「自由」には必ず「責任」が伴います。

逆に管理されて指示通りに動くことは不自由ではありますが、「責任を取らなくても良い立場」と言い換えることも。

どんなことが自分にとって重要なのか。何をすればいいのかしなくていいのか。

それらは全て自分で取捨選択し、判断する必要もあります。

自由はありますが、常に価値を見極めて行動しなければならない。

その結果、失敗したり大惨事になったとしても自分で責任をとらなければならない。

難しいことですが、それが自立して生きていくという事です。

それを多少きつめの言い方で諭しているというわけですね。

エミリーはまだ幼そうなのでその意味はかなり後になってから分かりそうですが…

日々は永遠ではないから

心のあり方について

7. 学歴に何の意味もないわ。好きな場所で働きなさい。

8. 清く正しく愛を学んで。正しさはあなたが決めなさい。

9. 全てを手に入れようとせずに、時には何か諦めなさい。

10. 誰かを傷つける言葉は直接面と向かって言いなさい。

11. 涙は見せびらかしてはいけないわ。弱さは噛みしめるものよ。

12. 沢山映画を観て、沢山本を読みなさい。

出典: エミリーと15の約束/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ

ここでは心を清く美しく、そしてたくましく生きていくための「私」の知恵が語られています。

きっと実際に彼女が生きてきた中で、得た教訓なのでしょう。

9個目の約束は特に、彼女が過去に何かを諦めなければいけない場面があったことが伺える内容です。

12個目の約束は著者も同意します。

映画や読書は感情を豊かにしますし、知識も身に付きますよ。

元々は娯楽の一部であったこれらですが、こうした長く人気を得ているものに触れることで「教養」と呼ばれるものが身につくこともあるでしょう。

人間が生きている内に知れることは限られているので、考え方の幅が狭くなりがちです。

そうした問題を解消するために、更に「私」は言い募ります。

色んな価値観を取り入れて

日々は永遠ではないから。
価値観を取り入れて、常識を身につけなさい。
そして自分が何者なのか必死に考えなさい。

13. 大人になったら私を忘れて、
あなたの価値観があなたを支えなくちゃいけない。
理屈じゃ守れないものが沢山あるの。
でもあなたが信じるものが、
あなたが愛するものが、
何よりも大事な真実になるのよ。

出典: エミリーと15の約束/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ

先ほどお話したことの繰り返しになってしまうのですが、人によって様々な考え方(価値観)が存在します。

自分の中にそれを判断する材料が一つしかなければ、他人と反発することも増えるでしょう。

自分と違う人間、考え方を受け入れるためには、色んな価値観を知ることが肝要です。

「自分が誰か」とは俗にアイデンティティー」と呼ばれるものですね。

思春期にこの壁にぶつかりやすいですが、何も考えずに過ごすのではなく、もがいてそれをつかみ取れとアドバイスしています。

13で「私」は小さい子供に告げるには残酷な言葉を投げかけます。

自分を忘れろと言うのです。

親を無条件に慕う子供には辛いアドバイスです。

色々と迷う事もあるだろうけど、自問自答して、自分の守るべきものを見極めていきなさいと言っています。

私達、大人にも心に響く言葉ですね。

笑顔でいなさい…でも

14. いつ何時も笑顔でいなさい。
笑顔はあなたを強くする。
でも悲しい時、苦しい時、
大切な人の前で泣きなさい。

出典: エミリーと15の約束/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ

暗い顔はなるべく表に出さないようにと言いつけています。

明るく笑っている姿を見て、力を貸してくれる人も出てくるからです。

また、幸せそうな人にはパワーがあります。

悪い出来事を寄せ付けないような強さ。

でも、いつもニコニコしては疲れてしまうことも。

感情を露わにして良い場面ではそれを共有できる相手を作ることも大事です。

誰かに悲しみや苦しみを理解してもらっている。

それだけで心が軽くなることもあるからです。

あなただけの人生を掴んで

間違っても良い

15. 恐れる必要などないわ。
寂しく思うことはないわ。
あなただけの人生を手に入れなさい。
間違いだらけでもいい。信じれるのは自分だけ。
でもその全てに後悔が出来る人間になりなさい。

出典: エミリーと15の約束/作詞:カンザキイオリ 作曲:カンザキイオリ

最後の約束は、まさにこれまで告げた約束を総括するような内容。

なんとなく、「私」は本当にどこかへ行ってしまうのではなく、病気などで余命が長くないのでは?と感じました。

死の間際に娘へ伝えようとしているというわけですね。

間違いを恐れず、自分を信じて前へ進めというエールで締めくくられました。

最後に言い残す言葉とは