アルバム「ばかのうた」に収録されている失恋ソング
2010年06月23日にリリースされた星野源さんのアルバム「ばかのうた」。
このアルバムは、星野源さんの記念すべきファーストアルバムとなっています。
初期の頃の星野源さんの魅力がたくさん詰まったファン必聴のアルバムといえるでしょう。
今回はそんな「ばかのうた」に収録されている「キッチン」という曲を紹介いたします。
「キッチン」は、別れてしまった恋人について歌っている失恋ソング。
ほっこりとしたスローテンポの曲調とは裏腹に、とても切ない歌詞が歌われているのです。
恋人との別れを経験したことがある人なら、きっと強く共感できる歌詞になっていますよ!
主人公はキッチンで何を思う?別れた恋人を思う歌詞を解説!
それでは、歌詞の内容についてさっそく解説していきましょう。
ある日主人公のためにおかずを作ってくれた彼女。
しかし、その彼女と何らかのトラブルがあり、別れることになってしまった…。
そんな切ない状態を歌った歌詞になっています。
彼女と別れることになってしまい、主人公は一体何を思うのか。
その心情も紐解いていきましょう。
1番の歌詞
なぜキッチンで目が覚めたの?
ふと気づくと キッチンで寝ていた
昨日の料理 捨てずに眺めていた
出典: キッチン/作詞:星野源 作曲:星野源
主人公が朝キッチンで目が覚めるところから、この歌詞の物語はスタートします。
普通だったらキッチンではなく、布団の中で眠るはずです。
しかし、キッチンで眠っていたということは、恐らく寝室まで行って眠る気力さえなかったのでしょう。
かなり精神的にまいっていて、そのままキッチンで酔いつぶれて眠ってしまった…。
そして、そのまま翌朝を迎えてしまった。
そんな主人公の様子を思い浮かべることができます。
キッチンで目を覚ました主人公は目の前に置いてあった料理に目を止めます。
昨夜食べるはずだった料理が、キッチンに出しっぱなしの状態で放置されていたのです。
一晩中出しっぱなしにしていて、傷んでしまっていたから食べずにすぐ捨てるべきなのでしょう。
でも、その料理は彼女が自分のために作ってくれた最後の料理。
この料理を捨ててしまうと、もう二度と彼女の手料理を目にすることはなくなってしまうのです。
だからしばらくの間、捨てずに眺めていたのだと推測できます。
喪失感を抱える主人公
秋の風が 硝子を叩いた
胸の穴が ポッカリと風を通した
出典: キッチン/作詞:星野源 作曲:星野源
どうやら季節は秋のようですね。
ちょっぴり冷たい秋の風と、失恋したばかりの主人公の気持ちは、どこか通じるものがあるのでしょう。
今まで一緒にいるのが当たり前だった彼女。
しかし、どんなに悔やんでも彼女が主人公のもとに戻ってくることはもうないのでしょうね。
とても大切な存在を失ってしまって、主人公は喪失感を感じていることが読み取れます。
別れの言葉が忘れられない主人公
昨夜を境に 時が止まったかのように
同じ言葉が 繰り返し部屋の中 巡る
おかずの匂いだけを残して
出典: キッチン/作詞:星野源 作曲:星野源
主人公と彼女が別れてしまったのは、つい昨日の出来事だったのでしょう。
彼女に別れの言葉を告げられてしまい、そのまま別れを受け入れることになったのだと推測できます。
しかし、主人公の心にはまだ未練が残っているようです。
彼女に告げられてしまった別れの言葉が、何度も頭の中で再生されているのでしょう。
目が覚めてしばらく時間が経っても、彼女が作ってくれたおかずを捨てられずにいる主人公。
彼女はもうこの部屋の中にはいません。
この部屋に戻ってくることも二度とありません。
でも、彼女が部屋の中にいた証(=おかず)はまだ残っているから、余計に切なくなってしまうのでしょう。