ここでは主人公の「抱えた傷」が明らかにされます。
主人公が回顧しているのは、分別がなかった自身の「若い頃」なのでしょう。
自傷行動に走ってしまっていた主人公。
「自分のせいで自分が辛くなっているから、他人には八つ当たりできない」と言う主人公。
自分を責めすぎるがゆえに自分を傷つけていた主人公。
主人公の優しさが分かる、そして繊細な心の持ち主であることが分かるエピソードですね。
2番Bメロ
だけどたった今 分かったのは
誰もが「生きる奇跡」
産まれてきた ただそれだけで
愛されてる証
出典: 放たれる/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ここで主人公が気付いたのは「親の愛」。
それは損得勘定なしの「純粋な」愛です。
今まで自分勝手に生きてきた主人公は、今はじめてそれに気付きます。
この世に生を受ける命というのは尊い存在。
人間でも動物でも昆虫でも皆そうです。
自分が「存在する」のは、「自分を生んでくれた親」がいるからですね。
これも人間だけではありません。
「親の愛」は盲目的なもの。
その手続きに必要なものなどありません。
2番サビ
カラタチの木の棘のように
あらゆるものに尖り自分を守った
でも今は恐れることは何もないと
つよがりじゃなく思える
出典: 放たれる/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
「棘(とげ)」を全身にまとい、自分を守ってきた主人公。
主人公は誰からも理解されることを望んでいなかったかのようですね。
そして主人公自身は他人を理解しようとしなかった。
それがはじめて両親の偉大な愛に気づいた時、主人公は自ら棘を抜いていきます。
心が軽くなった主人公。
文字通り「尖っていた」時代を懐かしく感じていますね。
Cメロ
遥か遠い記憶の中で
あなたは手を広げ
抱きしめてくれた
まるで大きなものに守られている
そんな安らぎを感じる
今でも
出典: 放たれる/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ここで出てくる「遥か遠い記憶」とは何を意味するのでしょうか?
主人公が幼年時代、父や母に抱きしめられた記憶のことなのでしょうか?
幼年時代を回顧して、親の温かさに触れる主人公。
もう主人公が「棘を持つ」ことはないでしょう。
最後のサビ
もう二度とその温もりに
その優しさに触れないとしても
いつまでも消えない愛が
ひとつあるの
それで強くなれる
だからもう恐れることは何もないの
心は空に
今そっと放たれる
出典: 放たれる/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
幼い頃の両親との思い出を胸に抱いて、生きていくことを決意した主人公。
そこには揺るがない意志が見えます。
恋愛の愛である「性愛」や動物を愛する「動物愛」。
「愛」の形は千差万別です。
その中でも一番純粋で揺るぎのない愛。
それが「親子の愛」なんですね。
「親子の愛」にあって他の「愛」にないもの。
それは「血」です。
「血」のつながりが「親子の愛」を絶対的なものにしてくれるのですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、映画『青天の霹靂』主題歌であるMr.Childrenの『放たれる』を解説しました。
いつもの「ミスチル節」がこの楽曲にもふんだんに織り込まれています。
「親子の愛」を描いた歌詞。
そこには「幼年時代を回顧し、今を生きる糧にする」主人公の強い想いが描かれています。
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