌(=地位やお金など)を奪おうとして目を付けるハイエナのような存在もいるのです。

世の中には悪い考えを持った人がたくさんいます。

だから自分の身は自分で守らないといけないのです。

《2番Aメロ続き》相手の罠に引っかかることもある

疑惑の影が追ってくる
悪い予感に身悶える
魔力を持ったオンナ達
それに魂を売るオトコ達

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐

悪いことはしていないのに、なぜか自分に疑惑の目を向けられることもあるでしょう。

悪い大人たちによってはめられてしまうと、このような事態に陥ることもあります。

このような状況は、先ほど紹介した「空飛ぶタイヤ」のストーリーとも一致していますね。

また、誰かを罠にはめようとする時、そのターゲットが男ならばハニートラップなどをしかけることもあります。

「魔力を持った~」からの部分は、そんなズルい作戦のようなものもイメージできますね。

《2番Bメロ》自分の中の悪い一面がどんどん大きくなる

西陽が俺の孤独を憐れんで
振り返ればそこに長い影
道に倒れた人を踏み越えて
見据えたゴールへとひた走る

出典: 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐