餓鬼レンジャー【The Skilled feat. LITTLE & FORK】歌詞を徹底解釈!の画像

The skilled 頑固職人 やりすぎで丁度良い ちゃんと置く韻
The skilled 頑固職人 違いの分かる君 感度良すぎ
The skilled 頑固職人 拘りの言葉に ファンも黙認
踏み外せば足をすくわれる 固く踏め 心救われる

出典: The Skilled feat. LITTLE & FORK/作詞:YOSHI, LITTLE, FORK 作曲:DJオショウ

いよいよクライマックスです。

基本的には歌い出しのリフレインになっています。

繰り返しではあるのですが最後ですので論点を整理しましょう。

The skilled

時代遅れの男と罵られようが「韻」を踏み続けるラッパーの職人芸への執着が美しいです。

匠の技でものの見方が変わりうること

この新しい視点の提供が「韻」を踏むことの効果でしょう。

現代思想でのジャック・デリダをご紹介したのは決してこじつけではありません。

日本語ラップの始祖・いとうせいこうやスネークマン・ショーはデリダが大好きでした。

NY・ブロンクスの悪ガキとは違ったインテリゲンチャたちが日本語のラップの始祖です。

餓鬼レンジャーもこうした日本語ラップの伝統を継承します。

違いが分かって、感性が磨かれた人こそが「韻」を踏めると餓鬼レンジャーも歌うのです。

「韻」を踏むのは一種の才能に導かれないといけません。

この才能はヒップホップ・カルチャーに浸る純粋培養だけでは得られないのです。

たくさんの書物に目をとおして新しい価値観を持ち、ボキャブラリーも読書で増やす。

こうした絶え間ない努力の末に日本語ラップの未来があるのでしょう。

だからこそ「The skilled」というタイトルを餓鬼レンジャーは選びました。

言葉に関しての熟練した職人であることの自覚がないとやっていられないのでしょう。

そしてこうしたステートメントにはフェイクの連中にここまで来てみろという挑発が潜みます。

ヒップホップ・カルチャーはいまや大きなビジネスになるかもしれません。

しかし紛い物では通用しないのが「韻」のセンスに現れると餓鬼レンジャーは歌うのです。

餓鬼レンジャーが書いた「韻」の踏み方についての教科書のような「The skilled」。

しかし簡単に習得できるマニュアルにはなっていません。

とにかく自分の感性を磨きまくることが大事だと歌っているのです。

「韻」を踏むには近道はないのでしょう。

人によってそれぞれの「韻」の踏み方があるでしょう。

それでもいいんだよ、違いがあってもいいんだよとは歌ってくれます。

しかしいい「韻」にはやはり座布団あげないといけないとも歌うのです。

下手に「韻」を踏むと怪我しかねないとさえ歌います。

出来不出来のようなものはやはりあるのです。

そのクオリティの差を個性として笑って許してはくれません。

しかしいい「韻」を踏めたならば人生を救われる想いがするという実感も伝えてくれます。

険しい道でしょうがリスナーも「韻」を踏んでみてはいかがでしょうか

最初は拙い「韻」しか踏めません。

しかし続けることでいずれ「The skilled」になれます

こうした人間の可能性は「韻」」を踏むことだけに限らないのです。

人間存在として一人前の大人になったら何かしらの「The skilled」になろうと歌っています。

どこまでも興味深い楽曲「The skilled」ですが基本は人間讃歌でしょう。

ここでは餓鬼レンジャーによる哲学というものを発見した思いです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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